レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/08/03
- 登録日時
- 2006/12/02 02:10
- 更新日時
- 2008/05/15 11:23
- 管理番号
- 埼熊-2006-052
- 質問
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解決
釈迦以前にこの世に現れた「過去仏」は、燃灯仏だけなのか。ほかに何人いるのか、その名前も知りたい。
- 回答
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「過去仏」は、釈尊(釈迦)以前にこの世に現れたといわれる仏の意で、〈過去七仏〉と燃灯仏との2系列がある。なお、釈尊へ未来成仏を予言した燃灯仏は、釈尊以前に現われたと伝説的に伝わる〈二十四人の過去仏の一人〉とされていることから、下記のように紹介した。
(1)過去七仏
毘婆尸仏(ビバシブツ)・尸棄仏(シキブツ)・毘舎浮仏(ビシャフブツ)・ 拘留孫仏(クルソンブツ)・拘那含牟尼仏(クナゴンムニブツ)・迦葉仏(カショウブツ)・釈迦牟尼仏(シャカムニブツ)
(2)燃灯仏を含む過去二十四仏。
『原始仏典 2 ブッダの前生』より、ディーパンカラ仏(燃灯仏)・コンダンニャ仏・マンガラ仏・スマナ仏・レーヴァタ仏・ソービタ仏・アノーマダッシン仏・パドゥマ仏・ナーラダ仏・パドルムッタラ仏・スメーダ仏・スジャータ仏・ピヤダッシン仏・アッタダッシン仏・ダンマッシン仏・シタッダ仏・ティッサ仏・プッサ仏・ヴィパッシン仏・シキン仏・ヴェッサブー仏・カクサンダ仏・コーナーガマ仏・カッサパ仏とあり、25番目に釈迦が悟りを開いた。
『中村元選集(決定版) 第20集』p437-440には、釈尊(釈迦)を含めて過去七仏の信仰が立てられ、次いで過去二十四仏が考えられ、その数は次第に増加して行くとの記述があった。
- 回答プロセス
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『広説佛教語大辞典 下』(東京書籍)に、〈燃灯仏〉は過去世に出現して、釈尊(釈迦)に未来に成仏すると予言した仏であり、釈尊以前に現れたと伝説的に伝わる24人の仏の1人とあった。
『日本仏教語辞典』(平凡社)には、「過去仏」は過去世に現れた佛の意で、〈過去七佛〉と〈燃灯佛〉との二系列があるとの記載があり、〈過去七仏〉と〈燃灯仏〉を含む〈過去二十四仏〉について調査を進めることにした。
過去七仏については『広説佛教語大辞典 上』『岩波仏教語辞典 第2版』『日本仏教語辞典』等に仏名の記述があり、『望月仏教大辞典 1』では第4の仏名に倶留孫、第5の仏名に倶那含の文字をあてていた。
過去二十四仏については、《Google》で〈過去二十四仏〉を検索、〈ミャンマー国のパーリ語仏典検定試験問題〉のサイトに仏名あり。
『中村元選集(決定版) 第20集』に過去七仏と過去二十四仏に関する記述があったが、仏名の記載なし。
《MAGAZI NPULAS》を〈過去仏〉で検索、当館所蔵『印度學佛教學研究 第49巻1号(平成12年12月号)』(日本印度学仏教学会)p442-441「パーリ注釈書における過去仏」の項に〈過去仏思想は、過去七仏として体系付けられ、その後パーリにおいて過去二十四仏へと発展する〉とあった。
『ブッダの境涯』(東方出版)p10-11には、過去の如来について多数の仏の名前が列記されていたが、二十四の仏についての記述なし。
『浄土教思想論 早島鏡正著作集 3』(世界聖典刊行協会)の「前世のブッダと諸仏の大道」に〈ディーパンカラ仏(燃灯仏)からカッサパ仏に至る過去二十四仏のもとで修行し〉と記述があり、引用文献「ニダーナカター(因縁物語)」を探す。
『原始仏典 2 ブッダの前生』(講談社)に所収されており、〈過去二十四仏〉の名前や各仏に関する詳細な記述が見つかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教教理.仏教哲学 (181 9版)
- 参考資料
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- 『日本仏教語辞典』
- 『広説仏教語大辞典 上・下』
- 『岩波仏教語辞典 第2版』
- 『望月仏教大辞典 1』
- 『中村元選集(決定版) 第20集』(春秋社 1981)
- 『印度學佛教學研究 第49巻1号(平成12年12月号)』(日本印度学仏教学会)
- 『ブッダの境涯』(東方出版 1996)
- 『浄土教思想論 早島鏡正著作集 3』(世界聖典刊行協会)
- 『原始仏典 2 ブッダの前生』(講談社)
- キーワード
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- 仏
- 釈迦
- 仏教教理
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000031768