レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年04月30日
- 登録日時
- 2010/10/27 12:03
- 更新日時
- 2010/11/02 09:29
- 管理番号
- 9000006368
- 質問
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未解決
神社の屋根の修理の協力依頼文に「ゲゴタンセイの御協力について…」と書くようにと言われたが、「ゲゴタンセイ」の漢字と意味を知りたい。
- 回答
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「外護丹誠」または「外護丹精」。「ゲゴ」は「外護」(仏教用語)で、僧侶ではない人が修行を助けること。「タンセイ」は「丹精」と「丹誠」のどちらが正しいかは不明。まごころ(を込めて物事にあたること)の意。
- 回答プロセス
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1.『神道大辭典』第1~2巻(臨川書店 1981年)を見るが、「ゲゴ」「タンセイ」ともに記載なし。
2.『広辞苑(第6版)』(新村出編 岩波書店 2008年)を見ると、「ゲゴ」はないが、「タンセイ」は、「丹誠:まことのこころ。まごころ。丹心。赤誠」「丹精:まごころをこめて物事をすること」とある。
3.『日本国語大辞典』第4巻(小学館国語辞典編集部編集 小学館 2001年)で「ゲゴ」をひくと、「外護:仏道修行の人に、修行に必要なものを供給して心身に安穏を与えること。また、その人」とある。「外護」は神道用語ではなく、仏教用語であることがわかる。第8巻で「タンセイ」をひくと「丹誠・丹精:①うそいつわりのない誠実な心。まごころ。赤誠。丹心。②(形動)(-する)まごころをこめて物事をすること。心を尽くして丁寧にするさま。また、心をこめてしてあげたり育てたりしたものごと」とある。
4.仏教用語の辞典をひく。『岩波仏教辞典』(中村元編集 岩波書店 2002年)、『総合佛教大辞典』(総合佛教大辞典編集委員会編集 法藏館 2005年)、『望月仏教大辞典』(望月信享著 世界聖典刊行協会 1954年)、『広説仏教語大辞典』(中村元著 東京書籍 2001年)などを見ると「外護」は記載があるが「丹精/丹誠」は記載なし。また、『仏教がわかる四字熟語辞典』森章司編
東京堂出版 2008年)、『仏教四文字熟語辞典』上巻(須藤隆仙著 新人物往来社 1998年)にも「外護丹誠/外護丹精」は記載なし。
5.寺院経営の方面から探すこととし、『仏教挨拶手紙文例大事典』(相馬泰全編 国書刊行会 1985年)の第5章その他の文例「各種勧募」の項を見るが、文例に「外護丹誠/外護丹精」は使用されていない。
6.インターネットの検索エンジンgoogleで「外護丹誠」「外護丹精」をそれぞれフレーズ検索すると、どちらも寺院の建築に関する寄進や浄財に関する文章に使用されている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180 9版)
- 参考資料
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『広説仏教語大辞典』上巻(中村元著 東京書籍 2001年)
(p366) - 『望月仏教大辞典』第1巻(望月信享著 世界聖典刊行協会 1954年) (p859)
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『総合佛教大辞典』(総合佛教大辞典編集委員会編集 法藏館 2005年)
(p316) -
『岩波仏教辞典』(中村元編集 岩波書店 2002年)
(p268) - 『広辞苑 第6版』(新村出編 岩波書店 2008年) (p1776)
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『日本国語大辞典』第8巻(小学館編集・発行 2001年)
(p1229-1230)
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『広説仏教語大辞典』上巻(中村元著 東京書籍 2001年)
- キーワード
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- 外護
- 文書
- 仏教用語
- 寺院
- 外護丹誠
- 外護丹精
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 日本語(方言等)
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000072797