レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2008/08/21 02:10
- 更新日時
- 2008/08/21 02:10
- 管理番号
- B2007Y個0119-1
- 質問
-
解決
「百日咳」という病名はいつ頃つけられたのか。
- 回答
-
当館東京本館所蔵の以下の資料にご質問の内容に関係する記載がありました。いつ頃名称がついたのかは定かではありませんが、少なくとも18世紀末には用例があるようです。
※【 】内は当館請求記号です。
1)『日本語源大辞典』前田富祺監修 小学館 2005 【KF92-H18】
「百日咳」の項。(p.960)
“百日咳菌が飛沫感染して起こる子どもの急性感染症。痙攣性の咳発作が現れる。春から夏にかけて多い。一度かかれば終生免疫ができる。百日かぜ。
*俚言集覧 1797頃
[語源説]
発病すると約百日かかるところから <大言海>。”
2)『新編大言海』大槻文彦著 富山房 1984 【KF3-137】
「百日咳」(p.1742)の項に“発スレバ凡ソ百日ヲ歴ト云フ”とあり、出典として以下があげられています。
・桂亭医事小言
『国書総目録』【UE3-1】での書名は『叢桂亭医事小言』です。成立年は下記3)を参照してください。
・内科秘録
『国書総目録』【UE3-1】によると成立年は元治元年(1864年)です。
3)『日本国語大辞典. 第2版 第11巻』本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部編 小学館 2001 【KF3-G103】
用例として以下があげられています。(p.492)
・俚言集覧(1797頃)「くつめき 小児の百日咳をいふ」
・叢桂亭医事小言(1820)五「疳 小児咳嗽に、百日咳とも又連声咳とも云」
・東京風俗志(1899~1902)〈平出鏗二郎〉上・四・祈祷「百日咳(ヒャクニチゼキ)を患ふる者は、橋に祈願を籠め、治すれば其欄干を紙にて包み、水引を以て結びて厚く謝する」
以上にご紹介した資料のうち、『俚言集覧』と『叢桂亭医事小言』は当館ホームページの近代デジタルライブラリー( http://kindai.ndl.go.jp/index.html )にてご覧いただくことができます。
・『俚言集覧』
( http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=52010836&VOL_NUM=00003&KOMA=106&ITYPE=0 )
「百日咳」の項目は「[第3冊]下 明治33 に-を」の「106/402ページ」にあります。
・『叢桂亭医事小言』は「日本産科叢書」内の「第廿七叢桂亭医事小言」にあります。なお、目次上は「第廿七」となっていますが、本文では「第廿五」になっています。
(http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=40058215&VOL_NUM=00000&KOMA=263&ITYPE=0 )
インターネット最終アクセス日は2007年8月16日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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『日本疾病史』富士川游
『日本医療史』新村拓
『病気日本史』中島陽一郎
『絵で読む江戸の病と養生』酒井シヅ
『医心方』丹波康頼
- NDC
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- 内科学 (493 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 百日咳
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000046757