レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/12/20
- 登録日時
- 2017/03/01 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:38
- 管理番号
- M16122712083679
- 質問
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「堂応寺宝篋印塔」(倉敷市真備町)の銘文に含まれる文字は「円覚」と「覚円」、どちらが正しいのか。
- 回答
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・昭和35年5月末現在の『岡山県文化財目録』(資料①)によれば、堂応寺宝篋印塔は昭和31年4月に岡山県指定重要文化財に指定され、「正和三年甲寅十月十二日勧進聖人円覚起立之の銘がある」と記載されている。
・昭和31年4月17日発行「岡山県公報」(資料②)の「岡山県教育委員会告示第八号」では、堂応寺宝篋印塔の岡山県指定重要文化財の指定理由が掲載されている。その中で「正和三年申寅十月十二日、勧進聖人円覚起立之の銘文があり、鎌倉末期の作品として県下でも珍らしく雄大かつ完備したものである」と説明している。
・昭和42年度版『岡山県文化財目録』(資料③)では、堂応寺宝篋印塔が昭和40年5月29に国指定重要文化財に指定されており、「勧進聖人覚円」と記載されている。また、昭和49年版『岡山県文化財目録』(資料④)の記述も同様である。
・昭和40年5月29日「官報」(資料⑤)では、文化財保護法により堂応寺宝篋印塔の重要文化財指定が告示されているが、刻銘の紹介は年号部分のみとなっている。
・『岡山縣金石史』(資料⑥)には、「導応寺石塔」として銘文の拓本および宝篋印塔の写真が収録されており、これにより「勧進聖人覺圓起立之」とあることがわかる。
・『おかやまの石造物』(資料⑦)には、堂応寺の「宝篋印塔(倉敷市真備町辻田)」の銘文として「勧進聖人覚円起立之」と記載がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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昭和31年4月現在の『岡山県文化財目録』(岡山県教育庁社会教育課)では、堂応寺宝篋印塔は「円覚起立之の銘があり」としていた。
- NDC
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- 芸術政策.文化財 (709 9版)
- 参考資料
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①岡山県教育委員会『岡山県文化財目録〔昭和31年4月現在〕』岡山 岡山県教育委員会,1960,137p. 参照はp.102.
②「岡山県教育委員会告示第8号」『岡山県公報』第5647号,1956年4月17日,p.607-608.
③岡山県教育委員会『岡山県文化財目録 昭和42年度版』岡山 岡山県教育委員会,〔1968〕,151p. 参照はp.36.
④岡山県文化財保護協会『岡山県文化財目録 昭和49年度版』岡山 岡山県文化財保護協会,1974,161p. 参照はp.42.
⑤「文化財保護委員会告示第33号」『官報』号外第59号,昭和40年5月29日,p.17.
⑥岡山県『岡山縣金石史』岡山 岡山県,1930,1冊p. 参照はp.65.
⑦岡山県教育庁文化財課『おかやまの石造物』岡山 岡山県教育委員会,2016,22p. 参照はp.5.
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①岡山県教育委員会『岡山県文化財目録〔昭和31年4月現在〕』岡山 岡山県教育委員会,1960,137p. 参照はp.102.
- キーワード
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- 宝篋印塔
- 石塔
- 石造物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2016122712030883679
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000210828