レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/6/23
- 登録日時
- 2020/08/22 14:57
- 更新日時
- 2020/09/08 09:45
- 管理番号
- 相市-R2-1
- 質問
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①ヨーロッパの公証人制度の歴史について知りたい。
②公証人制度とナポレオンの関係について知りたい。
③「黒い貴族」と称されたパラヴィチーニ家について知りたい。
- 回答
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①,②(1)-(7)の図書を貸出した。
また「帝国公証人条令(1512年)」https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/58382/1/lawreview_vol65no6_21.pdf(2020年9月1日最終確認)を閲覧した。
③(8),(9)の図書を貸出した。
- 回答プロセス
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①、②について
●自館OPACで検索
・“コウショウニンセイド”“コウショウニン ナポレオン”で検索→該当なし
・“コウショウニン”で検索→『ドイツ職人紀行』池内 紀/著 東京堂出版 2018【384.3 S33618935】→情報なし
・“ナポレオン”で検索(※相談者の事前調査事項を参照)
ヒットした資料の中から関連のありそうなものをブラウジングしたが、いずれも公証人についての記述は確認できなかった。
(1)『ナポレオン四代』野村 啓介/著 中央公論新社 2019【S288.4935 S33088659】
(2)『ナポレオン時代』アリステア・ホーン/著 中央公論新社 2017【S235.064 S33003849】
●Google検索
・"ナポレオン 公証人"で検索
→立命館大学法学部サイトに掲載されている「ナポレオン民法典」というPDFファイルがヒット。
ナポレオン民法典における公証人の役割や権限等について記されている。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/18-1/013nakamura.pdf(2020年9月1日最終確認)
・上記結果をふまえ“ナポレオン民法典”で検索。
→wikipedia「フランス民法典」がヒットする。
「(前略)ナポレオン・ボナパルトが制定に深く関わっている経緯から、ナポレオン法典(Code Napoléon)ともいう。」と記されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%B0%91%E6%B3%95%E5%85%B8(2020年9月1日最終確認)
・“公証人”で検索
→Wikipediaに「(前略)中世ヨーロッパの神聖ローマ帝国(ドイツとイタリアの一部)が始まりと言われており(中略)1512年に当時の神聖ローマ皇帝が「帝国公証人法」を定め(後略)」と記載あり。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E8%A8%BC%E4%BA%BA(2020年9月1日最終確認)
また、参考文献として記載されていた資料を市内公民館図書室より取り寄せ。
(3)『孤高の王国裁判所』朝日新聞孤高の王国取材班/著 朝日新聞社出版局 1994【B327 S12677498】ヨーロッパ公証人制度に関する記述は確認できなかった。
・上記情報を踏まえ“1512年 公証人”で検索
→北海道大学学術成果コレクション「HUSCUP」で「帝国公証人条令(1512年)」という論文が掲載されていた。
文頭に「以下に掲げるのは、ドイツ(神聖ローマ帝国)で1512年に成立し公布された、帝国公証人条令 Reichsnotariatsordnung(RNO)の日本語訳である。」とあり、同ホームページで全文閲覧可能。
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/58382/1/lawreview_vol65no6_21.pdf(2020年9月1日最終確認)
・ナポレオンの姓から“ボナパルト家”で検索
→コトバンク「ボナパルト家(ボナパルトけ)とは」がHIT。
『日本大百科全書』(ニッポニカ)の解説内に、一族の中に公証人がいる旨の記載あり。
https://kotobank.jp/word/%E3%83%9C%E3%83%8A%E3%83%91%E3%83%AB%E3%83%88%E5%AE%B6-133813(2020年9月1日最終確認)
●再度自館OPACで検索
“中世”で検索→ヒットした資料の中から関連のありそうなものをブラウジング
(4)『図解中世の生活』池上 正太/著 新紀元社 2016【230.4 S33139775】
●自館書架から関連のありそうな本をブラウジング
(5)『イタリア史』北原 敦/編 山川出版社 2008【237 S24100661】p258-p260に公証人について記述あり。
(6)『大学で学ぶ西洋史古代・中世』服部 良久/(他)編著 ミネルヴァ書房 2006【230 S33239328】p249に公証人について記述あり。
(7)『西洋の歴史基本用語集 古代・中世編』朝治 啓三/編 ミネルヴァ書房 2008【230.3 S24081036】p246 に「リエンツオ」という名の公証人について記述あり。
③について
●自館OPACで"パラビチーニ"で検索。→中世貴族のパラヴィチーニに関する本は該当なし。
●県内横断検索で“パラビチーニ”で検索→市内図書館にも所蔵している資料がヒットする。(市内所蔵分は注記を入力していなかったため、上記キーワードでの市内検索・県内横断検索ではHITしなかった。)
(8)『エッセイの贈りもの5』岩波書店編集部/編 岩波書店 1999【914.6 S16270571】p96-p102に「パラヴィチーニ家の晩餐」について記述あり。
●自館書架から関連のありそうな本をブラウジング
(9)『イタリアの歴史』クリストファー・ダガン/著 創土社 2005【237 S23089089】p98に16-17世紀の金融業界において勢力が強かった親族経営の金融業者として、パラヴィチーニ家の名前が挙げられている。
- 事前調査事項
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①、②について
「公証人制度の設立にはナポレオンが関与している」との情報があった。
『契約と紛争の比較史料学』臼井 佐知子/編ほか 吉川弘文館 2014 は閲覧済。(市内に所蔵なし)
③について
パラヴィチーニ家が中世イタリアの貴族であることは調査済。インターネットでの検索は相談者自身が行っているため、図書を希望する。
- NDC
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- ヨーロッパ史.西洋史 (230 10版)
- イタリア (237 10版)
- 司法.訴訟手続法 (327 10版)
- 参考資料
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『ナポレオン四代』野村 啓介/著 中央公論新社 2019
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I011989932-00 , ISBN 9784121025296 -
『ナポレオン時代』アリステア・ホーン/著 中央公論新社 2017
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028700693-00 , ISBN 9784121024664 -
『孤高の王国裁判所』朝日新聞孤高の王国取材班/著 朝日新聞社出版局 1994
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002381792-00 , ISBN 4022610581 -
『図解中世の生活』池上 正太/著 新紀元社 2016
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027617281-00 , ISBN 9784775313022 -
『イタリア史』北原 敦/編 山川出版社 2008
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009494095-00 , ISBN 9784634414501 -
『大学で学ぶ西洋史古代・中世』服部 良久/(他)編著 ミネルヴァ書房 2006
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I089814236-00 , ISBN 9784623045921 -
『西洋の歴史基本用語集 古代・中世編』朝治 啓三/編 ミネルヴァ書房 2008
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010733136-00 , ISBN 9784623050871 -
『エッセイの贈りもの5』岩波書店編集部/編 岩波書店 1999
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002813910-00 , ISBN 4000222562 -
『イタリアの歴史』クリストファー・ダガン/著 創土社 2005
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I078466767-00 , ISBN 4789300315
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『ナポレオン四代』野村 啓介/著 中央公論新社 2019
- キーワード
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- Napoleon 1世, 1769-1821, フランス皇帝
- 公証人--フランス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 人物 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286142