レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/07/30
- 登録日時
- 2021/09/03 00:30
- 更新日時
- 2021/09/03 00:30
- 管理番号
- 6001049953
- 質問
-
解決
「サウルス」という単語は「トカゲ」という意味で爬虫類の学名に使われることが多い。「バシロサウルス」は哺乳類だが、この単語が使われているのはなぜか。
- 回答
-
バシロサウルスは発見された当初、爬虫類であると考えられ「トカゲの王」という意味の「バシロサウルス」という学名がつけられました。その後バシロサウルスは哺乳類であることが分かりましたが、学名には先取権の原則が存在するため、「サウルス」という単語が使われたままになっています。
以下の資料に記述がありました。
<図書>
・『学名で楽しむ恐竜・古生物』(土屋健/著 イースト・プレス 2020.9)
p.217-219に、バシロサウルスに「サウルス」が使われている理由について、バシロサウルスを最初に研究したリチャード・ハーランは、この古生物を海棲爬虫類と考えて1834年に「トカゲの王」を意味する名前を与えたが、実際には哺乳類であった。1842年にはリチャード・オーウェンという研究者が「ズーグロドン(Zeuglodon)」に改名するよう提案したが、学名には先取権の原則が存在するため、名前を簡単に変更することは出来ず、今も爬虫類を意味する「サウルス」が使われたままになっているという説明があります。
・『歩行するクジラ:800万年で陸上から水中へ』(J.G.M.シューウィセン/著 松本忠夫/訳 東海大学出版部 2018.3)
p.18-21にバシロサウルスに「サウルス」が使われている理由について、まずリチャード・ハーランはこの生物がトカゲに属すると考えてバシロサウルス(Basilosaurus)という名前をつけた。しかしリチャード・オーウェンはこの生物は哺乳類であるとし、Zeuglodon cetoidesという名前をつけた。この生物は現在哺乳類とされているが、動物学命名法の国際審議会は、同じ動物に異なる名前がつけられた場合、古い名前の方が有効であると規定しているため、誤った意味のハーランの「バシロサウルス」という名前が使われることになったという説明があります。
<WEB>
福井県立恐竜博物館 恐竜・古生物Q&A ティラノサウルスの「サウルス」ってどんな意味?(2021/7/30現在)
https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/dino/faq/r02007.html
[事例作成日:2021年7月30日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 古生物学.化石 (457 10版)
- 参考資料
-
- 学名で楽しむ恐竜・古生物 土屋/健‖著 イースト・プレス 2020.9 (217-219)
- 歩行するクジラ J.G.M.シューウィセン‖著 東海大学出版部 2018.3 (18-21)
- https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/dino/faq/r02007.html (福井県立恐竜博物館 恐竜・古生物Q&A ティラノサウルスの「サウルス」ってどんな意味?(2021/7/30現在))
- キーワード
-
- バシロサウルス(バシロサウルス)
- 学名(ガクメイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000304189