レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2000/08/31
- 登録日時
- 2005/12/13 02:12
- 更新日時
- 2010/11/25 02:01
- 管理番号
- 新県図-00109
- 質問
-
解決
「新潟県指定文化財 学塾三餘堂関係資料 附印章類」とはどのような資料であるか。
- 回答
-
資料の概要
『新潟県指定文化財 学塾三餘堂関係資料』は、江戸期の儒学者、教育者、漢詩人であった藍澤南城が、故郷の柏崎南城で開いた「学塾三餘堂」に関係するコレクションです。平成9年に柏崎市立図書館と新潟県立図書館の2館で収蔵されている関係資料が、県の文化財、有形文化財歴史資料第1号として指定されました。
学塾関係資料は、塾閉鎖後、藍澤家によって管理されていましたが、明治38年に塾の蔵書が私立柏崎図書館(現柏崎市立図書館)に寄贈され、さらに昭和49年に南城の自筆稿本や版木等の資料が県立図書館に寄贈され、それぞれ今日まで収蔵されてきました。
柏崎市立図書館では書籍1672冊、県立図書館では書籍200冊、古文書4冊、版木58枚を収蔵しています。
なお、平成11年に藍澤弘氏所有の『印章類 百二十五顆』が追加指定を受けています。学塾三餘堂関係資料の多くにこれらの印鑑が蔵書印として押印されていました。
資料については、『新潟県教育月報』裏表紙裏 「新潟県の文化財」に概要が紹介されています。
平成11年1月号 「学塾三餘堂関係資料」(柏崎市立図書館所蔵)
平成11年3月号 「学塾三餘堂関係資料」(新潟県立図書館所蔵)
平成11年7月号 「学塾三餘堂関係資料 附印章類 百二十五顆」
内容解説
平成10年に柏崎市で有形文化財指定記念として「藍澤南城展」が催され、『藍澤南城展解説目録』(請求記号:029-Ka77)が作成されています。この目録に主な資料の解説が詳しく記載されています。また、巻末に2館の所蔵資料目録がありますので、収蔵資料を一覧することもできます。この資料には、学塾三餘堂に関係するものとして南城の年譜なども載っており、『学塾三餘堂関係資料』について概観する資料として、適当なものです。
〈文化財的価値〉
本コレクションの文化財としての価値としては、以下の四点が認められています(上記資料に詳しい記述があります)。
1.越後の学塾資料としては、年代的に早い時期に属しており、県指定文化財『長善館学塾資料』に先立つ、近世末期以来の越後学塾を知ることができる。
2.越後の郷村社会では官学(朱子学)に対峙して折衷学が盛んであった。本資料は越後折衷学の実態をよく物語っており、近世越後学塾の学風の特徴をよく示している。
3.一連の門人録は、近世末期から明治期に及ぶ、民間の農村子弟の教育実態をよく示している。
4.蔵書および版木は、近世越後に広がった出版文化の実態をよく示している。特に『南城三餘集』の版木の存在は、越後出版文化の水準を知る資料として貴重である。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 芸術.美術 (700 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 学塾三餘堂関係資料
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 簡易な事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000025810