レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年01月28日
- 登録日時
- 2014/12/02 00:30
- 更新日時
- 2015/12/20 00:30
- 管理番号
- 2D14002235
- 質問
-
未解決
キツネは「来つ寝」で、遊女の暗喩だと聞いたが、そのことについて書かれた資料はあるか。
- 回答
-
当館所蔵の『国語大辞典』『江戸語辞典』『隠語辞典』等を確認しましたが、「化粧をして男を惑わすところから遊女を「狐」と呼ぶ」という語源の紹介のみであり、「来つ寝」だから「遊女=狐」という説について記載された資料は見つかりませんでした。
『遊女風俗姿再見』(足立直郎著 展望社 1983)p.63-p.65
「きつね美女」の項でも、「きつねという動物はよく女に化けて男をたぶらかした。で昔から遊女のことを「きつね」という異名で呼んだのである」とし、出典となる資料をいくつか紹介しています。
ただし、「穴を出て山谷で育つ狐の子」という古川柳について「当時の粋人はこの狐について「来つ寝つ」だから「きつね」と言ったのだと言って、頗るうがった説を述べているのも妙味のある説である」との記述があります。
また、「来つ寝」がキツネの語源であるという説として、『日本国語大辞典』の「きつね」の項に「狐が人の妻となって子を生んだという伝説からキツネ(来寝)の義」とあり、出典として『水鏡』を紹介しています。
『水鏡』第31代欽明天皇の項に該当の説話があります。また同内容の説話が『日本霊異記』にも「狐を妻として子を生ましめし縁」として掲載されています。
- 回答プロセス
-
1.当館所蔵の各種辞典で「きつね」をひいてみるが、別の語源の紹介のみ。
2.商用データベース「JapanKnowledge(ジャパンナレッジ)」で、「きつね」を検索。日本国語大辞典などでいくつか語源が掲載されているが、お尋ねの語源についてかかれたものは見当たらず。
3.「きつね」=「来つ寝」の説を紹介しているものをご案内することとする。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
-
- 当館書誌ID <0010055735> 日本国語大辞典 :第2版 第4巻 きかく-けんう 小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.4 9784095210049
- 当館書誌ID <0000285758> 江戸語辞典 大久保 忠国/編 東京堂出版 1991.9 9784490102970
- 当館書誌ID <0000812082> 隠語大辞典 木村 義之/編 皓星社 2000.4 9784774402857
- 当館書誌ID <0080077810> 遊女風俗姿細見 足立 直郎/著 展望社 1983.7
- 当館書誌ID <0000568294> 水鏡本文及び総索引(笠間索引叢刊 94) 榊原 邦彦/編 笠間書院 1990.6
- 当館書誌ID <0000643975> 日本霊異記 上(ちくま学芸文庫) 多田 一臣/校注 筑摩書房 1997.11 4-480-08391-X
- 商用データベース「JapanKnowledge」 (2014.5.28確認)
- キーワード
-
- 狐
- 遊女
- 隠語
- 語源
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- その他(庁内)
- 登録番号
- 1000163855