レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/07/20
- 登録日時
- 2011/12/16 02:05
- 更新日時
- 2011/12/16 12:58
- 管理番号
- OSPR11070023
- 質問
-
作曲家リストが「長編戯曲詩『ファウスト断片』」を元にして、管弦楽の楽曲を作った。
さらにピアノ楽譜も作ったのだが、そのピアノ楽譜の解説(曲は「村の居酒屋の踊り」)に『ファウスト断片』を参考にしたとあったので見てみたい。
貴館も所蔵の『手塚富雄全訳詩集』第2巻目がレーナウが収録されていることは貴館OPACでも確認したので、この本に収録がないか、また他の本でもいいのでレーナウのファウストの邦訳がないか教えてほしい。
国会図書館のレファレンス協同データベースに2009年の5月26日更新のデータで、埼玉県立久喜図書館がアップしていた事例あり。邦訳は見つからなかったとの記述あり。念のため本図書館は上智大学(ドイツ文学科があったため)図書館の蔵書検索でレーナウの本を探したところ、貴館も所蔵の『手塚富雄全訳詩集』がヒット。第2巻目がレーナウが収録されていることは貴館OPACでも確認している。
- 回答
-
『新編世界大音楽全集 器楽編 18 リストピアノ曲集 2』(音楽之友社 1991.6)のp.108にリストがレーナウの「ファウスト」の詩から選び出した部分のみは収録されていました。訳は野本由紀夫氏です。
全訳は見当たりませんでした。
p.216の解説には下記のように書かれています。
「レーナウの詩は、後期ロマン派に特徴的な<悲観主義>が極限にまできているといわれる。彼の≪ファウスト≫は3000行以上にもおよぶ詩で、一部は記述的、一部は劇的な<エピソード>または情景の連続である。
リストはそのなかから2つのエピソードを選び出して一組のオーケストラ作品を書いた(1859-60)。それが≪レーナウのファウストによる2つのエピソード≫である。その第2曲≪村の居酒屋の踊り≫のピアノ独奏版が≪メフィスト・ワルツ第1番≫である。
(中略)
ピアノ独奏版でも標題としてレーナウの詩が掲げられているが、かなり官能的な詩である。」
また、全音楽譜出版社の楽譜『メフィスト・ワルツ第1番』(2008.11)にもリストがレーナウの「ファウスト」の詩から選び出した部分の野本由紀夫氏による日本語訳が載っているということです(この楽譜を所蔵している大阪芸術大学図書館に確認しました)。
なお、
『手塚富雄全訳詩集 2 』(手塚富雄/訳 角川書店 1971)
に「ファウスト」は収録されていませんでした。
レーナウの詩は「重い夜」「葦のうた」「川に見入る」の3作品です。
ニコラス・レーナウによるドイツ語のペーパーバックがアマゾンから発売されていますが、日本語に訳されているかは不明です。
Faust: Ein Gedicht [Large Print] [ペーパーバック]
Nicolaus Lenau (著)
ペーパーバック: 648ページ
出版社: Nabu Press (2010/02)
言語 ドイツ語, ドイツ語, ドイツ語
ISBN-10: 1143875710
ISBN-13: 978-1143875717
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 詩 (941 8版)
- 参考資料
-
- 『手塚富雄全訳詩集 2 』手塚富雄/訳 角川書店 1971
- 『新編世界大音楽全集 器楽編 18 リストピアノ曲集 2』(音楽之友社 1991.6 )(ページ:108)
- アマゾン:faust(2011.7.27現在) (ホームページ:http://www.amazon.co.jp/Faust-Ein-Gedicht-Nicolaus-Lenau/dp/1143875710/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1311750959&sr=1-1)
- キーワード
-
- Lenau Nicolaus 詩 ドイツ文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000098392