レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2015/04/07 19:15
- 更新日時
- 2020/12/24 15:48
- 管理番号
- 愛知県図-03296
- 質問
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解決
「ハニークーヘン」という名前で売られていたクッキーのようなお菓子のレシピが知りたい。
- 回答
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「ハニークーヘン」のレシピとして掲載されているものは当館では見つけることができなかったが、
『洋菓子百科事典』【資料1】に「ホーニッヒクーヘン」という「ハニークーヘン」に名前の似た蜂蜜入りの乾き焼き菓子が掲載されている。
「ホーニッヒ」はドイツ語で蜂蜜(ハニー)の意味。
また、「ホーニッヒクーヘン」の項にはレープクーヘンの一種だとの説明があり、同じ資料の「レープクーヘン」の項には「ホーニッヒクーヘンとも呼ばれる」との記述がある。
【資料1】の「ホーニッヒクーヘン」の記述によれば、使用する蜂蜜の割合などによって「ホーニッヒクーヘン」と呼ばれるかが決まると思われる。いずれの項にも材料と製法が掲載されている。
「ハニー クーヘン」で雑誌記事を検索したところ、
「X'マスにこの名菓を<ラブ・ハニー・クーヘン>」【資料2】があったが、当館には未所蔵のため確認できなかった。
レープクーヘンであれば、蜂蜜が使用されていないレシピもあるが、
『ドイツ菓子入門』【資料3】、
『ドイツ菓子大全』【資料4】、
「もう失敗しない! 12か月のお菓子レッスン(最終回)レープクーヘン」【資料5】、
「本格的なドイツ菓子に挑戦しませんか ドイツのクリスマス」【資料6】、
『ドイツ菓子・ウィーン菓子』【資料7】などにレシピが掲載されている。
- 回答プロセス
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1 参考図書を確認
『仏英独=和<新>洋菓子辞典』【資料8】を確認したところ、「ハニークーヘン」という項はないが、p.194に「honey[ハニ]」の項があった。「honey[ハニ]」は英語で、日本語では蜂蜜の意味、ドイツ語では「Honig」となると分かる。
p.194に「Honigkuchen[ホーニッヒクーヘン]」という項があり、「蜂蜜入りの生地で作った焼き菓子。(中略)→Lebkuchen」とある。また、ドイツ語であることが分かる。
p.220の「Lebkuchen[レープクーヘン]」の項には、「蜂蜜,小麦粉,ライ麦などを混ぜ合わせてつくる古典的なフールセック.生地は,蜂蜜だけでつくるホーニッヒクーヘンタイクと,砂糖,水アメ,人工蜜などを使ってつくるレープクーヘンタイクがある.」とある。「ドイツのクリスマスの菓子」という記述もある。
『洋菓子百科事典』【資料1】には、「ハニークーヘン」は掲載がないが、「ホーニッヒクーヘン」はpp.426-427に掲載があり、「ホーニッヒとは蜂蜜の意味で、ドイツ語圏の人々に古くから親しまれている蜂蜜入りの乾き焼き菓子。レープクーヘンの一種。[中略]甘味料の50%以上は天然の蜂蜜を使用しなければならず、[後略]」とある。また、pp.517-518の「レープクーヘン」の項を見ると「蜂蜜入りのクッキーの一種」という説明とともに「ホーニッヒクーヘンとも呼ばれる」との記述があるほか、「近世に入って砂糖も入手しやすくなり、配合も工夫され、手を加えられて今に至っている。」とも記述がある。いずれの項にも材料と製法が記載されているが、使用する甘味料等、内容は少々異なる。
2 当館OPACで検索
「ドイツ 菓子」「クリスマス 菓子」等で検索したところ、
『ドイツ菓子入門』【資料3】、『ドイツ菓子大全』【資料4】、『ドイツ菓子・ウィーン菓子』【資料7】などがあることがわかる。
【資料3】にはpp.180-183に「マンデルレープクーヘン」「エリーゼンレープクーヘン」の材料と製法の記載があるが、いずれも蜂蜜は使用されていない。
【資料4】には、pp.242-243に蜂蜜が使用されていない「エリーゼンレープクーヘン」の材料と製法の記載があるほか、pp.244-245に「ドミノシュタイン」という菓子を作る際の生地として「ホーニッヒクーヘン」タイプの「レープクーヘンタイク」の作り方が掲載されている。また、p241のコラムに蜂蜜とスパイスを使った菓子の記載がある。
【資料7】にも、pp.30-39にレープクーヘン生地を使った各種焼き菓子の作り方が掲載されている。
3 NDLサーチで検索
「ハニー クーヘン」で検索すると製菓専門雑誌の記事に【資料2】があることが分かったが、当館が所蔵していない巻号であるため、内容は未確認。 「ホーニッヒクーヘン」で検索しても同雑誌の【資料2】とは別巻号に記事があるが、所蔵していない巻号のため内容は未確認。「レープクーヘン」で検索したところ、「もう失敗しない! 12か月のお菓子レッスン(最終回)レープクーヘン」【資料5】(pp.66-69)に、蜂蜜とブラウンシュガーを使用する製法のレープクーヘンの記載があることが分かる。
4 雑誌をブラウジング
【資料2】が掲載されてる雑誌『製菓製パン』をブラウジングしたところ、クリスマス前の巻号でクリスマスの菓子についての特集記事が組まれていることが多いことが分かった。クリスマス前の巻号の内容を確認したところ、【資料6】のpp.102-109に「レープクーヘン」のレシピが掲載されていた。蜂蜜とブラウンシュガーを使用した「レープクーヘン」の製法のほか、その生地を使用した「シュペクラ-ツィウス」「フルヒトレープクーヘン」などの製法も掲載されている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品工業 (588)
- 食品.料理 (596)
- 参考資料
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【資料1】『洋菓子百科事典』吉田菊次郎/著 白水社、 2016
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I005952159-0000 (1111212551) - 【資料2】『X'マスにこの名菓を<ラブ・ハニー・クーヘン>』藤間克雄 『製菓製パン』27(12)=335(1961.12) pp.142-145 (当館所蔵なし)
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【資料3】『ドイツ菓子入門』江崎修、長森昭雄/編 鎌倉書房、 1987
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001901451-00 , ISBN 4308004241 (1102937602) -
【資料4】『ドイツ菓子大全』安藤明/技術監修、柴田書店/編 柴田書店、 2012
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023884370-00 , ISBN 9784388061495 (1110502548) -
【資料5】「もう失敗しない! 12か月のお菓子レッスン(最終回)レープクーヘン」『栄養と料理』18(12)、2018 pp.66‐69
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I029350900-00 - 【資料6】「本格的なドイツ菓子に挑戦しませんか ドイツのクリスマス」『製菓製パン』76(10)、2010 pp.97‐109
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【資料7】『ドイツ菓子・ウィーン菓子』辻製菓専門学校/監修 長森昭雄、大庭浩男/著 学研教育出版、 2014
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025939164-00 , ISBN 9784058003084 (1110959963) -
【資料8】『仏英独=和「新」洋菓子辞典』千石玲子、千石禎子、吉田菊次郎/編 白水社、2012
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023423861-00 , ISBN 9784560000434 (1110379838)
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【資料1】『洋菓子百科事典』吉田菊次郎/著 白水社、 2016
- キーワード
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- ドイツ
- 菓子
- クリスマス
- 照会先
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- (類似事例)お菓子の家の作り方を、レシピ、カラー写真や図で解説してある資料はないか。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000099174
- (類似事例)お菓子の家の作り方を、レシピ、カラー写真や図で解説してある資料はないか。
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000170494