レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年10月09日
- 登録日時
- 2021/03/02 18:42
- 更新日時
- 2021/03/31 15:46
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2608
- 質問
-
解決
『活動弁士の映画史』(高槻真樹/著、アルタープレス合同会社、2019年)の内容に関連して、
(1)昭和初期から太平洋戦争に至るまでの間の、弁士の年度別就業者統計資料は存在するか。
(2)トーキー映画出現後もサイレント映画を製作し続けた映画会社(大都、極東、全勝映画)計3社の会社内容(業績)がわかる資料はあるか。
- 回答
-
・当館で所蔵している『映画年鑑』(日本図書センター発行)で、大正15年から戦後までの映画事業の概観や統計を確認することができる。
例えば、
『映画年鑑 昭和編Ⅰ⑤昭和9年版』国際映画通信社/編集、日本図書センター、1994年
→p.108-110に、おそらく昭和7年の「全国映画説明者・映写技師・映画音楽士統計」として、
説明者(弁士)の学歴別府県別の人数が示されている。
また、p.110には、大正15年、昭和2,3,4,5,6各年の学歴別合計人数が示され、備考欄に「説明者が近年著しく減少傾向を示しているのは注目を要する。(中略)説明者のかくの如き減少は大体に於いてトーキー出現の影響とみていいであろう。併し、減少したのは高等小学校卒業程度以下のもので、中学校卒業以上のものは却って増加し、それだけ説明者の学力は向上した」等の記載がある。
この『映画年鑑』は当館では、大正15年版、昭和2年版、昭和3・4年版、昭和5年版、以下、昭和11年版、15年版、16年版、18年版と戦後版を所蔵しており、いくつかの版に説明者(弁士)の統計が記載されている。
・国立国会図書館所蔵の『日本映画労働年報.第1輯(昭和8年 上半期)』(労働経済調査所編、労働経済調査所、昭和8年)
→p.37-42に「第二節 映画常設館従業員人員数」として、昭和元年以降昭和4年までの説明者の数と解説等が記載されている。
この資料は、「国立国会図書館デジタル化資料送信サービス」で当館内で閲覧することができる。
(2)「大都映画」の業績等について下記の資料が見つかった。
上記(1)の『映画年鑑』に日本の映画製作会社に関する記述があった。
例えば、
『映画年鑑 昭和編Ⅰ⑤昭和9年版』国際映画通信社/編集、日本図書センター、1994年
→p.249に「日本主要映画事業会社興信録」として
「大都映画株式会社」の沿革や幹部の氏名が記載されている。
『映画年鑑 昭和編Ⅰ⑧昭和16年版』国際映画通信社/編集、日本図書センター、1994年
資料コード:8131255110、請求記号:778.05エ、所蔵場所:9書庫
→「日本映画製作会社社史年鑑」が収録されており、そのp.79-111に「大都映画株式会社」の沿革など概要がまとめられている。
概要の中に「トーキー映画の出現」という項目でその会社への影響等について記載がある。
ただし、極東映画、全勝映画については情報が見つからなかった。
参考までに、下記の資料には製作会社別の検閲数の統計が記載されている。
『復刻版 活動写真「フィルム」検閲年報』第4巻、龍溪書舎、1984年
→松竹、日活、新興、大都等の統計が記載されている。(極東映画、全勝映画については記載がない。)
この資料は全4巻でいずれも当館で所蔵しており、貸出も可能である。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 映画 (778 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 弁士
- 就業者統計
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000294625