レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/07/09
- 登録日時
- 2015/03/04 00:30
- 更新日時
- 2015/03/04 09:23
- 管理番号
- 千県中児童-2015-3
- 質問
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解決
「おちょうちんぼんぼらこ」という彼岸花を使った遊びについて知りたい。歌もあるらしい。
- 回答
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「おちょうちんぼんぼらこ」は、『日本植物方言集 草本類篇』(日本植物友の会編 八坂書房 1972)によると「彼岸花」を表す愛媛県の方言である。また、彼岸花の茎を根本から折り取り、皮を切らないように注意しつつ約2cm間隔で左右交互に折り分けながら、厚い肉と表皮だけのところと交互になるように裂いていき、二つに分かれた茎の片方を切り取って花を逆さにぶらさげ“提灯”にみたてるという草花あそびである。
『ヒガンバナの博物誌』(栗田子郎著 研成社 1998 のぎへんのほん)p.23に、写真「図3・1 草遊び。おちょーちんぼんぼらこ」と、p.24に「この植物には1000余の里呼び名があります。」「オチョーチンボンボラコのように子供の草遊びにまつわる楽しい名もありますが」との説明がある。
「おちょうちんぼんぼらこ」という名前ではないが、彼岸花を使ってちょうちんにする実際の遊び方が、多くの草花遊びの本に載っている。
例えば次の資料がある。
『ヒガンバナのひみつ』(かこさとし 作 小峰書店 1999)見返しの「ヒガンバナの名前のいろいろ」に「オチョウチンボンボラコ」愛媛県とあり。また、p13「カンザシかざりの楽しいあそび」に「ぶら提灯」として遊び方が載っている。
『草花あそび』(熊谷清司[著] 文化出版局 1979)p130「ひがんばなのあそび」に「ヒガンバナの提灯」として遊び方が載っている。
『遊び図鑑』(奥成 達 文 福音館書店 1987)p42「キツネのちょうちん」として遊び方が載っている。
『くさばな ふしぎ・びっくり!?こども図鑑』(学研 2004)p87「草花あそび」に「ひがんばなのちょうちん」として遊び方が載っている。
『はじめての草花あそび 3 秋の草花あそび』(ポプラ社 1995)p13「ヒガンバナ」
に「ちょうちん」として遊び方が載っている。
『日本の伝承遊びコツのコツ 2 大図解 大きな図で解りやすい本 こんなにある草花あそび』(リブリオ出版 2005.4)p.2に彼岸花で作る提灯が載っている。
「おちょうちんぼんぼらこ」の歌については、『方言讀本』(橘正一 著 厚生閣 1937)のp205に、「伊予周桑郡徳田村の子どもが彼岸花を折り掛けたものを提灯に見立てて『「御提灯ぼんぼらこ御門へ参りましよ』と歌いながら遊ぶ」とある。
また、杉山正世「愛媛縣ニ於ケルひがんばなノ異稱一覧、並ニ二三ノ異稱ノ命名意識ニ對スル臆測(圖入)」『植物研究雑誌 7(10)(70)1931年12月』(国立国会図書館デジタルコレクション 書誌ID:000000011666)に、ヒガンバナの異称として「おちょーちんぼんぼらこ」が挙げられており、「ちょーちんばなのちょーちんという見立ても葬儀用の飾提灯にかかわりがありそうに思う(中略)(愛媛県周桑郡)徳田村吉田では図のように拵えた提灯を持って『おちょーちん ぼんぼらこ おかどーえ まいりましょ』と唄いながら遊ぶ。」とある。ヒガンバナで提灯を作る方法も図示されている。
(インターネットの最終アクセス 2014年12月25日)
- 回答プロセス
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まず、彼岸花の資料を調べ、次に草花遊びの資料(主に児童資料)を調べた。歌については、子どもの遊び、わらべ歌、愛媛県の民俗に関する資料を調べたが見当たらなかった。『方言讀本』はインターネット「googlebooks」を、『植物研究雑誌』については、「国立国会図書館デジタルコレクション」を検索した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 被子植物 (479 9版)
- 社会.家庭生活の習俗 (384 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 彼岸花(ヒガンバナ)
- 草花あそび(クサバナアソビ)
- 愛媛県(エヒメケン)
- 方言(ホウゲン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 一般
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000168520