『国史大辞典 第1巻』国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1979
「出雲阿国」の項(p572)に、出自等に関する記述がある。「慶長五年(一六〇〇)京都で女御近衛氏のために「国」と「菊」という二人がややこ踊を演じた(『時慶卿記』)とあるのが、確実な史料の上における「国」の名の初見である。」等と書かれている。
また、同辞典の第2巻には、「阿国歌舞伎」(p797-798)、「女歌舞伎」(p984)の項があり、それぞれ解説と共に、参考文献が記載されている。
山路興造著「初期歌舞伎の周辺 ―阿国と同時代の芸能者たち―」(『文学』第55巻 1987年4月 p154‐165)
「一 序」に「初期歌舞伎、そのうちでも特に出雲阿国を中心とした草創期の研究に関しては、ほぼ研究が出尽くしたと云っても過言ではない(略)」とあり、それまでの研究が整理されている。
『歌舞伎以前 (岩波新書)』林屋辰三郎著 岩波書店 1954
「十一章 歌舞伎誕生」の「一 かぶき踊」に、「阿國」に関する記述があり、p225に「さて阿國が一六〇三年(慶長八年)京洛に姿を現わす前に、佐渡ヶ島に下向したという説が、「慶長見聞錄案紙」に見えている。」とある。
『出雲のおくに その時代と芸能 (中公新書)』小笠原恭子著 中央公論社 1984
「第二章 天下一の女」には「Ⅰ 幼女おくに」「Ⅱ 遍歴の時代」「Ⅲ かぶきおどりへの道」といった項目があり、関ヶ原の戦い(1600年)以前の阿国の動向に関する記述がある。「第三章 おくにの周辺」の「Ⅱ おくにの一座」には、一座のメンバーに関する記述がある。
『岩波講座歌舞伎・文楽 第2巻 歌舞伎の歴史 1』鳥越文蔵[ほか]編 岩波書店 1997
「Ⅰ 成立期の歌舞伎」(服部幸雄著 p1~33)「4 出雲のお国の出自をめぐって」「5 女歌舞伎の芸態と興行」といった項目がある。
『天下人の時代 16~17世紀の京都』朝尾直弘、田端泰子編 平凡社 2003
安田富貴子著「出雲の阿国 天下一の女」(p239~270)に、「三 「ややこ踊り」から「かぶき踊りへ」」「四 「かぶきをどり」の芸態」といった項目がある。
『人物日本の女性史 第9巻 芸の道ひとすじに』小笠原恭子[ほか]著 集英社 1977
小笠原恭子著「出雲のおくに」(p9~42)は、「屏風絵などの風俗画に描かれたおくにの舞台姿」から、衣装のことにも言及している箇所があり、「いずれも目を奪う豪奢な衣装とアクセサリー」といった記述がある。(p17)
『かぶきの誕生』小笠原恭子著 明治書院 1972
「第二章 かぶきのの誕生」に「女かぶき成立前後」(p88~120)という項がある。
『歌舞伎成立の研究 再版』服部幸雄著 風間書房 1980
「Ⅲ 歌舞伎踊の成立」に、「第三 阿国の念仏踊」「第四 地方における女歌舞伎」「第五 女歌舞伎の踊歌」といった項がある。また、「歌舞伎成立史研究文献目録」や「資料図版」が掲載されている。
また、「出雲阿国」や「ややこおどり」等をキーワードに、インターネット上の情報を検索したところ、次のような情報があった。
〇 ややこおどり・かぶき踊の発生と地方民俗芸能のかかわり ―出雲阿国を媒体として― 門脇恵子 (京都造形芸術大学通信教育学部サイバーキャンパス)
http://kirara.cyber.kyoto-art.ac.jp/digital_kirara/graduation_works/detail.php?act=dtl&year=2011&cid=551&ctl_id=94&cate_id=9(2016年10月25日 最終確認)