レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/02/26
- 登録日時
- 2010/04/20 02:00
- 更新日時
- 2010/08/09 13:09
- 管理番号
- 長野市立長野-08-013
- 質問
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解決
「パンとサーカス」という言葉があるが、正確な意味が知りたい。
- 回答
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穀物の配給や、戦車競走(サーカス)によって、市民が政治的盲目に置かれていると古代ローマ社会を揶揄したもの。
- 回答プロセス
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インターネットで「パンとサーカス」と検索。ウィキペディアのページがヒットする。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9 (最終確認:2010年4月16日)
読み進めていくと、「ユウェナリス『風刺詩集』第10篇77-81行」とあったので、所蔵検索で「ユウェナリス」を検索。『サトゥラェ 諷刺詩』がヒットする。
p226に「かつて王権を(要職の象徴たる)束桿を、軍団を、一切を、賦与していた(主権者たる)民衆はいまや自制し、そればかりか、つぎの二つのことだけに執念を燃やしている――(つまり)パンと戦車競走だ!」とある。
p241の注によると、穀物を貧民に分配する制度があったこと、戦車競走も実力者が負担したローマ人の好んだ見世物でCircus Maximusで行われたことが記載されている。また、「ドストイェフスキーは『カラマーゾフの兄弟』の中に、ここのユウェナーリスの文句panem et circenses!を原文のまま引用してロシアの俗衆の愚かさを表現している。」ともある。
所蔵検索で「パンとサーカス」と検索。2件ヒット。
『パンとサーカス』p13-14に「〝PANEM ET CIRCENSES〟または「パンとサーカス」という語句は、ユヴェナリスの諷刺詩第一〇番に由来する。」とあり、また「ユヴェナリスは、気まぐれな民衆が、食料の給付と、競技場、闘技場の魅惑のために、その政治責任を放棄したから、ローマ共和国は帝国に道をゆずったのだとほのめかす。」ともある。
上記の内容を回答し、資料を貸し出す。
- 事前調査事項
- NDC
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- ラテン文学 (992)
- 参考資料
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- 『サトゥラェ 諷刺詩』ユウェナーリス/著,藤井 昇/訳 日中出版 1995.08 <992ユ>
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『パンとサーカス 社長衰退としてのマス・カルチュア論』P.ブラントリンガー/著,小池 和子/訳 勁草書房 1986.07 <361.6フ>
- キーワード
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- 風刺
- ラテン語
- ユウェナーリス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000066013