レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/01/28
- 登録日時
- 2021/03/20 00:30
- 更新日時
- 2021/03/20 00:30
- 管理番号
- 6001048493
- 質問
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解決
今井兼次の作品「糸車の幻想」について書かれている資料を紹介してほしい。
- 回答
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「糸車の幻想」は1961年に大阪市中央区本町に建設された旧東洋紡本町ビルの屋上の壁面に制作された彫刻作品のモニュメントです。2017年の大阪商工信用金庫新本店ビルへの建て替えに伴い、現在は低層部に復原保存されています。次の資料に掲載されていました。
・『タイル建築探訪』(酒井一光/著 青幻舎 2020.6)
「71 今井兼次により再生された陶片とタイル 本町ビルディング フェニックス・モザイク「糸車の幻想」」(p.292-295)が掲載されています。
建物の概要、設計者の今井兼次についてや作品の構図の魅力などについて記されています。また、作品の全景写真が掲載されており、作品のモチーフについて「中央が糸車、その周囲に布帛(ふはく)をあしらい、塔の頂部に月を、右手に牽牛星(彦星)、左手に織女星(織姫)を配し、その間を天の川が流れる。(後略)」との記述があります。
このほか作品の側面の写真や細部のモチーフの写真も掲載されています。
・『橋爪節也の大阪百景』(橋爪節也/著 創元社 2020.2)
「第八五景 大阪にガウディ発見 フェニックスモザイク 今井兼次「糸車の幻想」大阪商工信用金庫新本店ビル」(p.247-249)が掲載されています。
地域の憩いの場として東洋紡本町ビルの屋上を開放し、モニュメントが設置されたことや、ビルの建て替えに伴い、地上におろされて復元保存されていることが記されています。
また、タイトルに不死鳥を意味するフェニックスが用いられていることについて「戦争で焦土と化した街からの復興に「再生~永遠の力強さ」への思い」がこめられたことや、作品の材料として壺や皿などの瀬戸物、欠けた陶器が用いられており、今井自らも職人に混じってタイルを貼ったことなども記されています。
このほか今井兼次についてやモニュメントの写真が掲載されています。
・『今井兼次に於ける建築と思想に関する研究』(上松佑二/著 中央公論美術出版 2012.12)
第4章16「「大阪本町ビル東邦商事屋階陶片モザイク“糸車の幻想”」一九六一年」(p.256-257)が掲載されています。
作品の構想や、この作品を今井が「日本二十六聖人殉教記念館」(1962)などのフェニックス・モザイク連作の一つとして位置づけていることなどが記されています。
・「作品作風 東邦商事KK本町ビル / 日建設計工務KK ; KK大林組」『建築と社会』42(7) (日本建築協会 1961.7)
p.44-45「屋上モザイクについて」という文章に、作者やデザインの構想などについて記されています。また、「屋上ペントハウス:フェニックスモザイクタイル貼」と題された写真が掲載されています。
[事例作成日:2021年1月28日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 西洋の建築.その他の様式の建築 (523 10版)
- 参考資料
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- タイル建築探訪 酒井/一光‖著 青幻舎 2020.6 (292-295)
- 橋爪節也の大阪百景 橋爪/節也‖著 創元社 2020.2 (247-249)
- 今井兼次に於ける建築と思想に関する研究 上松/佑二∥著 中央公論美術出版 2012.12 (256-257)
- 建築と社會 日本建築協會 日本建築協会 42(7-12) 12号:42輯総目録 (42(7) 44-45)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000295563