レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年11月01日
- 登録日時
- 2020/12/23 16:53
- 更新日時
- 2020/12/23 16:53
- 管理番号
- 市川20201101-03
- 質問
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解決
お化け煙突について知りたい。
- 回答
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火力発電の資料には掲載がなかった。
Webで検索したところ、お化け煙突とは、かつて足立区にあった千住火力発電所の四本の煙突のこと。
『みる・よむ・あるく東京の歴史 8 地帯編』(池享/ほか編 吉川弘文館 2020)p.34「工場地化する東京近郊の河川沿岸」の中で、「お化け煙突」について解説があり、「一九二五年、南足立郡千住町堤外西耕地(現足立区千住桜木一丁目十三番周辺)に、東京電燈株式会社(のちの東京電力)が千住火力発電所を稼働させました。この発電所の四本の煙突は菱形に配置され、見る角度によって一本から四本に変化することから「お化け煙突」という通称が生まれました。」との記載あり。
ただし、『東京電力三十年史』(東京電力社史編集委員会/編纂 東京電力 1983 千葉県立西部図書館所蔵)p.64及び足立区立郷土博物館のHP(https://www.city.adachi.tokyo.jp/hakubutsukan/chiikibunka/hakubutsukan/shiryo-obakentotsu.html 2020.12.11確認)の「おばけ煙突」の項では、大正15(1926)年1月に建設と記載されている。
なお、同HPには、煙突が1本から4本までそれぞれに見える写真がある。また、「老朽化と効率化のため昭和38(1963)年に発電所が解散され、翌年秋から解体工事を実施、11月末には完全に姿を消してしまいました。」とあり、現在は存在していない。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 発電 (543 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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「お化け煙突」のあった千住火力発電所の設計者は、東京タワーを設計した、塔博士の異称をもつ内藤多仲(ないとう たちゅう)(1886-1970)です。
煙突は高さ83メートルに達し、内藤が設計した東京タワー(333メートル)が昭和33(1958)年に完成するまで、東京都区部で最も高い構造物でした。
内藤多仲は、東京タワーの他、名古屋テレビ塔、通天閣(二代目)、別府テレビ塔(現別府タワー)、札幌テレビ塔、博多タワー(現博多ポートタワー)の計6つの放送塔・観光塔の設計を手がけ、街の風景を変えていきました。
なお、この発電所は千住に建設されましたが、建設候補地としていくつかの地域があげられており、市川(千葉県)も候補地の一つとなっていました。(典拠:参考資料①p.34)ただし、市川のどこの場所だったかなど詳しいことは残念ながらわかりませんでした。
参考資料①『みる・よむ・あるく東京の歴史 8 地帯編』
②『タワー 内藤多仲と三塔物語』(INAX出版 2006)
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000291332