レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年10月16日
- 登録日時
- 2022/10/11 15:59
- 更新日時
- 2022/10/30 09:20
- 管理番号
- 中央-1-0021580
- 質問
-
未解決
階級の再生産について知りたく、親の年収と子供の年収、および親の年収と子供の成績の散布図データが欲しい。分散(標準偏差)がどのくらいあるのかなどを確認したい。
- 回答
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親の年収と子どもの年収・学力について、散布図や標準偏差のデータを見つけることは出来なかった。
参考として、以下の資料およびインターネット情報を紹介した。(インターネット情報の最終確認日:2022年10月30日)
●図書
(1)『格差社会の中の高校生 家族・学校・進路選択』中澤渉/編著 藤原翔/編著 勁草書房 2015年
p.5の記述を一部抜粋する。
「高校生の進路選択とそれに対する様々な要因の影響を検討する上で、本書は量的社会調査データを用い、その統計的分析(計量分析)から、一般的な変数間の関連を明らかにするというアプローチをとる。(中略)しかしこのようなアプローチをとる上では、まずデータを得るための調査が必要となってくる。そこで(中略)「高校生と母親調査,2012」を実施した。」
本書の内容は、この調査結果の分析が中心となっている。
p.28 表1-2 高校偏差値に対する社会経済的背景と成績の影響
p.31 表1-3 期待教育年数に対する社会経済的背景、学校タイプ、成績の影響
ほか、分析項目に「世帯収入」が含まれている表が複数ある。
※本書の分析に用いられている「高校生と母親調査,2012」のデータは「東京大学社会科学研究所 附属社会調査・データアーカイブ研究センター」が管理しており、利用には申請が必要。
東京大学社会科学研究所 附属社会調査・データアーカイブ研究センター ホームページ
https://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/
なお、データの詳細な利用方法については、下記リンク内「利用申込先・承認手続き」の「利用方法の詳細はこちら」から確認できる。
https://ssjda.iss.u-tokyo.ac.jp/Direct/gaiyo.php?eid=0873
(2)『学校選択制の政策評価 教育における選択と競争の魅惑』山下絢/著 勁草書房 2021年
第1章 学校選択制と保護者の社会階層
本章は、「義務教育段階における保護者の学校選択行動を、社会階層の視点から定量的に明らかにする(p.7より一部抜粋)」内容となっている。
本書の「学校選択行動」とは、保護者が私立学校、指定学校(校区内公立学校)、選択制学校(校区外公立学校)の3つの選択肢の中から学校を選択する行動の事を指し、それに保護者の社会経済的地位や教育意識がどのように影響を与えるかを分析する。
ただし、親の年収と子どもの成績の散布図などのデータはない。
(3)『親リッチ』宮本弘之/著 日本経済新聞出版社 2019年
お金持ちの親や祖父母を持つ「親リッチな若者」に着目した内容となっている。
p.26 親リッチと一般の人の学歴比較の円グラフがあり。
p.44 親リッチな会社員と一般会社員を比較した年代別平均年収のグラフあり。
p.77 年間収入階級別教育支出額のグラフあり。
p.84 「東大生の家族で現在の生計を主に支えている人(≒親)の年間税込み収入の平均値は918万円、950万円以上の割合が34.9%となっています。偏差値の高い大学に通う大学生の親が高所得であることは、親リッチに対する教育投資の効果が少なからず出ていることを示すものです」と記載あり。
(4)『学力と階層 教育の綻びをどう修正するか』苅谷剛彦/著 朝日新聞出版 2008年
p.17「社会階層別にみた小学校5、6年生の授業の理解度」という棒グラフでは、両親の学歴、父親の職業をもとにした社会階層上位・中位・下位の3つのグループについて、授業の内容が「ほどんどわかっている」、「まあわかっている」と答えた子どもの割合がそれぞれ示されている。
(5)『教育と格差 なぜ人はブランド校を目指すのか』橘木俊詔/著 八木匡/著 日本評論社 2009年
p.75 付表5-1 出身高校ランク決定のための重回帰分析結果、
付表5-2 出身大学偏差値決定のための重回帰分析結果 などの分析がある。
(6)『日本子ども資料年鑑 2021』母子愛育会愛育研究所/編 KTC中央出版 2021年
p.260「世帯収入(税込年収)と子どもの学力(正答率)の関係(平成29年度)」、「保護者の学歴と子どもの学力(正答率)の関係(平成29年度)」に、それぞれ小学校6年生と中学校3年生の折れ線グラフがある。
●インターネット情報
・慶應義塾大学学術情報リポジトリ
https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/
サイト内「検索」の検索窓にタイトルを入力して検索すると、下記の論文が閲覧できる。
「出身階層と学歴格差 : 階層論的説明の比較」鹿又伸夫
「成育家庭の経済水準が子どもの地位におよぼす影響」鹿又伸夫
・「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」国立大学法人お茶の水女子大学
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/10/1406896_1.pdf
・「日本の子供の貧困に関する先行研究の収集・評価」内閣府
https://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/chousa/h28_kaihatsu/3_02_2_2.html
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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親の年収と子供の成績について、平均を表すグラフはインターネットで見つけた。しかし、散布図や標準偏差のグラフは見つからなかった。
- NDC
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- 社会学 (361 10版)
- 教育 (370 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 階級の再生産
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000322498