レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/7/23
- 登録日時
- 2008/03/19 02:12
- 更新日時
- 2021/02/25 09:48
- 管理番号
- 中央-2007-80
- 質問
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大正13年に起工し、大正15年に開通した、永代橋を作った会社が知りたい。
- 回答
-
1 東京の橋に関する資料、資料1~5を調査。施行会社については、間組と、大丸組あるいは太丸組と記載されている。
資料1:Ⅲ「震災復興橋梁のデザイン思想」に「永代橋」の項目があり、「橋桁製作-神戸川崎造船所」、「下部工-直轄(ただし準備工事は、太丸組と間組)」と記載されている。
資料2:第2章「橋梁」-第5節「主なる橋梁工事」-第2項「永代橋」
「工事」の項目に記述あり。「下部工事は主として直轄で施行し、其の準備工事は大丸組及び間組が請負ひ、橋桁は神戸川崎造船所の製作に掛り、上部架設工事は直営工事とした。」
資料3:「1042 永代橋」の項。設計:東京市復興局橋梁課、施工:太丸組・間組 と記載あり。
資料4,5:設計図、橋の性能などの実験調査結果についてまとめられたもの。施工主は載っていない。
2 施工会社名に太丸組と大丸組の2つの記述があったため、どちらが正しいのかを確認。資料6~8及び読売新聞記事の調査より、施工者は太丸組ではなく、大丸組が正しいと思われる。
大丸組に関する資料が見当たらないため、間組の資料を調査。
資料6:第4章第1節5「関東大震災と復興事業への参加」
p.298 3)「空気潜函法の採用-永代橋」進出と創立期の試練」 の中で、「当社が大丸組と分け合った永代橋工事担当部分は「準備工事」に限られ、本工事である潜函工法による基礎工事は復興局土木部橋梁課の直営で施工された。」との記述あり。
この他、第3章第2節1「鉄道国有化と工事請負業界」の中で、鉄道請負協会の設立総会参加者として、「鈴木辰五郎(大丸組)」の名前が見える。(p.216,217)
また資料巻末に「事項索引」があるが、「太丸組」の見出しは見つからない。
資料7:職業名「土木建築請負業」の項目
p.198 「大丸組」の記載あり。 鈴木辰五郎 京、三十間堀河岸3ノ1 土木建築請負 砂利採掘販売 海陸運送業
「太丸組」は見当たらない。
資料8:職業分類「土木建築其他請負業」の項目を見たが、参考になる記述なし。
[明治・大正・昭和の読売新聞CD-ROM]
大正期をキーワード<大丸組>で検索すると、1925(大正14)年2月15日、朝刊6面に、大丸組の広告記事が掲載されている。キーワード<太丸組>では該当する記事なし。
大丸組の広告記事の主な内容
東京市京橋区三十間堀三丁目一番地 大丸組 店長 鈴木辰五郎 土木建築請負業、砂利採掘販売、運送部
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 橋梁工学 (515 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 東京の橋 : 水辺の都市景観 / 伊東孝∥著 / 鹿島出版会 , 1986.9 <T/0・515/1>
- 【資料2】 帝都復興事業誌 土木篇 上巻 / 復興事務局∥編 / 復興事務局 , 1931 <T/0・369/233/5-1>
- 【資料3】 建築グルメマップ 1 東京編 東京を歩こう! / 宮本和義∥編著 / エクスナレッジ , 2001.6 ( エクスナレッジムック ) <ST/0・520/5028>
- 【資料4】 隅田川筋橋梁調査報告書 昭和45年度 その1 / [東京都建設局∥編] / 東京都建設局道路部 , [1970] <T/0・515/3010/G1>
- 【資料5】 隅田川筋橋梁調査報告書 昭和45年度 その2 / [東京都建設局∥編] / 東京都建設局道路部 , [1970] <T/0・515/3010/G2>
- 【資料6】 間組百年史 1889-1945 / 間組広報部∥編集 / 間組 , 1989.12 <D/5139/3055/1>
- 【資料7】 東京横浜近県職業別電話名簿 大正15年用(第14版) / 日本商工通信社 , 19260325 <RT/0・690/11/26>
- 【資料8】 職業別新東京商業便覧 / 須川三郎∥編 / 新東京社 , 1924 <T/0・670/2/ >
- キーワード
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- 東京都
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000042621