レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年03月28日
- 登録日時
- 2015/03/28 14:30
- 更新日時
- 2024/03/14 13:28
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-77
- 質問
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解決
広沢池(ひろさわのいけ)を詠んだ歌が知りたい。
- 回答
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広沢池が詠まれた詩歌は多く残されています。例えば、次のようなものがあります。
和歌
「いにしへの 人は 汀(みぎは)に影絶えて 月のみすめる 廣澤の池」 源頼政
「廣澤の 池に宿れる月影や 昔をてらす鏡なるらん」後鳥羽法皇
俳句
「水涸れて 池のひづみや 後(のち)の月」 与謝蕪村
「広沢や ひとり 時雨るる(しぐるる) 沼太郎」 史邦
「広沢や 背負うて帰る 秋の暮れ」 野水
漢詩 「潜龍亭賞月」景張、「冬日廣澤池上口占」六如、「過廣澤」松南のほか、大覚寺宮の家臣である武田信成が広沢池に鶴が舞い降りたことを祝した寿詩(じゅし)もあります。
詠み人はほかにも源重之、西行、藤原為家、九条良経、賀茂真淵、本居宣長などがいます。
- 回答プロセス
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「ひろさは」「ひろさはのいけ」で調べる。読み方や旧字体に注意。
●和歌を調べる・・・【資料1~7】
勅撰集・・・『新後撰和歌集』『新千載和歌集』
私撰集・・・『新撰和歌集』『後葉和歌集』『新撰和歌六帖』
『夫木和歌抄』『六百番歌合』
私家集・・・『拾玉集』『御堂関白集』『重之集』などに所収。
【資料1~5】・・・索引より、歌と歌集の掲載されている巻がわかる。
●地名から調べる・・・【資料8~11】
上記以外に『秋篠月清集』『拾遺愚草』『藻塩草』などに所収。
【資料8】・・・和歌だけでなく、俳句・漢詩も掲載あり。
【資料10】・・・“広沢の流れ”と詠まれた場合は、池畔にあった遍照寺の法流を指し、池のことではない。
●詩歌の辞典類を調べる・・・【資料12~14】
広沢池は歌枕として用いられる。『山家集』『賀茂翁家集』『福寿艸補遺』『猿蓑』『続猿蓑』に所収。
【資料13】・・・『類船集』によると、「広沢」の付合語として「月見」と並んで「住む人もなき」を上げるように、寂しい山里のイメージを喚起する所でもある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 日本 (291 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『新編国歌大観 第1巻 [2] 勅撰集編 索引』(「新編国歌大観」編集委員会/編 角川書店 1983)p721
- 【資料2】『新編国歌大観 第2巻 [2] 私撰集編 索引』(「新編国歌大観」編集委員会/編 角川書店 1984)p885
- 【資料3】『新編国歌大観 第3巻 [2] 私家集編 索引』(「新編国歌大観」編集委員会/編 角川書店 1985)p895
- 【資料4】『校註国歌大系 第27巻 総合索引』(国民図書/編 講談社 1976)p2888~2889
- 【資料5】『校註国歌大系 第28巻 総合索引』(国民図書/編 講談社 1976)p4048
- 【資料6】『校注歌枕大観 山城篇』(森本 茂/編著 大学堂書店 1979)p455~460
- 【資料7】『平安和歌歌枕地名索引』(ひめまつの会/編 大学堂書店 1972)p537~538
- 【資料8】『嵯峨誌 平成版』(嵯峨教育振興会/編集 嵯峨教育振興会 1998)p37~41
- 【資料9】『日本歴史地名大系 27 京都市の地名』(平凡社 1979)p1068
- 【資料10】『和歌の歌枕・地名大辞典』(吉原 栄徳/著 おうふう 2008)p1423~1424
- 【資料11】『京都名勝誌』(京都市/編纂 京都市役所 1928)p530
- 【資料12】『新俳句大観』(明治書院編集部/編 明治書院 2006)p231
- 【資料13】『日本名句集成』(飯田 竜太/[ほか]編 学灯社 1991)p175
- 【資料14】『日本うたことば表現辞典 12 歌枕編』(大岡 信/監修、日本うたことば表現辞典刊行会/編集 遊子館 2008)p339
- キーワード
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- 広沢池
- 広沢の池
- 嵯峨
- 詩歌
- 歌枕
- 月見
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000170015