レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/02/28
- 登録日時
- 2019/03/31 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:40
- 管理番号
- M19022817504936
- 質問
-
「邪な」という言葉があるが、「よこしま」という言葉の意味と語源を知りたい。
- 回答
-
①「「横+様」が音韻変化であること。道に外れた邪悪の意であり、縦を正、横を不正とみた日本人の言語意識がある」との記述があった。また「横」の語源に関して、2説の記述があり、「その1説には正面に対し、「寄る方向」がヨコであり、ヨコは不正な方向、つまりヨコシマなヨコを意味する」との記述があった。
②「道理に外れているさま。「横+し+ま」と分析される。「し」は「日向(ひむか)し」(=東)などの「し」で、方向を表す。「ま」は「まほらま」などの「ま」で接尾語。「横しま」は横の方を表す語であったが、上代から既に「邪」の意味があった。縦を正とし横を不正とする意識があって「よこしま」という語ができた」との記述がった。
③「横の方の意であるが、横は「避く」、中央線から外れる意であるため、正道に対して横邪の意となり、邪悪・非道の意に用いる。すべて正常でないこと」との記述があった。
④「漢字の「横」という字を、ヨコとよむが、その旁の「黄」は「廣(広)」「擴(拡)」の旁に入っている。「廣」はひろいであり、「擴」はひろげるである。「黄」とは本来、大きくひろがるという意味を持っているらしい。勝手で思うままにするという意味を持つ横行、横暴、などという言葉に「横」の字が使われるのは、大きくひろがりのさばる意味を持つ「黄」を「横」がふくんでいる。そこで、ヨコを語源とする動詞があるかと考えてみると、ヨキという動詞が見出される。ヨキとは「避き」の意味。ヨキという動詞は意志的に相手をはずすように進むこと、相手からはずれるように、右に左に回り道をして進むこと。ヨキの語源であるヨコという言葉は、「平面上」で、(真実の対象から)右や左にはずれたところ」という意味。ヨコシマのシマとはサマ(様)と同じ意味だったから、ヨコ(はずれた)シマ(様)で邪悪を表した」との記述があった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本語 (810 9版)
- 参考資料
-
-
①増井 金典『日本語源広辞典 増補版』京都 ミネルヴァ書房,2012,6,1163,34pp. 参照はp.1107.
②『新明解語源辞典』 三省堂,2011,7,1014pp. 参照はp.962.
③白川 静『字訓 新訂』 平凡社,2005,42,944pp. 参照はp.754-755.
④大野 晋『日本語の世界』 朝日新聞社,1976,220pp. 参照はp.88-91.
-
①増井 金典『日本語源広辞典 増補版』京都 ミネルヴァ書房,2012,6,1163,34pp. 参照はp.1107.
- キーワード
-
- 日本語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2019022817520704936
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000254188