レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年03月22日
- 登録日時
- 2016/03/22 18:02
- 更新日時
- 2016/12/21 17:58
- 管理番号
- 20160322-1
- 質問
-
解決
昭和21(1946)年後半から22(1947)年にかけて用いられた言葉、「3月危機」について知りたい。
- 回答
-
以下の資料に解説、関連した内容があった。
【資料1】
日本近代史辞典 / 京都大学文学部国史研究室編 . - 東京 : 東洋経済新報社 , 1958.11
本館請求記号:210.6033 - N77
p.225に、「3月危機」の項目があり(1)(2)の解説があった。(2)は、1948年のドッジ・ラインの影響によるもの。
(1)に、1946(昭和21)年末から「電力・燃料不足による繰業短縮、労働攻勢、インフレの激化、食糧の欠乏」「財産税の徴収などの悪条件のため」、「数百万人の餓死者が出るのでは」と3月危機として案ぜられたが、実際にはそのような破局は現れなかった、と説明されていた。
【資料2】
時事年鑑 . - 東京 : 時事新報社 , 1918-1994 昭和22年版 本館請求記号:059.1 - J49 - 1947
【資料1】が【資料2】を参考文献としてあげており、経済状況の詳細が述べられている。
ただし、文章などから、参照したのは【資料3】の誤りと思われる。
p.225-281 記録篇 経済
(国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信参加館内公開)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3018591 (2016/03/23 確認)
【資料3】
時事年鑑 . - 東京 : 時事新報社 , 1918-1994 昭和23年版 本館請求記号:059.1 - J49 - 1948
p.235-236 「三月危機の問題」(記録篇 財政・経済 産業の再建)
「三月危機説」「経済危機の要因と実態」「三月以後」として、統計数値などを用いて詳しい解説があった。
(国立国会図書館デジタルコレクション 図書館送信参加館内公開)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1123543 (2016/03/23 確認)
【資料4】
昭和経済史への証言.下 / 安藤良雄編著 . - 東京 : 毎日新聞社 , 1966.8
本館請求記号:332.107 - A47 - 下
p.280-282 三月危機説 占領下の経済政策「経済再建と傾斜生産」(語る人 有沢広巳 大来佐武郎)
有沢広巳が商工省の研究会で、「三月危機」という言葉を使ったが、いつの間にか研究会以外でも流布され、「三月危機説」として使われた、との記載があった。
- 回答プロセス
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<当時の新聞による検索>
朝日新聞(聞蔵Ⅱビジュアル)、読売新聞(ヨミダス)の検索をおこない、当時の新聞記事を確認した。
「3月危機」は、様々な年代、意味で用いられたようであるが、該当する「3月危機」については、以下のような記事があった。
読売新聞
1946.12.31 蔵相の抱負と見透し 3月危機突破に確信 歳入が不足すれば緊縮財政 朝刊 行政 1面
1947.01.29 宙に浮く総合対策 政局を反映し大幅修正は不可避/経済3月危機 朝刊 行政 1面
朝日新聞
1947年1月19日 朝刊 1頁 東京 1段 記事 37頁 見出し 電力飢きんと三月危機_社説 (主要キーワード 石炭不足)
- 事前調査事項
- NDC
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- 経済史.事情.経済体制 (332)
- 日本史 (210)
- 参考資料
- キーワード
-
- 三月危機
- 3月危機
- 経済危機
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 書誌的事項調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000189720