レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/07/08
- 登録日時
- 2014/08/28 00:30
- 更新日時
- 2014/08/28 00:30
- 管理番号
- 6001003685
- 質問
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未解決
犬の熱中症になりやすい「温度と湿度の関係」について詳しく載っている資料、論文を探しています。
インターネットで検索すると「気温22度、湿度60%以上でなりやすい」との情報は出てくるのですが、もっと詳しく知りたいです。
- 回答
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「熱中症」という疾病は、資料により「熱射病」「日射病」という病名も使われています。
お尋ねの内容と関連のある、府立中央図書館所蔵図書(5点)について記します。
1.『犬の家庭医学大百科』 (ブルース・フォーグル/著 ペットライフ社 2003.12)当館請求記号【645.6/404N】
こちらの図書には熱射病という項(p408)があり、次のような記載がありますが、気温が何度以上、湿度は何%以上になるとなりやすくなる、といったような記述はありません。
“犬はパンティング(あえぎ呼吸)によって、過剰な熱を放出します。またごくわずかですが、肢のうらのパッド(趾蹠部)から汗を通して放出します。あまりにも熱い環境だと、このような熱の放出が不完全になり、体温が急激に上がって、熱射病になります。体温が40.5℃以上になると、犬は危険な状態になり、ただちに体温を下げないと、死に至ります。 (途中省略) 39.4℃になるまで、冷やしつづけてください。37.8℃、あるいはもう少し下がっても大丈夫です。高体温よりも、このほうが危険性はありません。“
2.『愛犬のための家庭の医学』 (エリザベス・ランドルフ/監修 ソニー・マガジンズ 2003.3) 【645.6/384N】
この図書にも熱射病という項(p67~68)があり、次のような記載があります。
“犬の熱射病の原因のナンバーワンは、暑い季節に駐車した車のなかにおきざりにされることです。気温20度前後の暖かな晴れた日ですと、たとえ窓を少し開けておいたとしても、車の内部の室温が37度を超すまでに数分しかかかりません。犬は浅速呼吸以外に体温をコントロールするすべをもたないので、オーブンのように熱くなった車のなかで、すぐに虚脱してしまいます。 (途中省略) この深刻な緊急状態を避けるための最善策は、暑い日には犬は家で留守番させることです。”
下記の3点にも犬の熱中症について記載がありますが、ご依頼の点についての詳しい記述はありません。
3.『イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科』 (山根義久/監修 パイインターナショナル 2012.11) 【645.9/73N】貸出不可
4.『犬の医学』 (田中茂男/総監修 時事通信出版局 2011.7) 【645.6/588N】
5.『犬の事典』 (アメリカン・ケンネル・クラブ/原著 ディーエイチシー 1995.6) 【645.6/67N】貸出不可
他館が所蔵している図書についても、国立国会図書館サーチと国立国会図書館リサーチ・ナビ等を使って探しましたが、犬の熱中症の発症における「温度と湿度の関係」について詳しい記述があるものは見つかりませんでした。
次に雑誌記事について記します。
雑誌記事を検索するデータベースのCiNii Articles(国立情報学研究所)、Magazine Plus(日外アソシエーツ)とJDreamⅢ(ジーサーチ)を使いキーワード「犬」と「熱中症」、「犬」と「熱射病」および「犬」と「日射病」で検索しました。何点かご紹介いたします。
6.「“人感センサー”で犠牲犬続出 熱中症 愛するペット こうして守ろう」
『週刊朝日』 朝日新聞出版 118巻34号 通巻5206号 2013.8.9 p176~178 【P05/75N】 府立中央所蔵
この記事は、夏にエアコンの止まっている閉め切った室内や車の中が犬にとっていかに危険であるか、また、犬の熱中症の予防と対策について書かれていますが、その発症における「温度と湿度の関係」について詳しい記述はありません。
以下の記事の収載雑誌は府立図書館(中央、中之島)では所蔵していないため、内容については確認できていません。
7.「犬の熱射病:病態生理および発生素因」Flournoy W. Shannon , Wohl James S. , Macintire Douglass K. [他] /著
『J-vet』16(11) (インターズ 2003.11) p.4 – 10
8.「犬の熱射病:臨床症状、治療、予後および予防」Flournoy W. Shannon , Wohl James S. , Macintire Douglass K. [他] /著
『J-vet』16(11) (インターズ 2003.11) p.12 – 18
9.「小動物臨床家のための運動生理学 10 暑熱環境下での生体反応 過度の暑熱ストレスによる熱障害 高湿度環境下での生体反応」 藤原弘/著
『小動物臨床』19(1) (山水書房 2000.1) p.64 – 76
『J-vet』は獣医師向け総合情報誌でJournal for Veterinary Practitionerの日本語版。この雑誌は公立図書館で所蔵しているところはありません。国立国会図書館東京本館(03-3581-2331)か大学図書館でしか所蔵を確認することができませんでした。
『小動物臨床』も国立国会図書館東京本館か大学図書館でしか所蔵を確認することができませんでした。しかもどちらの雑誌も大阪近辺の大学図書館で所蔵しているところはなく、麻布大学附属学術情報センター(042-754-7111)、日本獣医生命科学大学付属図書館(0422-31-4151)等が所蔵しています。
さらに、相当古い雑誌記事ですが、下記記事(2件)がありましたので参考までに記しておきます。どちらも収載雑誌は『獣医畜産新報』で大阪府立大学学術情報センター図書館(072-254-9152)、京都大学附属図書館(075-753-2632)等が所蔵しています。
10.「犬の熱射病」 安達幸治郎/著
『獣医畜産新報』 553号(文永堂出版 1971.10) p.1088 – 1089
11.「犬病の観察 – 60 – 熱射病12例」 米倉督雄/著
『獣医畜産新報』 435号(文永堂出版 1966.11) p.1275 – 1276
[事例作成日:2014年7月8日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 家畜.畜産動物.愛玩動物 (645 8版)
- 参考資料
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- 犬の家庭医学大百科ブルース・フォーグル∥著ペットライフ社 (408)
- 愛犬のための家庭の医学エリザベス・ランドルフ∥監修ソニー・マガジンズ (67-68)
- イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科山根/義久∥監修パイインターナショナル
- 犬の医学田中/茂男∥総監修時事通信出版局
- 犬の事典アメリカン・ケンネル・クラブ∥原著ディーエイチシー
- 週刊朝日朝日新聞出版 118(34)<5206> (176-178)
- キーワード
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- 犬(イヌ)
- 熱中症(ネッチュウショウ)
- 熱射病(ネッシャビョウ)
- 日射病(ニッシャビョウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000158966