レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年04月02日
- 登録日時
- 2010/08/31 02:00
- 更新日時
- 2014/09/04 15:57
- 管理番号
- 10-1A-201007-02
- 質問
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解決
インスタントコーヒーを発明した人に日本人とアメリカ人がいるらしい。名前を知りたい。
- 回答
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日本人発明者は、1899年(明治32)、液体にしたコーヒーを粉末にする「真空乾燥法」の実験に成功し、1901年(明治34)にニューヨーク州バッファローで開催された「全米博覧会」に、世界初の「ソリューブルコーヒー(インスタントコーヒー)」を発表した米国シカゴ在住の化学者「加藤サトリ」もしくは「加藤博士」、アメリカ人発明者は1909年(明治42)ヨーロッパ市場に「ベルナ」という商品名で売り出されたインスタントコーヒーのラベルによると、「ジョージ・ワシントン」。
- 回答プロセス
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1.当館所蔵を調査
フリーワード“インスタントコーヒー”で検索、『酒・たばこ・コーヒー 』 (岡部 和彦/編,1988)(p.188)
「表1 コーヒーの概略史」に「1899年 日本の加藤がシカゴでソリブルコーヒー(インスタントコーヒー)を発表」とある。
『ネスカフェはなぜ世界を制覇できたか』(田中 重弘/著 1988)
「日本におけるインスタント・コーヒー略史」(p.44)
1909年ヨーロッパ市場に「ベルナ」という商品名でインスタントコーヒーが売り出され、その発明者は「ジョージ・ワシントン」とラベルにあった。しかし、その人物詳細については不明と記述あり。
また、「チョコレートの製造法が発明の基礎となった」(p.184)の項に、「インスタント・コーヒーの発明者はわが国では日本人加藤サトリ氏だとされている。」とあり、また参考図書として『食の社会学』(加藤秀俊/著 1988年)が紹介。
『食の社会学』「日本人の食事観」(p256)に、インスタントコーヒーの記述があり、「カトウ・サトリ」が1899年に日本でコーヒーの粉末化実験に成功したとことが書かれている。
『発明とアイデアの歴史』( 講談社,1977)「インスタント」(p.116)の項に「カトウ・サトリ」と「G.ワシントン」が紹介されている。
2.商用データーベースを調査
「Japan Knowledge(ジャパンナレッジ)」(辞書・事典等)を調査
『日本大百科全書(ニッポニカ)』【インスタントコーヒー】の項目に、「コーヒーの粉末化が試みられたのは19世紀末で、アメリカ人のゲイル・ボードンによって試作されたが実用化するに至っていなかった。」とあり、日本人が粉末コーヒーをつくったとあるが、人名の記述はない。
2010.8追加調査
国立国会図書館リサーチナビ http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/ (2010.8.30確認)を“加藤サトリ”で検索
『日本食文化人物事典 人物で読む日本食文化史』(西東 秋男/編 筑波書房,2005.4)が見つかる。
加藤サトリの項目(p.93)を確認。
「1899年(明治32)、液体にしたコーヒーを粉末にする「真空乾燥法」の実験に成功し、1901年(明治34)にニューヨーク州バッファローで開催された「全米博覧会」に、世界初の「ソリューブルコーヒー(インスタントコーヒー)」を発表した」とあり。
参考文献として、『事典近代日本の先駆者』(富田 仁/編 日外アソシエーツ 1995.6)があげられている。
『事典近代日本の先駆者』(富田 仁/編 日外アソシエーツ 1995.6)加藤サトリの項目(p.199.194)を確認。
参考文献のうち、当館所蔵は下記の図書。
『事物起源辞典 衣食住編』(朝倉 治彦/[ほか]編 東京堂出版,2001.9)
『西洋料理がやってきた』(富田 仁/著 東京書籍,1983.10)
商用データベース「e-レファレンス・ライブラリー」(日外 人物・出版情報)「人物レファレンス事典plus」
“インスタントコーヒー”で検索、「カトウサトリ」の項目あるが、掲載事典は前述の『事典近代日本の先駆者』のみ。
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 食品工業 (588 9版)
- 食品.料理 (596 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0080047194> 発明とアイデアの歴史 -Eureka!- エドワード・デボノ/編 講談社 1977
- 当館書誌ID <0010964081> 日本食文化人物事典 -人物で読む日本食文化史- 西東 秋男/編 筑波書房 2005.4 4-8119-0278-5
- 当館書誌ID <0000454165> 事典近代日本の先駆者 富田 仁/編 日外アソシエーツ 1995.6 4-8169-1301-7
- 当館書誌ID <0010141251> 事物起源辞典 衣食住編 朝倉 治彦/[ほか]編 東京堂出版 2001.9 4-490-10584-3
- 当館書誌ID <0070053818> 西洋料理がやってきた(東書選書 90) 富田 仁/著 東京書籍 1983.10
- 『ネスカフェはなぜ世界を制覇できたか』 田中 重弘/著,講談社,1988.2 ISBN:4-06-192777-9 <当館書誌ID:0000332420>
- 『酒・たばこ・コーヒー 』 岡部 和彦/編, 女子栄養大学出版部,1988.2 ISBN:4-7895-5225-X <当館書誌ID:0000320737>
- 『食の社会学』 加藤 秀俊/著, 文芸春秋,1980<当館書誌ID:0080008825>
- 商用データーベース「Japan Knowledge(ジャパンナレッジ)」(辞書・事典等)『日本大百科全書(ニッポニカ)』
- 商用データベース「e-レファレンス・ライブラリー」(日外 人物・出版情報)「人物レファレンス事典plus」
- キーワード
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- コーヒー
- インスタントコーヒー
- 発明
- 加藤サトリ
- ジョージ・ワシントン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000070650