レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2004年9月25日
- 登録日時
- 2014/12/20 17:20
- 更新日時
- 2021/01/10 00:30
- 管理番号
- PML20040925-02
- 質問
-
解決
マリノニ型輪転機はいつ頃日本に来たのか
- 回答
-
明治23年(1890年)9月
『印刷製本機械百年史』「年表」p.150
「1890 明治23年 マリノニ社から巻取活版輪転機4台購入。(毎時4頁新聞15,000枚)、印刷局2台、東京朝日新聞1台。日本新聞1台。」
『大蔵省印刷局百年史 第2巻』
p.553 「高橋局長はこのマリノニ式印刷機二台を製造させ、明治二十三年(一八九〇)九月二十日に帰朝したが、これがわが国における輪転印刷機の初めである。」
『朝日新聞社史 資料編』(朝日新聞社 1995年)
p.449「明治23年(1890年)9.27 東朝がわが国新聞界最初のマリノニ輪転機設置を社告、11月22日大朝も社告」
『朝日新聞七十年小史』
p.57-59 「13 マリノニ輪転機の購入」
共同印刷株式会社社史編纂委員会編『共同印刷90年史』 (共同印刷株式会社 1987年)
p.53 マリノニ社活版輪転機
明治23年9月 フランスから輸入。当時の大蔵省印刷局、東京朝日新聞社、日本新聞社に設置
**2014年追加**
日本新聞博物館WEBサイト「マリノニ型輪転機」
http://newspark.jp/newspark/works/shiryou/pdf/c_59.pdf
- 回答プロセス
-
『印刷製本機械百年史』の年表で年と購入者確認
所蔵分の社史・年史で重ねて確認
『大蔵省印刷局百年史 第2巻』
p.552 「明治23年(1890)2月、高橋局長は極印の高須誠之輔を連れて、印刷試験用の諸用紙、国字の活版などを携え、マリノニ式印刷機購入のためフランスへ出張したが、これと時を同じくして朝日新聞社でも、社員の津田寅次郎をフランスへ急派した。」
p.553(回答欄 記載)
『朝日新聞社史 資料編』(朝日新聞社 1995年)
p.449(回答欄 記載)
※『印刷博物誌』巻末の年表では 1889年と記されているが、複数の資料調査の結果、誤植だと思われる。
1889年は、パリ万国博覧会で、日本の内閣官報局長であった高橋健三がマリノニ式輪転機を知った年ではある。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 印刷 (749 9版)
- 参考資料
-
-
共同印刷株式会社社史編纂委員会 編纂 , 共同印刷株式会社. 共同印刷90年史. 共同印刷, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001866625-00 (B4-4-2-Ky2-1987) -
印刷製本機械百年史実行委員会 編 , 全日本印刷製本機械工業会. 印刷製本機械百年史. 全日本印刷製本機械工業会, 1975.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001127002-00 (S501 Z3) -
大蔵省印刷局. 大蔵省印刷局百年史 第2巻. 大蔵省印刷局, 1972.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001204581-00 (B4-4-2 O57 2) -
朝日新聞百年史編修委員会 編 , 朝日新聞社. 朝日新聞社史 資料編. 朝日新聞社, 1995.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002388009-00 (B7-1 A82) -
朝日新聞社. 朝日新聞七十年小史. 朝日新聞社, 1949.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008199260-00 (B7-1 A82)
-
共同印刷株式会社社史編纂委員会 編纂 , 共同印刷株式会社. 共同印刷90年史. 共同印刷, 1987.
- キーワード
-
- マリノニ式輪転印刷機
- 輪転印刷機
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
マリノニ Marinoni, Hippolyte (1823-1904)
フランスの印刷機製造家、また新聞社主。1860年,6人給紙半円形鉛版掛けの枚葉紙両面刷り活版輪転機を製作,後,巻取紙用活版輪転機を,次いで1902年には色刷り印刷機を製作した。また、新聞経営者としても世界的に名を知られた。(『印刷事典 第五版』p.509)
マリノニ式輪転印刷機について
「マリノニ機はイタリア人・マリノニ(フランスの印刷機製造家であり、また新聞社主として知られたマリノニ・イポリット(Marinoni Hipalyte, 1823-1904) の発明した大型の印刷機で、一分間に360回転、一時間に新聞紙一万五千枚の印刷能力をもち、刷り上げた新聞を自動的に裁断する装置をも備えていた。しかも機械の構造は簡単堅牢で操作に多人数を要しないきわめて経済的な機械であった。」(『大蔵省印刷局百年史 第2巻』p.552-553より)
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 印刷機
- 質問者区分
- 来館者
- 登録番号
- 1000165152