レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年10月29日
- 登録日時
- 2019/11/09 17:41
- 更新日時
- 2019/12/19 09:49
- 管理番号
- 北九2019中央062
- 質問
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解決
小倉北区に篠崎神社という神社があり、すぐ下が高速道路のインターチェンジになっていますが、その昔(少なくとも昭和28年頃まで)神社の森だったそうです。その資料はないでしょうか。
- 回答
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篠崎神社は、各種の資料では「篠崎八幡神社」と表記されています。
「日本歴史地名大系第41巻 福岡県の地名」平凡社(2004)P1232には、「篠崎八幡神社」の項目があり、「嘉祥三年(850)鷹尾山麓から当時祇園社があった宮尾山(現在地)に社殿を移した(篠崎八幡宮記)。」とあります。
「北九州市史 近代・現代(教育・文化)(北九州市史編さん委員会/編)」北九州市(1986)P826にも「篠崎八幡神社」の項目があり、同様の記載があります。
「小倉市誌 上」 小倉市(1921)P521~533にも「篠崎八幡神社」の項目があり、P523~524には神社の位置や周囲の情景が記載されていますが、明確に「森」と判断するのは難しいと思われます。
「角川日本地名大辞典40 福岡県」角川書店(1988) P645~646に、「篠崎」の項目があり、P646に「文化9年には郡方の手で宮尾社(篠崎八幡社)に2,500本の松が植えられた(中村平左衛門日記)。」とありますので、ある程度まとまった数の木が神社周辺にあったことは推測されます。(文化9年は西暦1812年にあたります。)
確認すると、「中村平左衛門日記 第1巻」北九州市立歴史博物館(1982)P149 文化9年1月24日に、該当する記載がありました。
地図で森が存在するか確認するため、「小倉築港及び小倉市地図」(1928)(昭和3年)及び「小倉市街図」(昭和28年3月測図)の2点を、現在の地図である「住宅地図 小倉北区」ゼンリン(2016)及び「町の達人 北九州下関便利情報地図」昭文社(2016)と比較しました。
都市高速道路のインターチェンジ付近の場所を確認してみましたが、神社の敷地の高台のところは広葉樹林あるいはその他の樹木がありますが、低い土地の部分については、田が多いようですが不明な部分もあり、断定は難しいと思われます。
- 回答プロセス
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最初に地名からアプローチするため、地名辞典を参照しました。その中で、他の資料(中村平左衛門日記)についての記載があったため、そちらも確認しました。
また、北九州市史及び小倉市誌に、篠崎八幡神社に関する記載がないか確認しました。
文献では手がかりが少なかったため、昭和から現在にかけての地図を確認しましたが、神社周辺は高台になっていて、樹木の表記もありましたが、下の平地部分は、「田」の地図記号がやや多いようですが、「森」とは断定できませんでした。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 参考資料
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日本歴史地名大系 第41巻 (福岡県の地名). 平凡社, 2004.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007550536-00 , ISBN 4582490417 -
北九州市史編さん委員会 編 , 北九州市. 北九州市史 近代・現代 教育・文化. 北九州市, 1986.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I002605755-00 -
小倉市 編 , 小倉市. 小倉市誌 上編. 小倉市, 1921.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001554612-00 -
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編纂. 角川日本地名大辞典 40 (福岡県). 角川書店, 1988.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001901065-00 , ISBN 4040014006 -
北九州市立歴史博物館 編 , 中村, 平左衛門 , 北九州市立歴史博物館. 中村平左衛門日記 第1巻. 北九州市立歴史博物館, 1982.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001576081-00
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日本歴史地名大系 第41巻 (福岡県の地名). 平凡社, 2004.
- キーワード
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- 篠崎八幡神社
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000264963