レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/12/12
- 登録日時
- 2008/10/18 02:16
- 更新日時
- 2024/03/30 00:32
- 管理番号
- M08022017464898
- 質問
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『岡山今昔物語』(研文館吉田書店)に「古(いにしへ)の人の食をさせる吉備の酒、病めば、すべなし、貫簀たばらむ。」という歌が万葉集に収められていると述べられている。どのような歌なのか。
- 回答
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『新日本古典文学大系 別巻[5]』(岩波書店)の「万葉集索引」から「いにしへの~」を初句とする歌の該当がない一方、初句「ふるひとの~」でみると、万葉集の「巻第四」554に「古人乃 令食有 吉備能酒 病者為便無 貫簀賜牟」という歌が確認できる。『万葉集全注 巻第4』(有斐閣)では、この歌を「古人の飲へしめたる吉備の酒病まばすべなし貫簀賜らむ」と読み下し、「ご老人が送ってくださった吉備の酒も悪酔したら困ります。貫簀も頂きとうございます」とその歌意が述べられている。他に『新日本古典文学大系1』(岩波書店)には「昔の人が飲ませて下さった吉備の酒。飲み過ぎて悪酔いしたら苦しいです。竹の敷物を下さい」、『万葉集全歌講義2』(笠間書院)では「なじみのお方が送って下さった、せっかくの吉備のお酒ですが、飲んで気分が悪くなったら困ります。貫簀もいただきたいものです」とそれぞれ歌意の説明がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『新日本古典文学大系 別巻[5]』.東京,岩波書店,2004,555p.参照はp.334. 木下正俊.『万葉集全注 巻第4』.東京,有斐閣,1983,436p.参照はpp.160-161. 『新日本古典文学大系1』.東京,岩波書店,1999,530,40p.参照はp.354. 阿蘇瑞枝.『万葉集全歌講義2』,東京,笠間書院,2006,811p.参照はpp.546-547.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2008022017404564898
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000048163