レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20050701
- 登録日時
- 2005/12/01 02:12
- 更新日時
- 2005/12/01 17:24
- 管理番号
- A2005M0678
- 質問
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解決
国立国会図書館(東京本館 目録ホール)には「真理がわれらを自由にする」という銘が掲げられているが、
・この言葉が銘に選ばれた事情や経緯
・この銘について参考になる文献
について教えてほしい。
また、銘文の出典は新約聖書からとのことだが、なぜヘブライ語ではなくギリシア語で刻まれているのかを知りたい。
- 回答
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「真理がわれらを自由にする」という言葉は、「昭和36年、本館第一期工事の折、中央出納台上に刻まれ」ました(稲村徹元、高木浩子:「真理がわれらを自由にする」文献考 p1 『参考書誌研究』35 1989)。この言葉は、初代参議院図書館運営委員長 羽仁五郎氏の発意によるものであり、国立国会図書館法前文にも採用されています。
この文章の出典は、ホームページにもありますとおり、羽仁氏が戦前、フライブルグ大学で見た言葉を元にしている、と言われています。
日本語の銘文は初代館長 金森徳次郎の筆によるものですが、その決定にいたるまでの資料は、現在のところ見つかっておりません。
ギリシャ語の銘文については、ホームページにありますとおり、新約聖書「ヨハネによる福音書」8章32節からの引用です。この銘文は、「建設省が日本文との釣り合い及び装飾上の観点から聖書の原典どおりの言葉で刻んだという伝聞」が残っているのみです(稲村徹元、高木浩子:「真理がわれらを自由にする」文献考 p4 『参考書誌研究』35 1989)。
また、新約聖書は、ギリシア語で書かれているものが「原典」として扱われており、当館の銘文はこの原文を元にしています。(「宗教改革以後、旧約聖書はヘブライ語から、新約聖書はギリシア語から各国語に訳されるようになり」『マイペディア』平凡社 1990 p762)
銘文に関する資料としては、次のようなものがあります。
・『国立国会図書館三十年史』1979 【当館請求記号:UL214-7】
(国立国会図書館法前文および銘文について、ごく簡単に言及しています。:pp.56-57)
・稲村徹元、高木浩子:「真理がわれらを自由にする」文献考
『参考書誌研究』35(1989) pp.1-7 【当館請求記号:Z21-291】
・河井弘志:「真理がわれらを自由にする」の源流?
『Mitteilungsblatt, der Japanisch-Deutschen bibliothekarischen Gespraechsrunde 日独図書館懇談会・会報』13-2(48) (1999) pp.2-4 【当館請求記号:Z21-2421】
・志保田務:コラム カタロガーのメモ「真理がわれらを自由にする」における"原典"と引用法小論
『資料組織化研究』44(2001) pp.23-29 【当館請求記号:Z21-638】
*銘文の出典について諸説を紹介し、詳細に比較検討しています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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当館ホームページ
- NDC
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- 各種の図書館 (016 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 真理がわれらを自由にする
- 国立国会図書館法前文
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000025148