レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年03月31日
- 登録日時
- 2016/12/20 13:56
- 更新日時
- 2020/11/03 17:27
- 管理番号
- 72
- 質問
-
未解決
ミャンマーにあるミンブ県にエナマという地名は現存するんでしょうか。
出典不詳で地名の英語表記および現地表記も不明です。世界地図やビルマの地名辞典も見たんですが載っていなくて…。
- 回答
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エナマという地名は防衛庁防衛研究所戦史室から出ている『戦史叢書 シッタン・明号作戦』の資料で確認できました。p290以降に記載があります。しかしながら当該資料は昭和44年発行の本であり、現存する地名なのかまでは確認できなかったため、ほかに地名が載った本を確認していますと、「エナマ」と記載のある本は見当たりませんでした。
補足として、Yenanma(イェナンマ)という地名がミャンマーのミンブ県内にあります。
『シッタン・明号作戦』資料内にあるエナマ周辺地図と照らし合わせると、ご近所のようです。
以降は推測になりますが、ミャンマーの地名で英語表記がYeから始まるものは、日本語で仮名読みに直すと、エ~と読んだり、イェ~と読むものがあります。(例:Yenangyaung→エナンジャウン、もしくはイェナンジャウンと読みます。『外国地名よみかた辞典』p464参照)
もしかすると、日本語読みに直す際にこのようなことになったのかもしれません。
このYenanmaという地名は、『グランド新世界大地図 ’01』全教出版 2001年、William A.Cleveland『BRITANNICA ATLAS』ENCYCLOPEDIA BRITANNICA,INC 1998年 の2冊に載っています。このうち、『グランド新世界大地図』の方に「イェナンマ」との仮名表記があります。
インターネット検索をしていますと、2001年に報告された論文内でもこの地名が確認できました。
→財団法人日本エネルギー経済研究所HPに掲載されているミャンマーに関する論文をご確認ください。
Yenanma油田というものがあるそうです。
http://eneken.ieej.or.jp/data/old/pdf/myanmar0108.pdf
- 回答プロセス
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【当館確認済み資料一覧】
・東亜研究所『ビルマ地名要覧 (アジア学叢書)』2007年 ※ミンブまでは記載あり。エナマはなし。
・東亜研究所『大東亜南方圏地名索引集 (アジア学叢書) 副書名:印度支那地図地名索引・マダガスカル島地名索引・濠洲地名索引・印度洋諸島地名索引』大空社 2007年
・南洋事情研究会『南方地名辞典 (アジア学叢書)』大空社 2007年
・日外アソシエーツ株式会社『外国地名レファレンス事典』日外アソシエーツ 2006年
・三省堂編修所『コンサイス地名辞典 外国編』三省堂 1977年
・三省堂編修所『コンサイス外国地名事典』三省堂 1998年
・辻原康夫『世界の地名ハンドブック』三省堂 1995年
・和泉光雄『世界の地名・その由来 アジア篇』講談社出版サービスセンター 1997年
・渡辺光『世界地名大事典 第6巻 副書名:アジア・アフリカ Ⅰ』朝倉書店 1974年
・渡辺光『世界地名大事典 第8巻 副書名:アジア・アフリカ Ⅲ』朝倉書店 1974年
・日外アソシエーツ株式会社『外国地名よみかた辞典』日外アソシエーツ 2008年
・蟻川明男『世界地名語源辞典』古今書院 2003年
・辻原康夫『世界地名情報事典』東京書籍 2003年
・『スタンダード・アトラス世界 副書名:地図帳』平凡社 1991年
・『なるほど知図帳世界 2006 副書名:知れば知るほどみえてくる!!』旺文社 2006年
・『情報世界地図 (小学館GREEN MooK) 副書名:大転換期を読み解く』小学館クリエイティブ 2009年
・中野尊正『世界地図 (Union atlas)』国際地学協会 2001年
・『PREMIUM ATLAS世界地図帳 副書名:グローバルな時代を読む』平凡社 2008年
・ケンブリッジ現代社会国際研究所『現代の世界 副書名:ヴィジュアル・データ百科』原書房 2008年
・正井泰夫『一冊でわかる日本地図・世界地図』成美堂出版 2004年
・『世界大アトラス』小学館 1989年
・田邉裕『世界なんでも情報館 副書名:世界192の国と地域のデータブック』ポプラ社 2001年
・梅棹忠夫『世界大地図帳』平凡社 2003年
・『世界大地図』小学館 2009年
・モンゴメリー・マーティン『ジョン・タリスの世界地図 副書名:19世紀の世界』同朋舎出版 1992
・京都大学東南アジア研究センター『事典東南アジア 副書名:風土・生態・環境』弘文堂 1997
・『THE NEW ENCYCLOPEDIABRITANNICA VOLUME8』
ENCYCLOPEDIA ER 1989年
・『ベルテルスマン世界地図帳 副書名:日本版』昭文社 1999年
・『デラックス世界地図帳』昭文社 2006年
・『地球の歩き方 ‘06~’07 ミャンマー(ビルマ)』2006年
~インターネット検索~ (以下の全てのページの最終確認:2010.03.31)
・google mapで確認 ミンブ(英語表記:Minbu)までは確認できましたが、それ以上の詳細地図は確認できず。『地球の歩き方』によると、ミャンマーを外国人への開放地域で分けると3つに大別されるという。①許可があれば入域可②限定された地域のみ開放③全域開放 このうち、ミンブ県を含むマグェ管区は②の限定された地域のみ開放となっています。
・googleより、エナマを検索。 site:ac.jp site:go.jp site:org.jp で絞り込み。有用な情報は得られず。個人のブログでエナマの語句を含む文章「5月上旬には、師団主力方面への敵軍の追撃。捜索連隊主力のいたエナマで戦闘。」を見つけたので、(http://yamanekobunko.blog52.fc2.com/blog-entry-122.html)文章の出典である『戦史叢書 シッタン・明号作戦』を確認。
・英語表記ならEnama?と思いgoogle検索すると医療器具のページばかり検索結果に出てしまう。
・調査に行き詰ったので『外国地名よみかた辞典』を読み返していると、ミャンマーの地域名(英語表記)で、Yeから始まる地名は、エ~で日本語変換されていたり、イェ~と変換されていることから(例:Yenangyaung→エナンジャウン、イェナンジャウン) エナマの英語表記はYenamaの可能性もあるとしてallintext:Yenama Burma、allintext:Yenama Myanmar、allintext:Yenama Minbuで検索すると、数件ヒットした。しかしながら信頼性に乏しい。 確認した資料を再度チェックすると、Yenanma(イェナンマ)という記述がある本があった。
・論文データベースのCiniiでYenanmaを検索。検索結果なし。
・Yenanmaをpdf指定でgoogle検索すると8件ヒット。財団法人日本エネルギー経済研究所の報告書?(日本語)を発見。2001年時点でミャンマーにはYenanma油田がある模様。中国語表記は耶南马らしい。
・Yenanmaをgoogle スカーラー検索すると9件ヒット。論文にYenanmaを含むものがあるようでしたが本文までは確認できず…
・Basic Facts About Myanmar (http://www.myanmar-embassy-tokyo.net/about.htm) HP内でYenanmaを検索するもヒットなし。
・The New Light Of Myanmar (http://myanmar.com/newspaper/nlm/index.html)より、
Yenanmaを検索。ヒットなし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 地理.地誌.紀行 (290 8版)
- 戦争.戦略.戦術 (391 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000203794