レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年03月25日
- 登録日時
- 2012/03/25 10:46
- 更新日時
- 2013/05/16 18:01
- 管理番号
- 006
- 質問
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解決
平清盛が福原京へ行く時に立ち寄ったという「寺江亭」を広報誌で紹介したいので、概要と資料を教えて欲しい。
- 回答
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寺江亭は、平安末期に平氏政権の有力者であった五条大納言・藤原邦綱の別荘。神崎川河口地帯の河尻にあったもので、昭和戦前期に塩野義商店(現塩野義製薬)杭瀬工場敷地内の左門殿川川床で礎石と思われる石材が発見されたことから、尼崎市今福に寺江亭跡の碑が建てられています。
1180年(治承4)3月に高倉上皇らが安芸国の厳島神社へ社参したとき、寺江亭で一泊したのをはじめ、6月に福原京(現神戸市兵庫区)へ遷都したときにも後白河法皇・高倉上皇・安徳天皇・平清盛らが宿泊しています。京都と福原、西国方面を行き来する皇族・貴族たちが立ち寄りました。寺江亭から福原へは、貴族は輿で従者は乗馬であったり、さらに船に乗って向かった例もあります。寺江亭の近くまで宋船(唐船)がやってきていたことも記録されています。
- 回答プロセス
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1 『尼崎市史』の記述
◆『尼崎市史』第1巻第3章第3節「平安時代の尼崎」
p392~396の小見出し「河尻の別荘」「福原遷都と寺江山荘」に、寺江亭とそこに宿泊した人々などの記述がある。
◆『尼崎市史』第4巻
p38~48に「玉葉」「山槐記」「百錬抄」など当時の貴族の日記から、寺江亭に関する記述のある部分を収録している。
2 遺跡調査報告
◆『兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告』第16輯
寺江亭の遺跡地に関する調査報告が収録されている。
◆『寺江亭阯顕彰について』
寺江亭跡の碑建立を記念して塩野義商店杭瀬工場が昭和18年に発行したもの。
郷土史家吉井良秀氏・吉井良尚氏による、この地から出土した遺構を寺江亭跡に比定する考察文を掲載している。
3 その他
◆『図説尼崎の歴史』上巻 /Web 版図説尼崎の歴史
中世編第1節4「平安末期の動乱と尼崎地域」 高倉上皇らの厳島社参と宋船の寺江亭回航などについて記述している。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 『尼崎市史』第1巻 昭和41年発行 (当館請求記号 219/A/ア-1)
- 『尼崎市史』第4巻 昭和48年発行 (当館請求記号 219/A/ア-4)
- 『兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告』第16輯 兵庫県 昭和17年発行
- 『図説尼崎の歴史』上巻 平成19年発行 (当館請求記号 219/A/ア)
- 『寺江亭阯顕彰について』塩野義商店生産部杭瀬工場 昭和18年発行
- キーワード
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- 寺江亭
- 寺江山荘
- 寺江頓宮
- 平清盛
- 福原遷都
- 藤原邦綱
- 兵庫県尼崎市
- 今福
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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Web版 尼崎地域史事典"apedia"
http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/apedia/
Web版 図説尼崎の歴史
http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/chronicles/visual/
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 団体
- 登録番号
- 1000104188