レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/11/22
- 登録日時
- 2013/12/28 00:30
- 更新日時
- 2013/12/28 00:30
- 管理番号
- 横浜市中央2344
- 質問
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解決
発明や特許に関する科学史、技術史、伝記などの資料の内、特に機械工学・化学工学・
半導体プロセス等に関する資料はありますか。
なお、『世界を変えた発明と特許』(石井正/著 筑摩書房 2011)は既に読みました。
- 回答
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所蔵資料で次の資料をご紹介します。
1 半導体(プロセス)に関する技術史、伝記
(1)『半導体のあゆみ』長船広衛/著 日本電気文化センター
1987
古い資料ですが、日本の半導体技術に関する発展の歴史が詳細にまとめられています。
特許関連では、「Ⅴ 技術導入と特許問題」(p.45~)でアメリカとの特許交渉に関する
記述があります。
(2)『日本の半導体開発』西沢潤一,大内淳義/共編
工業調査会 1993
日本の半導体技術に関する発展の歴史が、先駆者25人により語られています。
(3)『電気の歴史 人と技術のものがたり』高橋雄造/著 東京電機大学出版局 2011
2006年に刊行された『百万人の電気技術史』(高橋雄造/著 工業調査会 2006)の
新版です。電気に関する主要な発明が歴史に沿って紹介されています。
p.197~「第9章 半導体とコンピュータ」
1章だけですが、半導体とコンピュータの歴史について、分かりやすく解説されています。
(4)『はじめての半導体プロセス ビギナーズブック17』前田和夫/著 工業調査会 2000
第3章に「半導体プロセスの技術史」が掲載されています。
2 化学工学・機械工学に関する技術史、伝記
(1)『誰が本当の発明者か 発明をめぐる栄光と挫折の物語』志村幸雄/著 講談社 2006
発明・特許に特有の「誰が発明したのか」という問題を扱った図書です。事件になった
歴史的な発明や、まだ記憶に新しい社会的な発明・特許が載っています。
「蒸気機関」「自動車」「炭素繊維」「コンピュータ」「トランジスタ」「青色発光ダイオード」等の
発明が取り上げられています。
(2)『世界を変えた素人発明家』志村幸雄/著 日本経済新聞出版社 2012
(1)の資料と同じ著者の著作です。
素人発明家による発明の歴史的なエピソードがまとめられた図書です。
「燃料電池」や「無線」「電話」「パソコン」等の発明が取り上げられています。
出版社のサイトから目次が閲覧できますので、ご参考ください。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/26153/
(3)『技術革新はどう行われてきたか 新しい価値創造に向けて』
馬渕浩一/著 日外アソシエーツ 2008
技術の発展の歴史を元にして技術革新について述べている資料です。
内容としては、化学工学、機械工学に関する分野の技術も取り上げられています。
出版社のサイト(http://www.nichigai.co.jp/sales/2094-3.html)
から目次が閲覧できますので、ご参考ください。
http://www.nichigai.co.jp/sales/pdf/2094-3B.pdf
(4)『世界を驚かせた日本人の発明力』竹内一正/著 アスキー・メディアワークス 2010
古くは江戸後期から現代まで、5人の日本人発明家に関して、「成功へのポイント」等の
分析とともに紹介されています。
技術としては「乾電池」「スバル360(軽自動車)」「胃カメラ」等が取り上げられています。
出版社のサイトから目次が閲覧できますので、ご参考ください。
http://ascii.asciimw.jp/books/books/detail/978-4-04-868675-4.shtml
(5)『技術の環境と着想・発展』須賀田正泰/著 冬至書房 2006
まえがきに「過去の技術の初期から発達段階での技術の着想や発想の仕方の例に
ついて述べた。」(p.1)とあり、技術の発達にある背景から章に分けて、様々な技術の
歴史を解説しています。
取上げられている技術としては、撮影機合成繊維、電子計算機、製鋼技術、太陽光
電池等があります。
(6)連載記事「知られざる歴史を検証」渡部 厚夫
(雑誌『機械設計』日刊工業新聞社 月刊)
雑誌『機械設計』(50(15) 2006年11月)から、連載されている記事で、様々な技術に
関する歴史をまとめています。
52巻3号(2008年3月)の記事からは記事タイトルが「知られざる歴史を検証 特許公報
でたどる~」となっており、特許公報をもとに技術を紹介しています。
例えば、2012年7月号では次の記事が掲載されています。
・「特許公報でたどる「工作機械」の出現 総括編」
(機械設計 56(8), p.120-125, 2012年7月)
国立情報学研究所CiNii Articles(http://ci.nii.ac.jp/)で記事が検索できます。
3 工学全般の歴史に関する資料
(1)『工学の歴史と技術の倫理』村上陽一郎/著 岩波書店 2006
「工学」の概念や理念から、日本、世界の初期の工学教育や成りたちについて、
述べられた資料です。
4 特定の技術の発展や歴史を知りたい場合は、次の資料も御参考ください。
(1)『通史 日本の科学技術 全6巻』中山茂/〔ほか〕責任編集
学陽書房 1995
戦後の日本の科学技術の発展が解説された資料で、年代順に1~5巻と別巻(索引)
で構成されています。別巻の索引より機械工学、化学工学、半導体プロセスに関する
項目を調べ、どの巻に記載があるかを調べることができます。
(2)『エレクトロニクスを中心として年代別科学技術史』
城阪俊吉/著 日刊工業新聞社 2001
エレクトロニクスの発展の歴史を年代別にまとめており、各技術の発展の歴史における
概要が分かります。巻末に事項索引ありますので、特定の技術に関する記述は索引
から調べることができます。
(3)『日本産業技術史事典』日本産業技術史学会/編
思文閣出版 2007
日本の産業技術史について、各種製品や発明の歴史について概要がまとめられています。
目次は国立国会図書館の目次データベースで閲覧できます。
http://rnavi.ndl.go.jp/mokuji_html/000008997197.html
この資料も特定の技術に関する記述を索引から調べることができます。
5 関連企業の社史も技術史を調べる際の参考になります。
・神奈川県立川崎図書館の社史・技報・講演論文集検索
http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/search/cole.htm
神奈川県立図書館川崎図書館では、企業の会社史、経済団体史、労働組合史を
収集しています。
企業名から検索できますので、特定の企業についてお調べになる場合にご利用ください。
6 参考
今回の調査では次の情報も参考にしました。
・国立国会図書館リサーチ・ナビ「科学技術史について調べる」
http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-496.php
また、各図書の参考資料として紹介されている図書も御参考ください。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 電子工学 (549 8版)
- 研究法.指導法.技術教育 (507 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000142764