レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018/08/01
- 登録日時
- 2020/03/04 00:30
- 更新日時
- 2020/03/04 10:20
- 管理番号
- 所沢本-2019-033
- 質問
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解決
古い文献に、くずし字で「みとこし」と読めるものがあるが、それは、どのような着物の事なのかを知りたい。
- 回答
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「みとこし」という、着物の柄は、見つかりませんでした。
ただ、着物の柄で「みそこし(味噌漉)」というものがあります。味噌漉しのように小柄の格子縞を地文様とし、所々に太い縞を経緯に配した柄をいうようです。(参考:『文様の事典』)
「みそこし」でよろしければ、以下の資料に記載があります。
〇『きもの文様事典』 本吉春三郎/著 婦人画報社 1979年
〇『文様の事典』 岡登貞治/編 東京堂出版 1989年
〇『染織事典』 中江克己/編 泰流社 1993年
〇『原色染織大辞典』 淡交社 1977年
〇『きもの文様図鑑』 木村孝/監修 ハースト婦人画報社 2012年
- 回答プロセス
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所蔵資料の内容確認
〇『きもの文様事典』 本吉春三郎/著 婦人画報社 1979年
P215「みそこしじま 味噌漉縞」の項あり。
「細く削った竹で篩(ふるい) の形の編み、味噌を漉す味噌漉しのように細い経緯縞のこと。ところどころに太い縞が入る。江戸時代に織られたものであるが、現在でも男物に使用される。」との記載あり。
〇『文様の事典』 岡登貞治/編 東京堂出版 1989年
P281「味噌漉縞 みそこしじま」の項あり。
「縞柄の一種。小柄の格子縞を地文様とし、所々に太い縞を経緯に配した竪横縞をいう。外観が味噌漉の笊ににているのでこの名が生まれた。江戸時代末期から織りだされ、初めは縮緬に応用されたが、後には色々の織物にも用いられ、浅黄地に紺縞のものが多く、主として婦人の袷や綿入に使用された。」との記載あり。
〇『染織事典』 中江克己/編 泰流社 1993年
P381「味噌漉縞 (みそこしじま)」の項あり。
「縞柄の名称。細かい縦横縞を地とし、ところどころに太い縞を経緯に配した格子柄。味噌漉の網目ににるのでこの名がある。嘉永年間(1624~1644)に織りはじめられたもので、当時は浅黄地に紺色で縞柄をあらわしたものが流行、主として女物であった。現在では主に男物にみられる柄である。」との記載あり。
〇『原色染織大辞典』 淡交社 1977年
P1068「みそこしじま 味噌漉縞」の項あり。
「縞柄の名称。細かい縦横縞を地とし、所どころに太い縞を経緯に配した縞柄。(以下省略)」との記載と、縞柄の図版あり。
〇『きもの文様図鑑』 木村孝/監修 ハースト婦人画報社 2012年
P115「味噌漉縞 (みそこしじま)」の項あり。
「細かい、小柄の格子縞の所々に太い縞が縦横に入っています。細く削った竹で編んだ味噌漉しの形に似ているのでこの名があり、江戸時代から織られました。(以下省略)」との記載と、縞柄の図版あり。
△『近世のシマ格子』 広岩邦彦/著 紫紅社 2014年
P119-120「碁盤嶋を重ねる」の項に「(前略) 18世紀後半にはどうなるか。図45の碁盤嶋は、もっと複雑なものへ移行している。遊女に付き添う男は、遊女を飾るために目立つ木綿嶋を着る。太い線筋でつくる格子の空間に、小さな格子柄を詰め込んでいる。柄は小さくなる方向へ動き、18世紀末にはさらに縮めて、味噌の塊を砕くザルに見立てて「味噌こし嶋」と呼ぶことになる。」との記載あり。
×『日本の伝統染織事典』 中江克己/著 東京堂出版 2013年
×『江戸時代生活文化事典 下』 長友千代治/編著 勉誠出版 2018年
×『染め織りめぐり』 木村孝/監修 JTB 2002年
×『日本の伝統的織りもの、染めもの』 三宅和歌子/著 日東書院本社 2013年
- 事前調査事項
- NDC
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- 染織工芸 (753 9版)
- グラフィックデザイン.図案 (727 9版)
- 参考資料
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- きもの文様事典 本吉春三郎/著 婦人画報社 1979 753
- 文様の事典 岡登貞治/編 東京堂出版 1989.9 727 4-490-10262-3
- 染織事典 中江克己/編 泰流社 1993.4 753.033 4-8121-0022-4
- 原色染織大辞典 淡交社 1977 753.033
- きもの文様図鑑 木村孝/監修 ハースト婦人画報社 2012.2 753 978-4-573-02215-7
- キーワード
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- 文様
- 味噌漉縞
- 文様
- 染織
- 碁盤嶋
- 縞柄
- 格子柄
- 着物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000275143