レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20180830
- 登録日時
- 2018/11/13 00:30
- 更新日時
- 2019/02/25 16:18
- 管理番号
- 401000222
- 質問
-
未解決
「敗戦舞踊」に関する資料はないか。具体的には、その定義がわかる資料がほしい。
- 回答
-
「敗戦舞踊」という言葉が記載されている資料は、残念ながら見つけることができなかった。
「やくざ踊り」と「敗戦踊り」については、資料を見つけることができた。
この3つの言葉が同じものを指しているのかはわからなかった。
- 回答プロセス
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まず「敗戦舞踊」に加え、「やくざ踊り」、「敗戦踊り」のそれぞれで調査した。
まず「敗戦舞踊」について。
「敗戦舞踊」という言葉が記載されている資料は、見つけることができなかった。
(念のため、論文等でも探してみたが、見つからず。)
次に「やくざ踊り」について。
「やくざ踊り」という言葉で調べると、『やくざ踊り』が見つかった。
この資料では、約10名の方が体験された記録が記載されており、あとがきにおいて、「全国各地の「田舎」といわれるところで、ある日突然歌がおこり、蓄音機が鳴り出したという感じで、だれがいい出したともやり出したということもなしに、はやり出した」という記述が見られた。
また、『社会教育の歴史と課題』では、「うたは「流転」「妻恋道中」「旅笠道中」「勘太郎月夜」(中略)といった股旅ものや、マドロスものであった。(中略)うたにあわせて、厚化粧の青年男女が躍る。それが「やくざ踊り」であった。」という記述があった。
最後に「敗戦踊り」について。
『やくざ踊り』より、婦人会や青年団も参加しているという記述が見られたため、青年団の歴史から調べた。
『熊本の青年団運動』では、「武装解除された旧軍人や工場に動員された若者たちの間で、軍隊生活の余暇に覚えた“股旅もの”や“マドロスもの”など、いわゆる“敗戦踊り”の素人芝居が全国的に流行し始めた」「“敗戦踊り”は戦時中、抑圧されていた娯楽への欲求が、特に農村地帯で自由主義の名のもとに一時に堰を切るように発露していったもの」という記述があった。
最後に参考として、熊本日日新聞においても「敗戦踊り」が紹介された記事があった。
「終戦踊りは「敗戦踊り」ともいわれ、娯楽が少なかった戦後に全国の若者の間で流行。歌謡曲に振り付けした踊りや股旅ものなど庶民的な舞台が人気で、地区や集落ごとに演芸会が開かれた」(2006.8.31 朝刊 県北)
この記事の中で紹介された方は年に十数回、老人施設を慰問する際、「終戦踊り」を披露されていたとの記載あり。
【参考】
熊本日日新聞記事データベース 2006.8.31朝刊、2006.9.1朝刊、2007.1.9朝刊、2007.11.14朝刊
- 事前調査事項
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戦後の記録に出てくる言葉で、第二次世界大戦以後、1~2年の間のものと思われる。
また、「敗戦踊り」や「やくざ踊り」という言葉も見られるが、同じものを指しているのかはわからない。
- NDC
- 参考資料
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- やくざ踊り|高木 護/編|大野 進|1978.4 (0119295913|/フアア/21664/)
- 熊本の青年団運動|熊本県青年団運動史編纂委員会/編集|熊本県青年会館|1996.12 (p.79 0118964089|/379.3/ク/)
- 地域青年運動50年史|日本青年団協議会/編|日本青年団協議会|2001.3 (p.401~403 0117729384|/379.3/ニ/)
- 社会教育の歴史と課題|藤田 秀雄/著|学苑社|1979 (p.212~213 0111219630|/379/フ/)
- 昭和20年/1945年|藤原 彰/[ほか]編集|小学館|1995.6 (p.330 0116242926|/210.7/フ/)
- 宮崎県青年団協議会三十年史|宮崎県青年団協議会三十年史編集委員会/編|宮崎県青年団協議会 宮崎県青年会館|1982 (p.94 0114535602|/379.3/ミ/)
- キーワード
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- やくざ踊り
- 敗戦踊り
- 終戦踊り
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000245708