雑誌『あしかひ』の所在について
お問い合わせの雑誌(歌誌)『あしかひ』は、当室でも当時の出版目録や国会図書館等の検索手段では見つけることができませんでした。古書検索サイト「日本の古本屋」で検索すると『あしかひ 昭和9年7・8・9・10・12月号合本』がヒットします。出版元はあしかひ草舎です
大坪草二郎が雑誌『あしかひ』昭和11年3月号より連載した内容について
当館には大坪草二郎著の『愚庵の生涯とその歌』を次の二種類所蔵しております。その編集後記の一部を、ご参考までに引用します。なお2の編集後記は白根孝美氏の「愚庵と草二郎」と題されたものです。
1『愚庵の生涯とその歌』(古今書院 昭15)【352/3519/#】
“また「愚庵の歌」は“雑誌「あしかひ」昭和十一年三月号より九回に亘って連載した原稿を基本とし雑誌「アララギ」昭和九年一月号に発表せる「愚庵雑記」と併せて上梓した。”(191p)
2. 『愚庵の生涯とその歌』(葦真文社 昭54)【135/1777/#】
“第二部「歌評」は歌誌『あしかひ』(自昭和十一年三月号至同年十一月号)に「愚
庵の歌」として発表されたものである”(256p)
また、255pにはつぎのような記載があります。
“このことは『アララギ』一月号(昭和九年)に、「愚庵雑記」として発表し、本書
では「遺蹟その他」の題で挿入した。”
以上より判断しますと雑誌『あしかひ』昭和11年3月号より連載した内容は上記1に所収の<「愚庵の歌」(一)その歌風~(九)人間愚庵>、上記2では<第二部歌評(一)愚庵の歌風~(九)人間愚庵>に該当すると思われますが、本書1(75p~166p)と2(117p~227p)の内容を閲覧の上、ご確認下さい。
雑誌「あしかひ」の発行元について
当館所蔵の大坪草二郎著『良寛の歌』(あしかひ草舎発行 昭和11年6月)【224/151/#】でも巻末記に記載があります。ご参考までに紹介いたします。
“本書は、昭和十年七月以来七回に亘って「あしかひ」誌上に連載した拙稿を、改訂
増補し、首尾を整へたものであるが・・”(195p)
“猶、本書出版について御高配下さった「あしかひ」同人の方々、特に萬端のお世話を願った森園天涙氏に厚く御禮申上げる”(196p)
また、この本の奥付は発行所あしかひ草舎、その所在地は大阪府中河内郡布施町永和393、発行者印刷者は原田才治(住所は発行所と同じ)、発売所は竹翠書院(東京市)です。