レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年12月05日
- 登録日時
- 2020/03/06 17:30
- 更新日時
- 2020/03/11 16:04
- 管理番号
- 千県東-2019-0011
- 質問
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解決
『平家物語』に出てくる「沙羅双樹」と、よく庭等に植えられる「さらの木」とは違うのか。
- 回答
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以下のとおり、別種であることが分かった。
【資料1】『図説花と樹の事典』(木村陽二郎監修 柏書房 2005)
p200「サラソウジュ」の項 「フタバガキ科の落葉高木。中部インドからネパール、アッサムのヒマラヤ山麓地方にかけて広く分布する。(中略)【歴史・文化】釈迦の入滅のときには四方を囲んだこの木が、季節はずれであるのに花を開いたという。無常の象徴として『平家物語』冒頭にも登場する。日本で寺院に栽植される「サラノキ」はサラソウジュではなく、ツバキ科のナツツバキ。」
【資料2】『日本大百科全書 10』(小学館 1986)木の写真あり
p272「サラソウジュ」の項「フタバガキ科の常緑高木。インド北部原産。(中略)なお、日本の寺院でサラソウジュと称して境内に植えられている植物や、花屋でサラソウジュの名で苗木を販売し、また盆栽などに仕立てられている植物は、ツバキ科のナツツバキ(シャラノキ)で、まったくの別種である。」
【資料3】『日本大百科全書 17』(小学館 1987)花の写真あり
p514「ナツツバキ」の項「ツバキ科の落葉高木。シャラノキ(沙羅樹)ともいうが、サラソウジュ(沙羅双樹)の名で利用されることがあり、真正のサラソウジュ(フタバガキ科)と混同されることが多い。」
【資料4】『花歳時記大百科』(北隆館 1993)
p261「ナツツバキ」の項「日本でサラノキと呼ばれているのは、仏教の聖木である沙羅双樹と誤認されたことによるが、今ではナツツバキという人の方が少ないくらい、サラノキの代用として定着している。仏典に出てくるサラノキは学名をShorea robustaといい」
【資料5】『平家物語大事典』(大津雄一編 東京書籍 2010)
p174「沙羅双樹」の項「インド原産の常緑の喬木で(中略)(なお、日本ではナツツバキの異名として沙羅樹の名を用いることが多いが、これとは全く別の木である。)」
- 回答プロセス
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4分類の植物事典等を確認した。
また『平家物語』にも関することなので、【資料5】『平家物語大事典』を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 植物学 (470 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『図説花と樹の事典』(木村陽二郎監修 柏書房 2005)(0105867386)
- 【資料2】『日本大百科全書 10』(小学館 1986)(9102882044)
- 【資料3】『日本大百科全書 17』(小学館 1987)(9102882115)
- 【資料4】『花歳時記大百科』(北隆館 1993)(2100538155)
- 【資料5】『平家物語大事典』(大津雄一編 東京書籍 2010)(2102385019)
- キーワード
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- サラノキ(サラノキ)
- 沙羅双樹(サラソウジュ)
- 夏椿(ナツツバキ)
- 平家物語(ヘイケモノガタリ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000275448