①『昭和史を読む50のポイント』
p.191-192「昭和四十七年四月に田中角栄首相は、『日本列島改造論』を日刊工業新聞社から刊行した。」「この書で力点が置かれているのは、工場の地方拡散と全国を一日で通勤できるという新幹線構想であった。」という記述がある。
②『図解昭和史・これだけは知っておきたい重要ポイント』
p.80 ①と同じ記述がある。
p.81 『日本列島改造論』(日刊工業新聞社)より作成された[全国新幹線鉄道網構想図]と『数字で見た国鉄1971年』(日本国有鉄道)より作成された昭和47年4月の東京・大阪からの各都市への所要時間と構想実現後の所要時間の表が掲載されている。
③『日本列島改造論』
p.120 「こうして九千キロメートル以上にわたる全国新幹線鉄道網が実現すれば、日本列島の拠点都市はそれぞれが一-三時間の圏内にはいり、拠点都市どうしが事実上、一体化する。」と書かれている。
p.121に[全国新幹線鉄道網理想図]の掲載がある。
しかし、p.122 には、在来線の能力をアップさせた上で「新幹線ができた区間では通勤、通学以外の旅客輸送の大部分を新幹線に移し、在来線の輸送力を貨物輸送にあてる。」と書かれており、通勤・通学に新幹線を使う構想については書かれていない。
p.165 [ニューコミュニティーのモデル]の図が掲載されており、この図を見ると市街地の周辺に全国新幹線ネットワーク、全国高速道路ネットワーク、在来線の鉄道が走り、それらの交通網で工業地と住宅地が結ばれる都市改造を構想していることがわかる。
④『ホモ・モーベンス 都市と人間の未来』
p.36-37「そのことを端的に表現したのが、角本良平氏の「通勤革命」であろう。これは、都心から六〇キロとか七〇キロ離れた未開発の地域を、公共的に安く買収して宅地造成を行ない、鉄道建設費を土地の居住者が負担するかたちで、超高速鉄道を建設していこうという案である。」「現在東京付近の住宅公団入居者の通勤時間は約一時間半といわれている。これにくらべて通勤のための新幹線構想はいかにも魅力的な話である。この通勤新幹線構想は、スピードが早いだけでなく従来の鉄道と異って、二点間を結ぶ直通電車だという点にある。」と記されている。
⑤『現代日本の交通政策 批判的考察』
p.61-63「第3章四(二)通勤新幹線構想」に、「通勤新幹線の構想は、昭和四一年九月に国鉄が発表した「一〇年後のビジョン」の中にもられていたもの」「原案は角本良平氏の『通勤革命』(四一年八月・三一新書)である。」とあり、後段に構想の概要が書かれている。
【角本良平氏の『通勤革命』について】
⑥『現代の教養16 日本のヴィジョン 』
p.103-132 角本良平氏の『通勤革命』が収められている。
p.121-122 <「時間距離」の短縮>の項で、新幹線の技術を使って、「最高時速二〇〇キロとして、七〇キロを三〇分(平均時速一四〇キロ)で結ぶことができる。」と書かれている。
p.122 図4<超高速鉄道の通勤輸送力>には、70km30分の速度で1列車1700人、1時間20往復、1時間片道輸送力34,000人と書いている。<超高速鉄道の採算>の項で「その輸送力は図4の条件で、一時間片道三四、〇〇〇人が最高で、通勤時間帯を二時間として六八,〇〇〇人の能力である。」と輸送力を試算している。そのほかに土木費について「平均すれば一キロ二〇億円で足りると推定される。」と試算し、経営費や運賃等も試算している。
p.132に「(筆者は国鉄事務管理統計部長)」との記載がある。
p.371掲載書目に「『通勤革命』(三一書房、昭和41年)より収録」と書かれている。(当館所蔵なし)
⑦『中央公論』81(1) 1966-01
p.46-121 角本良平「通勤革命」の記事が掲載されている。
p.47<筆者紹介>には、角本良平氏の略歴がある。
⑧『中央公論』81(2) 1966-02
p.298-261 「討論「通勤革命」(角本提案)をめぐって」の記事が掲載されている。
⑨『週刊エコノミスト』45(5) 1967-02-07
p.50-54 中西健一「交通戦争の政治経済学④ 通勤「地獄」と通勤「革命」」
「このような通勤対策の中で、人々の関心を集めているのが、「新長期計画」策定中の経済審議会に説明するため、国鉄が発表した「一〇年後のビジョン」の中にもられている「通勤新幹線」の構想である。」「国鉄監査委員角本良平氏の提案を採用したものだといわれる。(中略)そのもとになる角本提案を『通勤革命』(三一新書、四一年八月)でみてみよう。」と書かれており、後段に構想の概要が書かれている。さらにその後段には角本構想への疑問が書かれている。
【国鉄10年後のビジョン】について
⑩『鉄道ピクトリアル』 17(1)(192)
p.4-7加賀山朝雄による「国鉄10年後のビジョン」の記事が掲載されている。