レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/01/18
- 登録日時
- 2012/01/26 02:00
- 更新日時
- 2012/04/10 14:15
- 管理番号
- 6000003061
- 質問
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解決
近年、「北摂」という地域に関するガイドブックなどの出版物が多数見受けられ、いずれも豊中市近辺を扱っているが、それぞれに「北摂」の範囲が異なっているように思われる。「北摂」の定義が載った資料はあるか。
- 回答
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『角川日本地名大辞典27 大阪府』(角川書店)
『郷土資料事典27 大阪府』(人文社)
などに、北摂の定義が載っている。ただし北摂という言葉が指す地域は資料によって異なっている。
- 回答プロセス
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北摂とは、旧摂津国の北部を指す言葉だが、資料によって北摂の定義は揺れ動いている。
『角川日本地名大辞典』の「ほくせつ」の項によると、北摂の範囲は豊能郡・池田市・豊中市・箕面市・三島郡・茨木市・吹田市・摂津市・高槻市で、現在の行政区分では「北大阪」にあたる。また兵庫県下の旧摂津国を「西摂(せいせつ)」としている。
『郷土資料事典』の摂津地方の説明文によると、北摂は山間部(豊能郡・池田市・箕面市・豊中市)、すなわち豊能地域。ここでは北大阪のうち三島地域(平地部)は「東摂(とうせつ)」とされる。
なお、『兵庫県大百科事典』(神戸新聞出版センター)によると、現在三田市に「北摂ニュータウン」が存在し、また北摂整備局が存在するなど、兵庫県には北摂という行政区分が存在するようであるが、明確な定義はなし。なお、同事典より、明治44年の『西摂大観』では、東西は現在の明石市から西宮市、北は三田市までを扱っていること、また猪名川・武庫川流域の武庫平野は、別名西摂平野とも呼ばれていることがわかる。
このほか、『目で見る北摂の100年』(郷土出版社、1995)に記載されている範囲は池田市・箕面市・豊能町・能勢町。『図説北摂の歴史』(郷土出版社、1998)の扱う範囲は池田市・豊中市・箕面市・豊能町・能勢町。いずれも「北摂」の明確な定義はなし。また『北摂・大阪・神戸を巡る 摂津ふらり旅』(自然総研、2010)では、豊能地域と阪神北地域(宝塚市・川西市・猪名川町)をひとまとまりとして扱っている(旧摂津国が現在の行政区分でどこにあたるかの図がP8にあり)。
『北摂歴史散歩 高槻・茨木・島本編』(創元社、2006)あとがきでは高槻市・茨木市・島本町が「北摂」とあり。
また、『なにわ大阪再発見』(大阪21世紀協会)『図説大阪府の歴史』(河出書房新社)『大阪府の歴史散歩上 大阪市・豊能・三島』(山川出版社)『北大阪の史跡を探る』(旭書房)『なにわ大阪今と昔』(小学館)『大阪の教科書 大阪公式検定テキスト』(創元社)には北摂についての記載なし。
なお、2010年11月29日の産経新聞夕刊にて、「新街場の大阪論」の連載の中で江弘毅が北摂のあいまいさについて述べている(参考URLは豊中市立図書館の新聞記事見出し検索)
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 『角川日本地名大辞典 27』「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編(角川書店)
- 『郷土資料事典 観光と旅 27』人文社観光と旅編集部/編集(人文社)
- 『摂津ふらり旅』國眼隆一とTOYRO倶楽部/編著(自然総研)
- キーワード
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- 北摂(ホクセツ)
- 地名
- 歴史
- 大阪府
- 兵庫県
- 東摂(トウセツ)
- 西摂(セイセツ)
- 摂津国(セッツノクニ)
- 照会先
- 寄与者
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000100585