レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/11/1
- 登録日時
- 2018/01/18 00:30
- 更新日時
- 2018/01/18 00:30
- 管理番号
- Q171018111754
- 質問
-
解決
最近出版された『エリック・カールの「イソップ物語」』は、帯に「作者流に味付けした」一冊とあります。
その中の「アリとキリギリス」について、元々の話の結末に加えて、キリギリスは違う虫だという話を聞いたことがあるので、
(1)元々の物語の結末がわかる資料
(2)元々の物語の中の虫が何であるか、と、その虫がキリギリスに変更された理由が分かる資料
を紹介してほしいと思います。
- 回答
-
※当館のレファレンスでは、調査研究の代行及び本文を精読しての調査はできません。以下、対応可能な範囲でご回答いたします。詳細については、ご自身でご確認ください。(以下、【 】内は当館請求記号です。)
① 「アリとキリギリス」の元々の結末及び虫が何であるか分かる資料について
調査済資料1を確認したところ、「蝉と蟻」が「アリとキリギリス」の物語と一致しました。調査済資料1の巻末で紹介されている「蝉と蟻」を収録する主な底本、邦訳について、調査済資料1、2、3を参照しました。邦訳(調査済資料1、4~7)を調査したところ、いずれも収録されているのは蝉と蟻の寓話で、蝉は蟻に食べ物を分けてもらえない結末です。なお、調査済資料2にて、底本の一つハウスラート版の邦訳として紹介されている、松下仁治訳『イソップ物語-アイソーポス風の譬え話集成‐』(けいざい春秋社, 1975)は、当館未所蔵のため確認していません。
<調査済資料>
1.イソップ [著] ; 中務哲郎 訳. イソップ寓話集. 岩波書店, 2002.6【KP31-G33】
(ペリー版校訂本のうちギリシャ語部の完訳)
2.中務哲郎 著. イソップ寓話の世界. 筑摩書房, 1996.3【KP25-G2】
3.イソップ [著] ; 川名澄 訳. 新編イソップ寓話 = Aesop’s Fables. 風媒社, 2014.4【KP31-L11】
4.山本光雄 訳. イソップ寓話集. 岩波書店, 1983.9【KP31-43】
(シャンブリ版校訂本の完訳)
5.イソップ [原作] ; 河野與一 編訳. イソップのお話. 岩波書店, 1955.7【Y7-N03-H109】
(ハルム版およびシャンブリ版から300話を訳出)
6.パエドルス, バブリオス 著 ; 岩谷智, 西村賀子 訳. イソップ風寓話集. 国文社, 1998.1【KP31-G14】
7.市原豊太 訳. ラ・フォンテーヌ寓話. 白水社, 1959【951-cL16l-I(s)】
② 虫がキリギリスに変更された理由が分かる資料について
CiNii Articleにて、キーワード「イソップ」、「蝉」で検索すると、次の論文記事がヒットします。オープンアクセスとなっており、インターネットで全文をご覧いただけます。
・野村正人「蝉はどこへ行った : ラ・フォンテーヌ,イソップ寓話の形象化」(『東京農工大学人間と社会』10, 115-132, 1999-07-20 【Z9-B63】)
URL:http://ci.nii.ac.jp/naid/110004672404
当該論文では、蝉からキリギリスへの変化について、先行研究をふまえて論じられています。
レファレンス協同データベース(https://crd.ndl.go.jp/reference/)にて、キーワード「イソップ」、「蝉」で検索すると、次の事例がヒットします。
・質問「イソップ寓話に「蟻と○○」という話があるが、○○に入る昆虫を尋ねると、人によりセミやキリギリスなど、色々と違う答えが返ってくる。この話がどのように伝わり変わってきたのかを知りたい。」
URL:https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000107662
(インターネットへの最終アクセス:2017年10月26日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- ギリシア文学 (991)
- 参考資料
- キーワード
-
- イソップ物語、児童文学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000228601