レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年4月25日
- 登録日時
- 2020/06/05 16:56
- 更新日時
- 2022/01/18 16:12
- 管理番号
- 蒲郡-2020-04251-A
- 質問
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解決
古関祐而が作曲した「観光蒲郡の歌」の資料はあるか。また、それが作られたいきさつなどがわかるようなものが見たい。
- 回答
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◆「観光蒲郡の歌」の資料について
『蒲郡の観光歌謡』p4歌詞掲載
ソノシート『蒲郡音頭/観光蒲郡の歌』シートの紙ケースには歌詞、曲情報なし。
シート本体に「勝浦仙太郎作詞サトーハチロー補作 古関祐而作曲丹菊みのる編曲 伊藤久男・奈良光枝 コロムビアオーケストラ 日本コロムビア株式会社製作」とある。
『蒲郡町勢要覧』昭和26年 p59歌詞掲載
◆作られたいきさつについて
西宝民報より 関連記事①-⑮
昭和25年①6月4日2面「『観光蒲郡の歌』公募」→「中日に詳細」とある
②6月11日2面「『観光蒲郡の歌』―応募すでに数篇」→蒲郡町観光課(s25.4新設)と中日の主催とある
③6月18日2面「締切り迫る! 観光蒲郡歌公募」
④6月25日2面「応募二百篇突破」
⑤7月2日2面「近く第一予選」
⑥7月16日2面「『観光蒲郡の歌』予選終る 地元で四名入選」→初めて「古関勇次*氏作曲」と出てくる *原文ママ
⑦7月30日2面『観光蒲郡の歌』決まる」→「因に作曲は、コロンビア古関祐而氏」氏名表記ここから直る。
決定した作詞者は蒲郡ホテル関係者のよう
⑧8月6日2面「『観光蒲郡の歌』 作曲出来上がる」
⑨8月13日2面「『観光蒲郡の歌』のレコード吹込み決る」→「裏に『蒲郡音頭』を吹込む。予約金300円程度」
⑩9月3日1面「『観光蒲郡の歌』授賞式行う」
⑪9月3日2面「発表会開く『観光蒲郡の歌』」→9月中に発表会を開き、レコードにすることを決定
⑫9月17日2面「『観光蒲郡の歌』公民館上棟式に発表会」
⑬10月1日1面「今日発表会『観光蒲郡の歌』」
⑭11月26日2面「『観光蒲郡の歌』レコード出来る」
昭和26年⑮3月28日2面「レコード売る『観光蒲郡の歌』」→あまり売れていないようなので関係者に聞いてみるという記事。作曲者は一流なのでものは悪くないと思う、とある。
中部日本新聞より 関連記事⑯-⑲
昭和25年⑯6月9日6面(三河版)「観光蒲郡の歌募集」
⑰6月18日4(?)面※文字がつぶれて読めない(三河版)「観光蒲郡の歌募集」
⑱6月24日6面(三河版)「『蒲郡の歌』応募者殺到」
関連事項として、中部日本新聞より、
⑲昭和25年7月18日6面(三河版)「愛知県民の歌決る 古関氏が不朽の名作」
→当時著名な作曲家に曲を書いてもらい、歌詞を公募するやり方が多かった。「愛知県民の歌」も「観光蒲郡の歌」とほぼ同様のやり方の公募だった。主催は同じく中日新聞。こちらの作曲者も古関祐而氏。
いきさつの詳細はわからないが、新聞記事の内容から下記のように読み取ることができる。
蒲郡町は昭和25年観光事業に力を入れていく事業計画が出されて、4月に観光課が新設。有識者から観光委員というのを選定し、観光事業に本腰を入れていったよう。『観光蒲郡の歌』は作詞者を公募。作曲者はコロンビアに所属していた古関氏。作詞が決定次第、作曲者への打診が行われた。当時は著名な作曲家に曲を書いてもらい、歌詞を公募するやり方が多かった。
- 回答プロセス
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1.自館OPAC「観光蒲郡の歌」で検索。3件ヒット。
『蒲郡の観光歌謡』p4に歌詞が掲載されていた。
『蒲郡の民謡』掲載なし。
ソノシート『蒲郡音頭/観光蒲郡の歌』シートの紙ケースには歌詞、曲情報なし。シート本体に曲情報等記載あり。
2.郷土資料の書架から直接探す。
『蒲郡町勢要覧』昭和26年よりp59に歌詞が掲載されていた。
3.過去の新聞を見てみる。
西宝民報、中部日本新聞をそれぞれ探す。
上記の記事を見つけた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215 10版)
- 個人伝記 (289 10版)
- 伝説.民話[昔話] (388 10版)
- 参考資料
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- 蒲郡の民謡,蒲郡市観光協会/編集,蒲郡市観光協会,出版年不明
- 蒲郡の観光歌謡,蒲郡市観光協会/編集,蒲郡市,出版年不明
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蒲郡音頭/観光蒲郡の歌,蒲郡市観光協会/製作,日本コロムビア,蒲郡市,発売年不明
「蒲郡音頭」西條八十/作詞,中山晋平/作曲,平川英夫/編曲,赤坂小梅・鶴田六郎・コロムビア合唱団/歌 「観光蒲郡の歌」勝浦仙太郎/作詞,サトーハチロー/補作,古関裕而/作曲,丹菊みのる/編曲,伊藤久男・奈良光枝/歌,ソノシート - 西宝民報(複写)
- 中部日本新聞
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古関裕而. 古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編. 日本コロムビア, 2021.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I031505096-00
- キーワード
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- 古関祐而
- 観光蒲郡の歌
- 照会先
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- 蒲郡市博物館
〒443-8601 愛知県蒲郡市旭町17番1号 Tel:0533-66-1111(代表)
https://www.city.gamagori.lg.jp/site/museum/
- 蒲郡市博物館
- 寄与者
- 備考
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・『蒲郡の観光歌謡』の出版年について。博物館蔵の「観光関係諸綴」(1964.5刊)の観光関係資料一覧に掲載あり。おそらく1966(昭和41)年ごろのものではないかと見られる。
・『観光蒲郡の歌』レコードは蒲郡市博物館に所蔵あり。2020.6月末~7月中旬まで、蒲郡市博物館にて関連資料ミニ展示あり。レコードも展示された。レコード発売当時(1950、昭和25年)は、赤レーベルで出されている。その後、白レーベル、黒レーベルと変わっていく。博物館蔵のレコードは黒レーベルのため、1958(昭和33)年以降のものだと思われる。ソノシートはさらに後の発行となるため、発売年に関しては不明。
→東日新聞2020年6月24日(水)1面「古関裕而作曲70年前の蒲郡ご当地ソング発掘 蒲郡市博物館が所蔵 27日から展示 3分弱のタンゴ調」
中日新聞2020年6月29日(月)朝刊9面「古関裕而さん作曲『観光蒲郡の歌』昭和25年レコード作成 楽譜と合わせ市博物館で展示」
◆2020年7月18日(土)夕刊4面「朝ドラ『エール』で風俗考証担当 刑部芳則・日大准教授が寄稿 中部ゆかりの古関裕而作品 人柄にじむ地域振興曲」に記事掲載。博物館提供のSPレコードの写真が載っている。
◆2021年10月7日(木)東愛知新聞1面に「現代によみがえる『幻の曲』」の見出しで古関裕而のCDアルバムが発売されるとの記事があり。このCDアルバムは古関が全国から依頼を受けた音頭や行進曲などを集めてCD化。豊橋市中央図書館を通じてレコード会社に提供した音源を元に復活した「豊橋観光音頭」「夢の豊橋」も収録されている。「同じアルバムには蒲郡市が提供した『観光蒲郡の歌』も収められている」と書かれていた。
このCDアルバム『古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編』は自館所蔵予定。(2021.11.3追記)
◆2021年11月14日(日)CDアルバム『古関裕而秘曲集 新民謡・ご当地ソング編』を所蔵とする。
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000282803