レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/11/29
- 登録日時
- 2015/02/14 00:30
- 更新日時
- 2015/02/14 00:30
- 管理番号
- 6001007080
- 質問
-
未解決
1.『新修大阪市史 第3巻』p493、497 『浪速叢書 第9』p4、5に、“木わた(木綿)問屋”“木綿(毛綿)問屋”と記載されているが、両者の違いを知りたい。
2.『新修大阪市史 第3巻』p506に記載のある、“毛綿綛” “嶋毛綿” “結木” p507の“土朱”の読みと、どのような商品であるかを知りたい。
- 回答
-
1.調査しましたが、所々に言葉はでてきますが、残念ながら、内容の違いを説明したものを見つけることはできませんでした。
以下に、読みなどの記載のあるものについて少し書きます。
(【 】内は、当館の請求記号です。)
『広益国産考』【802/699】に「もめん」と云う言葉の使われ方が書かれています。
p.448
「綿(草綿) 諸国一統木綿と書ども、木綿(もくめん)は別種成、一般に作る草綿なるへし」
「其他に着用の島木綿を織て用ふる所は」
p.449
「木綿(毛綿) 世俗に畑に作る所の綿を木綿(もくめん)と書てきわたとよべり、又織りたる所のものを同く木綿と書てきわたとよめり、今世間に作るは草綿にして織たるものは毛綿(まうめん)と書てもめんといふべきか、然れども時世にしたがひやはり木綿とかけり」
p.592
「此家に諸国より出る木綿綛を買入、夫(それ)を織屋へ遣し、織上たる所の縞を我方に買入る所の織屋数百軒程にて」
「縞といふ字を世間一般海中の嶋をかけり、木綿、絹のしまは縞なり」
2.読み方と商品内容について
『広益国産考』の目次によると、「毛綿綛」は、「もめんかせ」。「嶋木綿」は、「しまもめん」と読んでいます。
『和漢三才図会』巻61 p.276に「代赭石 (須丸 土朱 鉄朱 血師)」とあり、「どしゅ」と読んでいます。
『洪庵のくすり箱』p.39に薬箱の内容が記されています。「最下段は木枠によって四つに仕切られ、蓋を伴った一区画には代赭石とその包装紙がおさめられている。」とありますが、何に使うものかは書かれていません。
以下は調査した資料です。
『大分県先哲叢書 大蔵永常資料集 第二巻』綿甫要務 大分県立先哲資料館編 大分県教育委員会 1999年 【610.1/51N】
『日本産業史資料 2農業及農産製造』広益国産考・農家益 科学書院 1989年 【802/699】
『日本農書全集 第12・13巻 農業全書』 宮崎安貞著 農山漁村文化協会 昭和53年 【810/789】
『日本農書全集 第8巻 家業伝』 木下清左衛門著 農山漁村文化協会 昭和53年 【810/789】
『明治農書全集 第5巻 特用作物』 農山漁村文化協会 昭和59年 【810/941】
『府県物産志』 関西大学経済・政治研究所 平成9年 【602.1/148N】
『和漢三才図会 巻5・8・15・17巻』 寺島良安著 平凡社 1986、1987、1990、1991年 【022/17、L7/516N】
『増訂 工芸志料』東洋文庫254 平凡社 昭和49年 【940/177】
『近世大阪の物価と利子』 宮本又次編纂兼発行 昭和38年 【512/337】
『日本農業技術史 近世から近代へ』 岡光夫著 ミネルヴァ書房 1988年 【810/1059】
『近世の日本農業』 岡光夫/三好正喜編 農山漁村文化協会 昭和56年 【819/597】
『日本木綿の研究 河内木綿との連関』 武部善人著 吉川弘文館 昭和60年 【787/267】
『大阪木綿業誌』 大阪織物同業組合二部同窓会 昭和11年 【541.3/73】
『綿づくり民俗史』 吉村武夫著 青蛙房 昭和57年 【787/251】
『綿と木綿の歴史』 武部善人著 御茶の水書房 1989年 【787/281】
『苧麻・絹・木綿の社会史』 永原慶ニ著 吉川弘文館2004年 【586.2/76N】
『綿花百年 上巻』 小西平一郎等編 日本綿花協会 昭和44年 【787/199】
『本邦綿絲紡績史 第1巻』 絹川太一著述 日本綿業倶楽部 昭和12年 【787/95】
『木綿口伝』 福井貞子著 法政大学出版局 2000年 【586.2/52N】
『日本近代綿業の成立』 楫西光速著 昭和25年 【787/119】
『ふとん綿の歴史』 吉村武夫著 ふとん綿歴史研究会 昭和41年 【787/169】
『もめんのおいたち』 日本綿業振興会 昭和51年 【787/235】
『河内木綿 綿から木綿ができるまで』 八尾市立歴史民俗資料館 平成25年 【586.2/118N】
『河内木綿 歴史と資料』八尾市立歴史民俗資料館 2007年 【586.2/97N】
『泉大津と木綿 くらしとなりわい』 泉大津市立織編館 1994ごあいさつ 【586.2/21N】
『かわちもめん』 東大阪市立郷土博物館 1994年 【586.2/26N】
『浪華商人船レース めん・もめんとその流通』 大阪市立海洋博物館なにわの海の時空館 平成18年 【586.2/85N】『木綿の本』 読売新聞社 昭和57年 【586.2/67N】
『近世の商品流通』 八木哲浩著 塙書房 昭和37年 【541.3/85】
『幕藩社会と商品流通』 中井信彦著 塙書房 昭和36年 【510/4003】
『江戸時代の商品流通と交通』 古島敏雄著 御茶の水書房 昭和26年【510/3231】
『大阪の生産と交通』 小林茂/脇田修著 毎日放送 昭和48年【602.1/158N】
『近代中小企業構造の基礎的研究』 武知京三著 雄山閣出版 昭和52年 【544.3/707】
『近世大坂地域の史的分析』 脇田修編著 御茶の水書房 1980年 【216.3/172N】
『近世封建社会の経済構造』 脇田修著 御茶の水書房 1963年 【510/4259】
『近世産物政策史の研究』 田中喜男著 文献出版 昭和61年 【802/619】
『江戸時代の諸稼ぎ 地域経済と農家経営』 深谷克己/川鍋定男著 農山漁村文化協会 1988年 【819/877】
[事例作成日:平成27年1月20日] 『木綿の本』 読売新聞社 昭和57年 【586.2/67N】
『近世の商品流通』 八木哲浩著 塙書房 昭和37年 【541.3/85】
『幕藩社会と商品流通』 中井信彦著 塙書房 昭和36年 【510/4003】
『江戸時代の商品流通と交通』 古島敏雄著 御茶の水書房 昭和26年【510/3231】
『大阪の生産と交通』 小林茂/脇田修著 毎日放送 昭和48年【602.1/158N】
『近代中小企業構造の基礎的研究』 武知京三著 雄山閣出版 昭和52年 【544.3/707】
『近世大坂地域の史的分析』 脇田修編著 御茶の水書房 1980年 【216.3/172N】
『近世封建社会の経済構造』 脇田修著 御茶の水書房 1963年 【510/4259】
『近世産物政策史の研究』 田中喜男著 文献出版 昭和61年 【802/619】
『江戸時代の諸稼ぎ 地域経済と農家経営』 深谷克己/川鍋定男著 農山漁村文化協会 1988年 【819/877】
[事例作成日:平成27年1月20日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
1.下記資料には、みつかりませんでした。
日本国語大辞典(小学館) 国史大辞典(吉川弘文館) 日本史大事典(平凡社) 日本民俗大辞典(吉川弘文館) 日本商業史(ミネルヴァ書房 p180第17表に両問屋名の記載は有り)日本商業史(有斐閣) 江戸と上方(吉川弘文館)江戸時代「生活・文化」総覧(新人物往来社) 大阪経済史料集成 第2巻、第5巻 綿と木綿の歴史(御茶の水書房) 綿の郷愁史(東京書房社) 新・木綿以前のこと(中央公論社) 河内木綿史(吉川弘文館) 木綿口伝(法政大学出版局) 綿づくり民俗史(青蛙房)河内木綿と大和川(清文堂)
2.以下の部分的記載はあるが、語としての説明は、みつかりませんでした。
“毛綿綛”“嶋毛綿”
『日本民俗大辞典 下巻』p703もめん の項 ~文綿・毛綿とも書く。~と有り。
『大漢和辞典 巻8』p9218【綛】 の項 ①かすり。絣。②かせ。桛。 と有り。
『日本国語大辞典 第二版③』p652かすり【絣・飛白】、p654かせ【桛・綛】
『日本国語大辞典 第二版⑥』p1004しま【縞・島・嶋】p1020しまもめん【縞木綿】 の項有り。
『新・木綿以前のこと』p168~ 綛糸をつくる の節有り。p172~ 縞木綿について記述有り。
『木綿口伝』p26 綛 について記述有り。
『松阪もめん覚え書』(中日新聞本社)p163~ 嶋毛(木)綿 について記述有り。
『流通列島の誕生』(講談社)p63~ 嶋木綿 について記述有り。
“結木”
『日本国語大辞典 第二版⑫』p977むすびき【結木】(p761みつまた) の項は有り。
“土朱”
『日本国語大辞典 第二版⑨』p1219としゅ【土朱】代赭石のこと。 と有り。
『和漢薬の事典』(朝倉書店)p191 代赭石 の項有り。
辞典では、複数の意味の記述があり、どれにあたり、具体的にどのような商品であるか、わからないものもあり、資料がありましたら、ご教示いただけると幸いです。お手数おかけします。よろしくお願いします。
- NDC
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 大阪
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000167677