レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年4月23日
- 登録日時
- 2022/05/15 14:13
- 更新日時
- 2022/07/19 14:51
- 管理番号
- 武蔵浦和-1-00155
- 質問
-
未解決
さいたま市南区にある真福寺の逆さイチョウが昭和33年(1958年)3月31日に市の天然記念物に指定されているが、その根拠となった当時の浦和市教育委員会の調査報告書を閲覧したい。
- 回答
-
指定理由が記載された資料は見つからず。
『文化財の調査 第2集(昭和32年度文化財の調査)』(浦和市教育委員会 1958)が
現存している旧浦和市時代の文化財調査書で一番古く、
イチョウの所在地や大きさといった概況は記載されているが、
すでに指定されたイチョウの調査で、指定理由の記載はなし。
さいたま市教育委員会文化財保護課に問い合わせたが、上記の資料を紹介する以外の説明は難しいとのこと。
- 回答プロセス
-
・図書館業務システムで”真福寺”検索
×S291.34『浦和 No72』「浦和」編集室 1975
天然記念物に指定した理由は記載なし
P.16-18 浦和の伝説10 逆銀杏と争いモミノ木
P.16-17 逆銀杏
「別所の真福寺の墓地に、逆銀杏とよばれる銀杏の大樹がある。
このイチョウは市内最大の銀杏といわれ、
幹まわり五・八メートル、高さ一八・五メートルに及び、
市の天然記念物に指定されている。」
×S291.34『浦和 No56』「浦和」編集室 1973
天然記念物に指定した理由は記載なし
P.38-39 美しき古きみどり7 大イチョウ
「この木は昭和三十三年に市の天然記念物に指定された」との記述あり。
(筆者:青木義脩)
×S709『文化財を訪ねて 浦和市広報市民と市政連載 総集編No.1~No.32』浦和市企画部広報課/編 浦和市 1978
天然記念物に指定した理由は記載なし
P.33 真福寺
「この墓地の中に市の天然記念物に指定されているイチョウの大木と、
市の文化財に指定されている板碑(板石塔婆)」があります。」
イチョウ
「なお、このイチョウは、昭和三十六年三月、市の天然記念物に指定されました。」
※市のホームページによると「指定年月日 昭和33年3月31日」
https://www.city.saitama.jp/004/005/006/001/005/002/003/p000518.html(0222.5.15最終確認)
×S709.13『文化財の調査 第2集(昭和32年度文化財の調査)』浦和市教育委員会 1958
P.25 真福寺のイチヨウ 天然記念物に指定した理由は記載なし
所在地 浦和市別所1690 所有者 真福寺 イチヨウは墓地の内にあつて、
南西北と三方によく枝を張り、東部も、隣家の雑木林上に枝を伸長し、
四囲環況はまことによい。
概況 目通り幹回り5.85m 根回り(地上) 8.85m 高さ凡そ 18.5m
枝張り凡そ45.2平方m この樹は、雄株で姿態もよく無傷で、
円満な発育をなしている。 (白黒写真あり)
↑さいたま市教育委員会文化財保護課に問い合わせたところ、この資料が一番古い出版物とのこと。
この資料は指定済のものの調書であり、これを含め、指定された理由が記載されたものは無いとのこと。
文化財保護課に直接聞いてもこれ以上の説明は難しいとのこと。
×S213.4『浦和市史調査報告書 第17集 自然編』浦和市総務部市史編さん室/編集 浦和市 1985
大イチョウの記載なし
・とりあえず地域資料を見てみる。
△S709.13『浦和の文化財』浦和市教育委員会/編集 浦和市教育委員会 1986
p.175 真福寺のイチョウ
所在地のイチョウの説明が書かれている。指定については年月日のみ記載あり。
△S213.4『さいたま市史 自然編[2] 植物』さいたま市 2020
p.260 真福寺のイチョウ
所在地と指定年月日、少し説明が書かれている。
巻末に、引用・参考文献のリストあり。
S462.91『浦和市内所在天然記念物調査概報』が1976年発行分から
中央図書館にあるが禁帯。取り寄せ可能な1980年版を取り寄せてみる。
↑後日、直接中央図書館で禁帯本を確認済。
すべて田島ヶ原サクラソウ自生地と他の天然記念物についての記載で、
質問のイチョウに関する記載はなし。
×S462.91『浦和市内所在天然記念物調査概報』浦和市教育委員会 1980
田島ヶ原サクラソウ自生地とサギ類及びその繁殖地の実態調査についてのみ。
△S291.34『わがまち浦和 地域別案内(改訂版)』浦和市総務部行政資料室/編集 浦和市 1992
p.138 ⑤真福寺
「真福寺のイチョウ」の名で市指定天然記念物になっている大イチョウも墓地内にある。
(略)逆さイチョウとしても著名である。 と記載あり。
・さいたま市のホームページを見てみる
「文化財紹介 真福寺のイチョウ」
https://www.city.saitama.jp/004/005/006/001/005/002/003/p000518.html(2022.5.15最終確認)
関連図書に『浦和の文化財』(すでに△で取り置き済)と『浦和市の文化財保護 第1巻』があげられている。
S709『浦和市の文化財保護 第1巻』浦和市教育委員会/編 浦和市教育委員会 1962 中央と大宮にあるが禁帯のため確認できず。
「榧りぽーと」第25号(平成19年6月29日発行)
https://www.city.saitama.jp/004/005/006/002/002/p005906_d/fil/jihou25.pdf(2022.5.15最終確認)
p.4に「文化財紹介」欄で、「真福寺のイチョウ 市指定天然記念物(昭和33年指定)」あり。
しかし、指定された理由は書いていない。
「榧りぽーと」第75号(令和元年12月26日発行)
https://www.city.saitama.jp/004/005/006/002/002/p071441_d/fil/bunkazaijihou75.pdf(2022.5.15最終確認)
p.1に「真福寺のイチョウ」があり。指定された理由は書いていない。
・埼玉県立文書館の収蔵資料検索システムで検索 “浦和市&天然記念物”
→特にない。
・近くの学校記念誌に載っていないか?
S372.13『別所小五十年史』浦和市立別所小学校/編 浦和市立別所小学校 1988 中央のみ所蔵だが禁帯のため確認できず。
・県立図書館ホームページ上の「埼玉関係データベース」で検索
“真福寺&イチョウ” →2件ヒット
S213.4『さいたま市史 自然編[2] 植物』さいたま市 2020 すでに上で調査済
×埼玉新聞 1996.4.29 1面(縮刷版はp.541)
「話題ズームアップ 浦和・真福寺の大イチョウ 人間の側の気配りも必要」
→中央図書館で縮刷版を確認済。なぜ指定天然記念物になったかは記載なし。
イチョウの葉っぱが道に伸びてしまうのをどうするかという内容。
×S709.13『文化財の調査 第4集』浦和市教育委員会 1959
P.48 大谷口のイチヨウ→真福寺の銀杏ではない。
×S709.13『浦和市文化財調査報告書 第17集』浦和市教育委員会/編集 浦和市教育委員会 1973
P.28 イチヨウ→真福寺の銀杏ではない(瀬ケ崎)
市内では、真福寺のイチョウ(市指定天然記念物)に次ぐ大イチョウであると記載あり。
・天然記念物にはどうやって指定されるのかインターネットで調べてみる
→「じゃらんニュース」の「日本の特別天然記念物とは?意味や目的と指定されている動物、植物をご紹介」というページ
https://www.jalan.net/news/article/491487/(2022.5.15最終確認)
「指定基準は?」というところで、「一つ一つの指定は文部科学大臣の名前で行われ、
官報で発表されます。」と記載あり。
官報データベースで検索…×
昭和23年1月1日~昭和40年12月31日で“真福寺&浦和市”→0件
同じ日付範囲で、“天然記念物&浦和市”→土合のサクラソウ自生地がヒット
・『浦和市史』を確認
×S213.4『浦和市史 民俗編』浦和市総務部市史編さん室/編 浦和市 1980
p.797~798 逆さイチョウ 3行ほどの説明文とp.798に写真あり、
「市指定天然記念物」と説明文中にあるが、理由は無し。
・さいたま市ではどうやって天然記念物の指定をするのか調べる。
→「さいたま市例規集(REIKI-BASE)」で“天然記念物”検索
⇒「さいたま市文化財保護条例」
第6章 市指定史跡名勝天然記念物(第39条-第43条) 別紙1
第39条第1項によると、「市の区域内に存する記念物(略)のうち
市にとって重要なものをさいたま市指定史跡、さいたま市指定名勝
又はさいたま市指定天然記念物(略)に指定することができる」とあり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 芸術政策.文化財 (709 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- さいたま市南区
- 真福寺
- イチョウ
- 天然記念物
- 照会先
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- さいたま市教育委員会生涯学習部文化財保護課
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000316201