レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/31
- 登録日時
- 2020/11/20 00:30
- 更新日時
- 2020/11/20 00:30
- 管理番号
- 牛久-1706
- 質問
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解決
モーツァルトの音楽についている「ケッヘル」とは何か?モーツァルト以外の音楽家にも使われているのか知りたい。
- 回答
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ケッヘル(ケッヒェル)は、オーストリアの音楽研究家。自然科学者(1800年~1877年)。
ケッヘル番号は、ケッヘルの編集によるモーツァルトの全作品の年代順カタログに付けられた番号のことで、KまたはKVと表される。第1番(幼年のチェンバロ作品)から第626番(レクイエム)まで通し番号を付した「モーツアルト全音楽作品年代順主題目録」は、以後の作曲家作品目録のモデルとなった。A.アインシュタインによる修正(第3版、1937年)を経て、現在第6版(1964年)の番号を加えた二重番号制がとられている。
ケッヘルはモーツァルト研究家で、ケッヘル番号はモーツァルトの作品のみに使われているので、他の音楽家の作品には使われていない。
○ケッヘルについて、次の資料を紹介。
・『音楽大事典 2』(平凡社/1982.1) …p859-860
・『世界大百科事典 8 改訂新版』(平凡社/2007.9) …p665
○ケッヘル番号について、次の資料を紹介。
・『クラシック音楽事典』( 戸口幸策監修/平凡社/2001.7)…p129
・『モーツァルト全作品事典』(ニール・ザスロー[ほか]編/音楽之友社/2006.12)…p409-410
- 回答プロセス
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1. 請求記号「R760」の音楽事典の棚をブラウジングし、次の資料にあたる。
(1)『音楽大事典 2』(平凡社/1982.1)
…p859-860の「ケッヘル」の項にオーストリアの音楽研究家(1800年~1877年)とあり、「モーツァルトの作品を収録・整理して、通し番号(ケッヘル番号)をつけた目録を作成」との記述あり。
(2)『音楽大事典 5』(平凡社/1983.8)
…p2556の「モーツァルト」の「研究史」の項に「1862年に公刊されたケッヘルの「モーツァルト作品目録(モーツァルト全作品年代順主題目録)」は、大作曲家の全作品に関する多様な情報を網羅した主題目録の先駆であり、この目録はアインシュタインらの改訂を経て、現在第6版(1964)が用いられている」との記述あり。
(3)『クラシック音楽事典』( 戸口幸策監修/平凡社/2001.7)
…p129の「ケッヘル番号」の項に、「オーストリアの自然科学者・音楽史家ケッヘルの編集によるモーツァルトの全作品の年代順カタログに付けられた番号。KまたはKVと表される」との記述あり。
(4)『モーツァルト大事典』(平凡社/1996.4)
…p336「書誌学」の「ケッヒェル作品目録」の項に、「ルートヴィヒ・フォン・ケッヒェル(1800~77)が、1851年頃作品目録のために資料収集を開始し、1862年に最初の年代順主題目録を出版した」との記述あり。
(5)『モーツァルト全作品事典』(ニール・ザスロー[ほか]編/音楽之友社/2006.12)
…p9「用語と略号」の「ケッヒェル番号」の項に、「ケッヒェル目録」とその番号付けのシステムについては付録A参照とあり。
…p409-410「付録A」の「ケッヒェル作品目録史」に「ルートヴィッヒ・リッター・フォン・ケッヒェルの「ヴォルフガング・アマデ・モーツァルト全作品年代順主題目録」(=K¹)は1862年に出版された。この目録は、ケッヒェルの知っていたモーツァルトの全完成作品を、彼の判断に基づいて作品年代順に並べ、第1番(幼年のチェンバロ作品)から第626番(レクイエム)まで通し番号を付したものである」との記述あり。ケッヒェル番号の追加・修正の変遷についての記述あり。
2. 「ケッヘル」の人物について調べるために、請求記号「R280」の人物レファレンス事典の棚をブラウジングして次にあたる。
(6)『外国人物レファレンス事典 2 古代-19世紀』(日外アソシエーツ編集部編/日外アソシエーツ/1999.1)
…p696に「Köchel, Ludwing von〈19世紀〉」にオーストリアの音楽家。植物学者。鉱物学者との記述あり。
3. 2のキーワードで、請求記号「R031」の百科事典の棚をブラウジングし、次の資料にあたる。
(7)『世界大百科事典 8 改訂新版』(平凡社/2007.9)
…p665「ケッヘル」1800-77の項に「ケッヘル番号にその名を残しているオーストリアのモーツァルト研究家。「モーツアルト全音楽作品年代順主題目録」は、モーツァルトの作品の確認を容易にし、作品に関する情報を詳細に提供し、以後の作曲家作品目録のモデルとなった。最初の作品とされたK1から「レクイエム」K626まで年代順に記述したため、A.アインシュタインによる修正(第3版、1937)を経て、現在第6版(1964)の番号を加えた二重番号制がとられているとの記述あり。
→以上の結果より、ケッヘルは、モーツァルト研究家であり、以後の作曲家作品目録のモデルとなったことから、モーツァルトのみの作品目録を編集したと判明。
→ケッヘルについて(1)(7)の資料、ケッヘル番号について(3)(5)の資料を紹介する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 音楽 (760 10版)
- 音楽史.各国の音楽 (762 10版)
- 日本語 (031 10版)
- 参考資料
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- B10515728 音楽大事典 2 平凡社 1982.1 760.33
- B10271684 クラシック音楽事典 戸口幸策/監修 平凡社 2001.7 760.33 9784582127171
- B10559880 モーツァルト全作品事典 ニール・ザスロー[ほか]/編 音楽之友社 2006.12 762.346 9784276001282
- B10573119 世界大百科事典 8 改訂新版 平凡社 2007.9 031 9784582034004
- B10258001 外国人物レファレンス事典 2 古代-19世紀 日外アソシエーツ編集部/編 日外アソシエーツ 1999.1 280.33 9784816915222
- 音楽大事典 5 平凡社 1983.8 760.33
- モーツァルト大事典 平凡社 1996.4 762.346 9784582109214
- キーワード
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- ケッヘル
- ケッヒェル
- モーツァルト
- 作品目録
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000289674