レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/11/02
- 登録日時
- 2022/12/14 00:31
- 更新日時
- 2022/12/14 00:31
- 管理番号
- 6001058559
- 質問
-
解決
「もえぎ色」は、漢字の表記により表す色が異なると聞いた。どの漢字がどの色を表わすのか確認したい。また、他にも漢字の表記により表わす色が異なる色はあるか。
- 回答
-
「もえぎ色」は、「萌黄色」と表記する場合は明るい黄みの黄緑色を、「萌葱色」と表記する場合は濃い黄みの緑色を表わします。
色名事典等の索引で確認したところ、「もえぎ色」の他に16種類の同音異色の色が見つかりました。
以下に、各色の解説や色見本が掲載されている資料を紹介します。
■ もえぎ(萌黄/萌葱)色
・『色名事典』(清野恒介/著 島森功/著 新紀元社 2005.7)
p.140 萌黄色 解説、色見本
解説に「萌黄色と萌葱色は似た色名で、両方とも黄緑ですが、萌黄色は明るい黄みの色で、萌葱色は濃い黄みの緑です。」と記載されています。
p.147 萌葱色 解説、色見本
解説に「萌葱色は、アオネギ(青葱)が土から地上に出ている部分の色で、もともとは萌黄色と書いていました。黄みの緑も萌黄色といわれるようになり、それと区別するために萌葱色と書くようになりました。明るい色が萌黄色、濃い色が萌葱色です。」と記載されています。
・『色の名前507:来歴から雑学、色データまで日本の色、世界の色が見て読んでわかる 新版』(福田邦夫/著 主婦の友社 2012.11)
p.157 萌黄 解説、色見本
p.179 萌葱色 解説、色見本
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.149 萌黄色 解説、色見本
p.190 萌葱色 解説、色見本
■ あか(赤/赭)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.48 赤 解説、色見本
解説に「日本最古の色名の一つ。赤系統の色の総称。」と記載されています。
p.62 赭(そお) 解説、色見本
別名に「赭(あか)」とあります。解説には「古代、赤土を焼いて得られた赤色の顔料を赭や朱といった。」と記載されています。
■ あさぎ(浅黄/浅葱)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.154 浅黄(あさきき) 解説、色見本
別名に「浅黄色(あさぎいろ)」とあります。解説には「浅黄は『延喜式』に記された色名で、深黄の対色で「あさき」という。」と記載されています。
p.184 浅葱色 解説、色見本
解説に「『延喜式』に記定された明るい黄色の浅黄(あさきき)と混同される色名だが、見本色の通りの明るい青緑。」と記載されています。
■ あめ(飴/天)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.87 飴色 解説、色見本
解説に「水飴のような色。」と記載されています。
p.199 天色(てんしょく) 解説、色見本
別名に「天色(あめいろ)」とあります。解説には「晴天の澄んだ空の色。」と記載されています。
■ あま(亜麻/天)色
・『色の手帖:色見本と文献例とでつづる色名ガイド』(尚学図書/編集 小学館 1986.7)
p.83 亜麻色 解説、色見本
解説に「亜麻糸の色。▽明るい灰黄。」と記載されています。
p.149 天色 解説、色見本
解説に「天の色。明るい青。」と記載されています。
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.116 亜麻色 解説、色見本
p.199 天色 解説、色見本
■ かいりょく(灰緑/海緑)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.172 灰緑(はいみどり) 解説、色見本
別名に「灰緑色(かいりょくしょく)」とあります。解説には「自然のエネルギーを表す緑色に、灰色が加わると穏やかになる。」と記載されています。
p.183 海緑色 解説、色見本
解説に「冷たそうな深い海の色。」と記載されています。
■ かき(柿/牡蠣)色
・『色の手帖:色見本と文献例とでつづる色名ガイド』(尚学図書/編集 小学館 1986.7)
p.60 柿色 解説、色見本
解説に「カキ(柿)の実の色。またカキ渋の色に似た赤茶色や、弁柄(ベンガラ)に少し黒を入れた色をさすこともある。▽黄赤。」と記載されています。
・『国際版色の手帖』(尚学図書・言語研究所/編 小学館 1988.11)
p.44 オイスターホワイト/生牡蠣色 解説、色見本
解説に「カキ(牡蠣)の肉の色。(中略)日本では牡蠣色より生牡蠣色の方が普通である。」と記載されています。
■ かつ(活/勝)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.197 活色 解説、色見本
解説に「晴れわたった青空を思わせる緑みの青。」と記載されています。
p.240 褐色(かちいろ) 解説、色見本
別名に「勝色(かついろ)」とあります。解説には「濃い藍染の色。」と記載されています。
■ きはだ(樹皮/黄蘗)色
・『色々な色:Colors of nature』(ネイチャー・プロ編集室/構成・文 光琳社出版 1996.12)
p.108 檜皮色 解説、色見本
解説に「ヒノキの樹皮のような暗い灰みの茶色。樹皮色(きはだいろ)ともいいます。」と記載されています。
p.148 黄蘗色 解説、色見本
解説に「キハダはミカン科キハダ属の落葉高木。その名は、幹の内皮が黄色いことに由来します。(中略)キハダで染めた強い黄色を黄蘗色といいます。」と記載されています。
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.129 黄蘗色 解説、色見本
p.134 樹皮色 解説、色見本
■ くり(栗/涅)色
・『色の手帖:色見本と文献例とでつづる色名ガイド』(尚学図書/編集 小学館 1986.7)
p.63 栗色 解説、色見本
解説に「栗の実の皮のような色。▽暗い黄赤。」と記載されています。
p.207 涅色・皂色 解説、色見本
解説に「涅のような色。涅は、水の底によどむ黒い土。古くは黒色、のち褐色がかった黒色。▽暗い灰黄。」と記載されています。
・『色名事典』(清野恒介/著 新紀元社 2005.7)
p.95 皂 解説、色見本
p.238 栗色 色見本のみ
・『色の名前507:来歴から雑学、色データまで日本の色、世界の色が見て読んでわかる 新版』(福田邦夫/著 主婦の友社 2012.11)
p.102 栗色 解説、色見本
p.258 涅色 解説、色見本
・『色々な色:Colors of nature』(ネイチャー・プロ編集室/構成・文 光琳社出版 1996.12)
p.128 栗色 解説、色見本
p.157 涅色 解説、色見本
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.77 栗色 解説、色見本
p.275 涅色 解説、色見本
■ こうじ(柑子/麹)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.104 柑子色 解説、色見本
解説に「柑子の果皮のような色。」と記載されています。
p.108 麹色 解説、色見本
解説に「淡く渋い橙」の系統と記載されています。
■ そう(草/蒼)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.165 草色(くさいろ) 解説、色見本
別名に「草色(そうしょく)」とあります。解説には「緑色を代表する色。」と記載されています。
p.182 蒼色 解説、色見本
解説に「暗い青緑」の系統と記載されています。
■ たんこう(淡紅/淡黄)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.23 淡紅色 解説、色見本
解説に「淡い紅」の系統と記載されています。
p.130 淡黄色 解説、色見本
解説に「明るい黄」の系統と記載されています。
■ とうこう(桃紅/橙黄)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.19 桃紅色 解説、色見本
解説に「桃色に比べ、紅みが強く、華やかさが増した色。」と記載されています。
p.81 橙色(だいだいいろ) 解説、色見本
別名に「橙黄色(とうこうしょく)」とあります。解説には「橙の実の表皮のような色、オレンジ(英名)。」と記載されています。
■ とのちゃ(沈香茶/礪茶)色
・『美しい日本の伝統色』(濱田信義/編著 パイインターナショナル 2021.11)
p.106 沈香茶 解説、色見本
解説に「灰味がかった青緑色。」と記載されています。
p.146 礪茶 解説、色見本
解説に「赤味をおびたやや灰がかった褐色。」と記載されています。
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.91 礪茶 解説、色見本
p.212 沈香茶 解説、色見本
■ に(煮/丹)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.69 丹色 解説、色見本
解説に「丹(に/たん)は、もともとは「赤い土」の意味で、幅広い赤を指す。」と記載されています。
p.87 煮色 解説、色見本
解説に「強い橙」の系統と記載されています。
■ ぬれば(濡葉/濡羽)色
・『定本和の色事典』(内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7)
p.169 濡葉色(ぬれはいろ) 解説、色見本
別名に「濡葉色(ぬればいろ)」とあります。解説には「強い緑」の系統と記載されています。
p.272 濡羽色 解説、色見本
解説には「羽が水に濡れると、表面の乱反射がなくなり、黒さが際立つ。」と記載されています。同系統色に挙げられている「漆黒(しっこく)」には、「黒・黒の中でもっとも暗い黒」の系統と記載されています。
[事例作成日:2022年11月2日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- デザイン.装飾美術 (757 10版)
- 参考資料
-
- 色名事典 清野/恒介∥著 新紀元社 2005.7 (95, 140, 147, 238)
- 色の名前507 新版 福田/邦夫∥著 主婦の友社 2012.11 (102, 157, 179, 258)
- 定本和の色事典 内田/広由紀∥著 視覚デザイン研究所 2008.7 (19, 23, 48, 62, 69, 77, 81, 87, 91, 104, 108, 116, 129-130, 134, 149, 154, 165, 169, 172, 182, 183, 184, 190, 197, 199, 212, 240, 272, 275)
- 色の手帖 尚学図書∥編集 小学館 1986.7 (60, 63, 83, 149, 207)
- 国際版色の手帖 尚学図書・言語研究所∥編 小学館 1988.11 (44)
- 色々な色 ネイチャー・プロ編集室∥構成・文 光琳社出版 1996.12 (108, 128, 148, 157)
- 美しい日本の伝統色 濱田/信義‖編著 パイインターナショナル 2021.11 (106, 146)
- キーワード
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- 色名(イロメイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000325711