レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年10月14日
- 登録日時
- 2021/01/21 10:45
- 更新日時
- 2021/01/21 12:32
- 管理番号
- 千県西-2020-0005
- 質問
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解決
古代ギリシア神殿の「壁端柱」(へきたんちゅう)(英語表記anta)について書かれている本はないか。
- 回答
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以下の資料に関連の記述がありました。
【資料1】『建築史 上巻』(オーギュスト・ショワジー[著] 中央公論美術出版 2008)
索引で「アンタ(壁端柱)ante」を引いたところ、各オーダーの項を参照するよう指示しています。例えば、第11章ギリシア「ドリス式オーダー」を参照すると「壁端角柱、すなわちアンタ」についての記述があります(p350-352)。
【資料2】『フレッチャー図説世界建築の歴史大事典 建築・美術・デザインの変遷』(ダン・クリュックシャンク編 西村書店 2012)
索引で「アンタ」を引いて、「初期アナトリアとヒッタイトの建築」(p85)の見出しのもとに「アンタ」の記述を確認しました。
【資料3】『建築大辞典』(彰国社 1993)
p60「アンタanta」「壁端柱。ギリシア神殿において、内陣の壁の末端が突き出して柱となったもの。複数はアンタエという。」
【資料4】『世界建築事典』(ニコラウス・ペヴスナーほか著 鹿島出版会 1984)
p30「アンタ Anta」「建物の他の部分で使われているオーダーとはちがう柱基と柱頭を持った付柱。ポーティコの張り出した壁の端にしばしば使われる。」
【資料5】『建築術語事典』(久保田時人共編 オーム社 1981)
p258「壁端柱式antis」
「古代ギリシアの古典時代の神殿の平面形式であり、最も簡素な形式で、側壁が突出して円柱とともに台輪を支えている。2本の円柱の立っている場所を前広間という。」
【資料6】『古代ギリシアの建築家 設計と構造の技術』(J.J.クールトン著 中央公論美術出版 1991)
p305「アンタanta」(用語解説)
「壁の端部が少し厚みを付けられ、角柱となっている部分。通常は柱が連続して列柱になるとき、その端に置かれることが多く、その柱頭は対応する円柱のものとは異なる。」
【資料7】『パルテノン』(マキシム・コリニョン著 岩波書店 1978)
p103-144「建築」
この章の中のp125、129、133、138、141に「壁端柱」の文字が出てきます。
また、言葉の定義や説明ではありませんが、以下の論文に「壁端柱」の文字が頻出します。
【資料8】安井伸顕[ほか]「ギリシア古代都市メッセネにおけるメッセネ神殿の内陣に関する研究」(『日本建築学会計画系論文集』75巻648号 2010)p503-510
(https://doi.org/10.3130/aija.75.503)
- 回答プロセス
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当館の書架NDC520(建築-歴史)付近で【資料1】から【資料5】が見つかりました。
当館の蔵書検索システムで件名「建築」かつ全項目「ギリシア」により検索して【資料6】が見つかりました。
また、千葉県立中央図書館から【資料7】の記述について情報提供を受けました。
さらに、CiNii Articlesの全文検索で「壁端柱」「Anta」「アンタ」「ギリシア」「建築」等のキーワードで検索して【資料8】が見つかりました。
- 事前調査事項
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コトバンク『ブリタニカ国際大百科事典』「アンタ(英語表記)Anta」
「建築用語。壁端柱。ギリシア神殿で、側壁の端部を突出させて角柱状の付け柱としたもの。柱礎および柱頭の形は円柱のそれとは異なるが、共通するオーダーで構成される。扉口の両脇に多く用いられる。」
(https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%BF-29272)
(インターネット最終アクセス:2020年12月11日)
- NDC
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- 西洋の建築.その他の様式の建築 (523 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『建築史 上巻』(オーギュスト・ショワジー[著] 中央公論美術出版 2008)(1102101750 )
- 【資料2】『フレッチャー図説世界建築の歴史大事典 建築・美術・デザインの変遷』(ダン・クリュックシャンク編 西村書店 2012)(1102319791)
- 【資料3】『建築大辞典』(彰国社 1993)(1101193891)
- 【資料4】『世界建築事典』(ニコラウス・ペヴスナーほか著 鹿島出版会 1984)(1100000355)
- 【資料5】『建築術語事典』(久保田時人共編 オーム社 1981)(1100001380)
- 【資料6】『古代ギリシアの建築家 設計と構造の技術』(J.J.クールトン著 中央公論美術出版 1991)(1100999375)
- 【資料7】『パルテノン』(マキシム・コリニョン著 岩波書店 1978)(9103295017)
- 【資料8】安井伸顕[ほか]「ギリシア古代都市メッセネにおけるメッセネ神殿の内陣に関する研究」(『日本建築学会計画系論文集』75巻648号 2010)p503-510
- キーワード
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- 建築-歴史
- 建築-ギリシア
- ギリシア(古代)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000292737