レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2016/01/17 16:25
- 更新日時
- 2016/03/12 10:21
- 管理番号
- 千葉市中央063
- 質問
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解決
居酒屋で出てくる「お通し」にはどんな意味があるのか知りたい。
- 回答
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『日本大百科全書 4 おおつ-かき 2版』によれば、日本料理において、初めに出てくる少量の、酒の肴に適するものを「お通し」というそうだ。本来は、なまぐさ物と山菜物と二種出すもの。また、「お通し」と言う言葉は関東の名称で、関西では突き出し、先付けともいうらしい。
『日本料理由来事典 上 あ〜し 川上 行蔵/監修』によると、「料理屋などで、お客を席に通して注文を聞いてから、すぐに酒の肴として供する料理」のことだそうだ。客の注文を、帳場に通したということから「お通し」と呼ばれている。また、通し物、通し肴、つきだし、前菜、箸割り、箸つけ、お座つき、座つき肴、先付けなどとも呼ばれるらしい。内容としては、酢物、和物、珍味類、塩辛などが使われ、あとに続く料理よりも軽く、酒の肴に適したものが出されるそうだ。また、関西での名称である「突き出し」に関しては、「客の注文にかかわらず、まず突き出すという意味であろう。」と書かれていた。
『世界の食語源×由来小事典』によれば、料理屋で客を通して注文を受けた後に、すぐに酒の肴として提供する料理で、注文を通したという意味で、「お通し」という名称があるそうだ。
『居酒屋の誕生 江戸の呑みだおれ文化 飯野 亮一/著』によれば、江戸の居酒屋では、注文していないのに「お通し」が出されることはなかったようだ。また、著者によれば、「お通し制度」がいつから始まったかはっきりとはわからないようではあったが、比較的新しい制度で、昭和十年頃から始まった制度ではないか、と推測している。
- 回答プロセス
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日本大百科全書にて「お通し」のページを確認。
食品・料理の棚をブラウジング。
自館業務端末にて「酒場」「歴史」「居酒屋」などのキーワードで、検索した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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小学館編. 日本大百科全書 4 おおつ-かき 二版 二版. 小学館, 1994-01.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000015977-00 , ISBN 4095261048 (P.265) -
川上行藏, 西村元三朗 監修 , 川上, 行蔵, 1898-1994 , 西村, 元三朗, 1905-. 日本料理由来事典 上(あ~し). 同朋舎出版, 1990.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002944607-00 (P.230) -
世界の食語源×由来小事典. ジャパンアート社, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005558990-00 (P.38) -
飯野亮一 著 , 飯野, 亮一. 居酒屋の誕生 : 江戸の呑みだおれ文化. 筑摩書房, 2014. (ちくま学芸文庫 ; イ54-1)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025599889-00 , ISBN 9784480096371 (P.209~P.211)
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小学館編. 日本大百科全書 4 おおつ-かき 二版 二版. 小学館, 1994-01.
- キーワード
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- お通し
- 突き出し
- 先付け
- 居酒屋
- つまみ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000187117