レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年11月12日
- 登録日時
- 2019/11/08 16:33
- 更新日時
- 2019/11/08 17:53
- 管理番号
- 京歴-461
- 質問
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解決
三十三間堂(正式名称:蓮華王院)の夜泣き泉について知りたい。三十三間堂関係の本は一通り見たが載っていない。他に何かないか。
- 回答
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『京都・伝説散歩』(①)pp.94-95に夜泣き泉の項目があり、次のように紹介されている。
後白河法皇が、子である守仁親王の夜泣きを嘆き、蓮華王院にある地蔵大菩薩像に願をかけ続けたところ、地蔵尊から蓮華王院の東にある霊泉の水を親王に与えるよう告げられた。法皇が親王にその水を与えると、夜泣きが止まった。その後、人々からこの地蔵尊は「夜泣き地蔵」、霊泉は「夜泣きの泉」と呼ばれ、祈願されるようになった。現在は井戸の場所が変わったためか、夜泣きの泉の水は枯れているという。
『京の怪談と七不思議』(②)p.103の「三十三間堂辺七不思議」のなかで、「夜泣の井」について記述あり。この井戸か、傍らの夜泣地蔵尊に祈願文を書くと夜泣きが治ると言われ、祈願の紙がたくさん貼られているという。
『京の伝説なんやかんや』(③)p.64に「夜泣泉と夜泣地蔵」があり、次のように記されている。
三十三間堂にある井戸が夜に震動して泣くため、夜泣泉という名がついた。この井戸の隣に地蔵尊を据えたところ、井戸の鳴音がやんだため、この地蔵尊を夜泣地蔵と呼ぶようになった。夜泣地蔵に祈願すると小児の夜泣きが治ると言われ、参詣人が増え、祈願文やよだれかけが奉納されるようになった。
『京都の七不思議 上(緑紅叢書;2の9 (第21輯))』(④)p.64に三十三間堂の七不思議のひとつに夜泣き泉が上げられているが、解説は書かれていない。
- 回答プロセス
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蓮華王院(三十三間堂の正式名称)で検索して出てきた資料は大体見たが、それらの資料は彫刻やお寺そのものに関する内容がほとんどであったとのこと。
「伝説」(日本十進分類法(NDC)388.162)の棚を探し、『京都・伝説散歩』(①)、『京の怪談と七不思議』(②)に関連する記述があるのを見つけた。
京都の郷土史・民俗に関する著述の多い田中緑紅の著書で探し、『京の伝説なんやかんや』(③)、『緑紅叢書 京都の七不思議 上』(④)を調べた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 伝説.民話[昔話] (388)
- 参考資料
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- ① 京都新聞社編.京都・伝説散歩.河出書房新社,1971. (当館請求記号:K1||388.162||Ky6||)
- ② 京を語る会篇.京の怪談と七不思議.京を語る会,1989. (当館請求記号:K1||388.162||Ky5||)
- ③ 田中緑紅著編.京の伝説なんやかんや.郷土趣味社,1937. (当館請求記号:K1||291.62||Ta84||)
- ④ 京都の七不思議 上(緑紅叢書;2の9 (第21輯)).京を語る会,1959. (当館請求記号:K1||291.62||Ta84||2-9)
- キーワード
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- 夜泣き泉
- 夜泣の井
- 夜泣き地蔵
- 三十三間堂
- 蓮華王院
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000264897