レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年4月19日
- 登録日時
- 2016/09/08 16:36
- 更新日時
- 2018/04/02 12:33
- 管理番号
- 2016-002
- 質問
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解決
日本語に翻訳されたフランス詩が読みたい。
明治初期~大正期頃まで(1800年代半~1920年代)に日本において翻訳・発表されたもので、日本の複数の詩人(詩人以外の、小説家等によるものは必要ない)が翻訳している詩を読み比べたい。フランス詩自体はいつの時代のものでも構わない。
(一つの詩を複数の詩人が翻訳している場合にどのような違いがあるかを比較研究している。)
- 回答
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本学今出川図書館で所蔵する以下の訳詩集からお探しの詩を拾い出せると思われます。
・『明治大正訳詩集』吉田精一解説 ; 森亮 [ほか] 注釈(日本近代文学大系;52) 東京 : 角川書店 , 1971
大正時代の詩人別の作品一覧(訳詩含む)あり。
・『訳詩集』(近代の詩人 別巻) 加藤周一編・解説 東京 : 潮出版社 , 1996
外国詩の訳詩集。「誰の詩を誰が訳したか」についても書かれている。
・『比較文学辞典』増訂版 松田穣編 東京 : 東京堂出版 , 2013
p. 8~「項目一覧表」に作家別に、日本の詩人は日本語への翻訳作品、フランスの詩人は誰によって日本語翻訳されたかといった情報が掲載されている。
・『詩と象徴 : 日本の近代詩人たち』窪田般弥著 東京 : 白水社 , 1977
p. 303~「大正期におけるフランス詩」あり。→講座日本現代詩史2巻が出典
・『フランス文学案内』増補新版 篠沢秀夫著 東京 : 朝日出版社 , 1996
p.417~「翻訳文献・参考書案内」フランス人作家別に翻訳書に関する情報が掲載されている
その他、特定の詩人についての訳詩や比較研究については回答プロセスをご参照ください。
- 回答プロセス
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1. 『図説翻訳文学総合事典』の確認
国立国会図書館リサーチナビ「外国語から日本語に翻訳された文学作品を探すための書誌・目録」2.翻訳書誌から探す 2-1.総合的な翻訳書誌において紹介されている上記資料を参照。
・第1巻p.273引用文献により日夏耿之介著『明治大正詩史』の情報を入手。
→本学OPAC所蔵にて内容確認しところ、川路柳虹、上田敏、堀口大学、永井荷風などの大正時代の訳詩に関する記述が見られる。また、各作家の作品一覧の記載もあり。
・第2~4巻『原作者と作品』には詩に関する記述無し。
2. 本学OPACを検索。
検索キーワード「訳詩集」、「フランス 詩 日本 詩人」、「日本 詩人 近代」、「比較文学」等で検索したところ、以下の資料が該当すると思われた。
・『訳詩集』(近代の詩人 別巻) 加藤周一編・解説 東京 : 潮出版社 , 1996
外国詩の訳詩集。「誰の詩を誰が訳したか」についても書かれている。原題は記載無し。
・『比較文学辞典』増訂版 松田穣編 東京 : 東京堂出版 , 2013
p. 8~「項目一覧表」に作家の一覧があり、日本の詩人の場合、翻訳作品が掲載されている。フランスの詩人の場合、誰によって日本語翻訳されたかといった情報が掲載されている。
・『詩と象徴 : 日本の近代詩人たち』窪田般弥著 東京 : 白水社 , 1977
p. 303~「大正期におけるフランス詩」あり。→講座日本現代詩史2巻が出典 B2 911.52||K5||1
・『フランス文学案内』増補新版 篠沢秀夫著 東京 : 朝日出版社 , 1996
p.417~「翻訳文献・参考書案内」フランス人作家別に翻訳書に関する情報が掲載されている
3. 参考情報
・北村卓『日本におけるフランス近代詩の受容研究と翻訳文献のデータベース作成』[北村卓] , 2007年(https://kaken.nii.ac.jp/d/p/16520208.ja.html [参照:2016-09-08])
・萩原朔太郎「詩の翻訳について」(萩原朔太郎全集 第9巻 補訂版. 筑摩書房, 1987.の『純正詩論』に収録。)
フランス詩の訳について述べている部分があり。
・『明治大正訳詩集』吉田精一解説 ; 森亮 [ほか] 注釈(日本近代文学大系;52) 東京 : 角川書店 , 1971
上田敏、永井荷風の訳詩が掲載されている。
・『詩のこだま : フランス象徴詩と日本の詩人たち』水島裕雅著 東京 : 木魂社 , 1988
ボードレールと上田敏・芥川龍之介・小林秀雄、マラルメと堀口大學・上田敏といった内容が書かれており、訳詩も紹介されている。
・「詩の翻訳は何を伝えるか(2) : 北園克衛が訳したエリュアール」國分俊宏 『青山国際政経論集』86号 p.19-38, 2012(https://www.agulin.aoyama.ac.jp/opac/repository/1000/12537/ [参照:2016-09-08])
・「ランボー詩Sensationとその邦訳(<特集>文学の翻訳)」大嶋 仁 『Comparatio』 12号 p. 80-98(2008年)九州大学大学院比較社会文化学府比較文化研究会 (http://ci.nii.ac.jp/naid/110007159110 [参照:2016-09-08])
ランボーの詩、Sensationを訳した詩人、作家について述べられている。
・『定本蒲原有明全詩集』蒲原有明著 ; 蒲原有明全詩集刊行會編 東京 : 河出書房 , 1957
蒲原有明によるフランス詩の翻訳が多数掲載されている。
- 事前調査事項
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高村光太郎や金子光晴がフランスの詩を訳していたと、論文で読んだ。
- NDC
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- 詩歌 (911)
- 詩 (951)
- 参考資料
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国立国会図書館リサーチナビ「外国語から日本語に翻訳された文学作品を探すための書誌・目録」
http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-493.php (参照:2016-09-08) - 川戸道昭 , 榊原貴教 , 川戸道昭 , 榊原貴教. 図録日本の翻訳文学 ; 図説日本翻訳文学史. 大空社, 2009. (図説翻訳文学総合事典 1) (NCID:BB00433610)
- 日夏耿之介. 日夏耿之介全集 第3巻 (明治大正詩史). 河出書房新社, 1975. (NCID:BN00990101)
- 加藤周一. 訳詩集. (近代の詩人 別巻) 潮出版社, 1996. , ISBN 4267012490 (NCID:BN15026105)
- 明治・大正訳詩集. 角川書店, 1971. (日本近代文学大系 ; 52) (NCID:BN0525042X)
- 水島裕雅 著. 詩のこだま : フランス象徴詩と日本の詩人たち. 木魂社, 1988. (NCID:BN02497233)
- 窪田般弥 著. 詩と象徴 : 日本の近代詩人たち. 白水社, 1977. (白水叢書 ; 14) (NCID:BN00240746)
- 松田穣 編. 比較文学辞典 増訂版. 東京堂出版, 2013. , ISBN 9784490108453 (NCID:BB14356369)
- 篠沢秀夫 著. フランス文学案内 : 代表的作家の主要作品・文学史年表・翻訳文献等の立体的便覧 増補新版. 朝日出版社, 1996. , ISBN 4255960100 (NCID:BN14418584)
- 蒲原有明 ; 蒲原有明全詩集刊行会 編. 定本蒲原有明全詩集. 河出書房, 1957. (NCID:BN04224752)
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國分俊宏. 詩の翻訳は何を伝えるか(2) : 北園克衛が訳したエリュアール. 2012-01. 青山国際政経論集 86 p. 19-38
https://www.agulin.aoyama.ac.jp/opac/repository/1000/12537/ (参照 2016-09-08) -
大嶋仁. ランボー詩Sensationとその邦訳 (特集;文学の翻訳). 2008. Comparatio 12 p. 80-98
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007159110 (参照 2016-09-08) -
国立国会図書館「近代日本とフランス」第2部 文化の日仏交流 第1章 文学 2. 翻訳されたフランス文学
http://www.ndl.go.jp/france/index.html (参照 2016-09-08) -
伊藤信吉 [ほか]編 , 萩原, 朔太郎, 1886-1942. 萩原朔太郎全集 第9巻 補訂版. 筑摩書房, 1987.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001866794-00 , ISBN 4480735097 (青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/000067/files/48341_35101.html [参照 2016-09-08]) -
日本におけるフランス近代詩の受容研究と翻訳文献のデータベース作成. 研究代表者 北村卓.
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/16520208.ja.html (参照 2016-09-08)
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国立国会図書館リサーチナビ「外国語から日本語に翻訳された文学作品を探すための書誌・目録」
- キーワード
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- 訳詩
- 翻訳文学
- 比較文学
- フランス詩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- フランス文学
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000196719