レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20200615
- 登録日時
- 2021/01/15 00:30
- 更新日時
- 2021/03/22 13:55
- 管理番号
- 0401001986
- 質問
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解決
飛び出したりする立体的なしかけ絵本ではなく、『かがみのサーカス』(わたなべちなつ/著)のように反射する紙で鏡のようにして見るような、視覚で楽しむ絵本を探している。
例えば色付きフィルムを使って読む絵本があるとも聞いた。
他にどんな方法で視覚的に楽しむ種類があるのかや、それを使った具体的な絵本のタイトルも知りたい。
- 回答
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『しかけ絵本 飛び出す、ときめく、遊ぶ、楽しむ(別冊太陽 日本のこころ260)』(平凡社,2018年)のp.113~に「視覚で遊ぶ」という章があり、「透明&半透明、カラーフィルム&レンズ、アニメーション、鏡、のぞく、じゃばら」といった種類の絵本が数冊ずつ紹介されていたため、これを案内した。
掲載されていた絵本は以下の通り。
【透明&半透明】
『くも』新宮晋/作,文化出版局,1979年
『音楽の本』クロード・デラフォッス,ガリマール・ジュネス社/原案・制作,
ドナルド・グラント/絵,手塚千史/訳,岳陽舍,2000年
【カラーフィルム&レンズ】
『カレイドスコープ(まんげきょう)』サリーナ・ユン/作,きたむらまさお/訳,大日本絵画,2012年
『イルミネイチャー』
カルノフスキー/絵,レイチェル・ウィリアムズ/文,小林美幸/訳,河出書房新社,2016年
『もりにかくれているのはだあれ?』アイナ・ベスタルド/作,きたなおこ/訳,青幻舍,2017年
『立体で見る 星の本』杉浦康平・北村正利/作,福音館書店,1986年
【アニメーション】
『ギャロップ!!』ルーファス・バトラー・セダー/作,たにゆき/訳,大日本絵画,2008年
『サファリ』キャロル・カウフマン/文,ダン・ケイネン/作,きたなおこ/訳,大日本絵画,2013年
『サーカスがやってきた』よぐちたかお/作,福音館書店,2000年
【鏡】
『ふしぎなにじ-かがみのえほん-』わたなべちなつ/作,福音館書店,2014年
『きょうのおやつは-かがみのえほん-』わたなべちなつ/作,福音館書店,2014年
【のぞく】
『ヴェルサイユの庭園』大日本絵画,2005年
『ロンドンバンコク博覧会~1851~』大日本絵画,2017年
【じゃばら】
『よこながきしゃぽっぽ』リチャード・スキャーリー/作,きたむらまさお/訳,大日本絵画,1995年
『地面の下には、何があるの?』
シャーロット・ギラン/文,ユヴァル・ゾマー/絵,小林美幸/訳,河出書房新社,2017年
『木がずらり』tupera tupera/作,ブロンズ新社,2011年
『絵巻えほん びっくり水族館』長新太/作,こぐま社,1990年
『絵巻じたて ひろがるえほん かわ』加古里子/作・絵,福音館書店,2016年
また国立国会図書館レファレンス協同データベースでも視覚で楽しむ本についての事例があったので紹介した。
【レファレンス共同データベースより】
『視覚ミステリーえほん』を見た高校2年生が、もっと錯覚やだまし絵(視覚トリック)の本が見たいとのこと。絵本でもよい。
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000006-I000292031-00 (2020年6月現在)
だまし絵のような、視覚トリックを使った絵本はないか。
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000006-I000303427-0089 (2020年6月現在)
【調査の際参考にした論文】
論文「サブタの「しかけ絵本」をどう評価するか:ロバート・サブタの「しかけ絵本」の特色と課題」牛渡淳(仙台白百合女子大学紀要)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sswc/14/0/14_KJ00009374291/_article/-char/ja/ (2020年6月現在)
- 回答プロセス
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依頼者の探している絵本を「しかけ絵本」と呼ぶのか悩んだため、まずは依頼者が例に挙げた「わたなべちなつ」を自館蔵書検索で調査した。
著者情報から「視覚伝達」というキーワードを得た。
そこで「視覚伝達」というキーワードで自館蔵書検索した結果62件ヒットしたため、依頼者にまずヒットした絵本を実際に確認してもらった。
その間に、他に視覚で楽しむ絵本を紹介した資料がないかを調査した。
Googleで「絵本×しかけ×視覚」というキーワードで検索すると『視覚ミステリーえほん』ウォルター・ウィック/作(あすなろ書房)のレビューが出てきた。
自館に所蔵もあり、件名に「錯視」というキーワードがあったので、再度「錯視×絵本」で自館蔵書検索すると6冊ヒットした。
さらに国立国会図書館サーチでも「錯視×絵本」で調べたところ、参考URLに記録したレファレンス協同データベースの結果が2件ヒットした。
また先に行ったGoogle検索では、『サブダの「しかけ絵本」をどう評価するか ―ロバート・サブダの「しかけ絵本」の特色と課題―』という論文がヒットした。
PDFで公開されており、その中のP.40-41の(注)に回答で案内した資料『しかけ絵本』の情報があった。
これは自館所蔵があったため内容を確認したところ、回答に記載したように依頼者からの情報にも当てはまるフィルムを使うものを始め、いろいろな方法で視覚で楽しむ絵本が紹介されている事を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 漫画.挿絵.児童画 (726 10版)
- 参考資料
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- しかけ絵本 飛び出す、ときめく、遊ぶ、楽しむ(別冊太陽 日本のこころ260),平凡社,2018.4 (0141323329|児研/726.6/ニ/)
- ベーシック絵本入門,生田 美秋/編著,ミネルヴァ書房,2013.4 (p.112 第5章 絵本の種類(2) 25 仕掛け絵本:主にポップアップ絵本についての記述多い|0140464793|児研/726.6/イ/)
- 絵本とイラストレーション,今井 良朗/編著,武蔵野美術大学出版局,2014.4 (p.91 絵本と仕掛け:数冊例に挙げている|0140950338|児研/726.6/イ/)
- キーワード
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- 錯視
- 視覚
- トリック
- しかけ
- 視覚伝達
- 視覚デザイン
- 絵本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000292403