レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/04/10
- 登録日時
- 2014/11/14 00:30
- 更新日時
- 2014/11/14 00:30
- 管理番号
- 参調 14-0118
- 質問
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解決
『樅ノ木は残った』山本周五郎∥著(講談社 1969)文中(第2章2梅の茶屋)p.149上段4行目の「めぼりで捕った泥鰌」の「めぼり」とは何か知りたい。
- 回答
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「メボリ」という言葉が掲載されている資料は次のとおり。
・『日本民俗図誌 第15冊 漁撈篇』の「東京湾漁業」p.178~179に、鰻(うなぎ)抄いの漁具で、方言メボリと記述あり。また、その図も掲載。説明「袋は網になって居り、口は柔軟なる木を曲げ枠とし、柄には樫の木を丸型に削ったのをすげる。」
・『日本の民俗13東京』の「6 漁業」のp.76に、「これらの地域では、近年までメボリ・クマデ・(中略)などを使ってあさり・はまぐり・あおやぎ・あか貝・(省略)を」という記述あり。
「メボリ」の名前はないが、泥鰌の捕獲方法について詳細が記されている資料について、参考までに紹介。
・『鰌の飼い方』(泰文館 1951)p.74~75には、三、天然産の捕獲法が記述されている。(当該小説の季節は冬のため、その部分を抜粋。)「一番容易な方法は、晩秋から初冬へかけて、沼田や灌漑排水溝渠を掘ることである。水田に水の必要の無くなった頃、小さな魚籠(びく)と鍬又は金網を持って、灌漑溝などの水の無くなっている目ぼしいところを漁って歩く、鰌のいるところは必ず泥の上に、ぶつぶつと小さな空気孔をあけているから、そんな所を見つけて鍬で土を掻き上げたり、金網で深く土を掬って捕獲するのである。又水田の落水をする時は、排水溝に魚筌(ぎょせん)(モンドリ又はモジ)を装置しておけば、その水田内にいる鰌の群が水と共に下ってきて、皆その中にあつまるのである。その外、天然鰌を捕る方法としては、(中略)焼米糠や蛹・田螺蜆殻を以て泥に混ぜて団子を作りそれを筌や古莚の苞に入れて夜間鰌のおりそうな泥田や溝渠に埋めて置くのである或いは水田の稲株の間に小穴を堀り、この餌料団子を崩し入れて雑草を上に覆うて置いて、鰌を寄せ時期を見計らって笊や金網等で掬いに廻るのである。これ等の方法は所謂鰌の巣さえ探し当てれば面白いほど澤山とれるものである。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗習慣.民俗学.民族学 (380 7版)
- 参考資料
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- 1 鰌の飼い方 谷本保夫∥著 泰文館 1951 663.694/TA
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2 日本の民俗 13 東京 第一法規 1975 382.1/NI/13 -
3 日本民俗図誌 第15冊 漁撈篇 本山 桂川∥著 東京堂 1943 380/581-15/101 -
1 樅ノ木は残った 山本周五郎∥著 講談社 1969 F/Y p.149 -
2 樅ノ木は残った 上巻 山本/周五郎?著 新潮社 1989 BF/Y/1 p.332 -
3 日本水産捕採誌 農商務省水産局∥編 水産社 1929 664/985/3 p.145「ハネコミ」 -
4 日本民俗調査報告書集成 [13] 関東の民俗 大島/暁雄?[ほか]編著 三一書房 1994.11 382.1/NI/13 -
5 江戸語大辞典 前田/勇?編 講談社 2003.4 818.36/E -
6 図録・山漁村生活史事典 秋山高志∥[ほか]編 柏書房 1991.1 384/Z -
7 いまに伝える農家のモノ・人の生活館 大舘/勝治?著 宮本/八惠子?著 柏書房 2004.10 382.134/I -
8 ほか
- キーワード
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- めぼり
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000162166