レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年04月05日
- 登録日時
- 2019/09/20 11:24
- 更新日時
- 2020/03/26 14:58
- 管理番号
- 吹-80-2019-010
- 質問
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解決
「阿波の土柱(あわのどちゅう)」について書かれた本を探している。
- 回答
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「阿波の土柱」の説明と写真の掲載があった以下の資料を提供した。
(1)『徳島県の歴史散歩』(山川出版社 2009.7)
p120、p134〜p136に、「阿波の土柱」の説明と写真の掲載がある。
(2)『日本の天然記念物 6 地質・鉱物』(講談社 1984.6)
p56〜p58 土柱の写真が大きく載っており、土柱と地層の形成についての解説がある。
(3)阿波市観光協会ホームページ(最終確認2019.9.25)
- 回答プロセス
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テレビで紹介されていた徳島県の観光地で、土が削られてカーテンのようになっている所であるとのこと。
当初「徳島の土じょう」という質問だったが、当館の書架にある徳島県のガイドブックや地理、歴史を説明した資料(NDC291.81、218.1)に掲載がないため、徳島のどの地域かを訊ねると、阿波(あわ)地方であるとのこと。
インターネット検索で「阿波」、「土じょう」というキーワードを組み合わせて検索した結果、「天下の奇勝「阿波の土柱」」というタイトルで阿波市ホームページに
(4)観光・文化ページ(最終確認2019.9.25)
の掲載があった。記事を読むと質問者の説明と類似していたため確認したところ、探している場所が「阿波の土柱」であると分かった。再度、当館にある徳島県のガイドブック等を調べると、
(1)に説明と写真の掲載があり、(2)に記載があり、(3)には詳細が載っている。
(1)によると、「阿波の土柱」は、阿讃(あさん)山脈の和泉(いずみ)層群に由来する土柱層が厚く堆積したもの。土柱層は130万~45万年程前のもので、風雨に浸食されて、柱やカーテンの襞のような形状となった。イタリアのティロル地方とアメリカのロッキー山脈と合わせ、世界に3ケ所しかない珍しい地質現象。1961年に土柱高越県立自然公園(どちゅうこうつけんりつしぜんこうえん)となった、とある。
(2)によると、「阿波の土柱」は、讃岐(さぬき)山脈南麓にあり、土柱の形成には地層と気象条件とが複雑に関係している、とある。
(3)によると、「阿波の土柱」は、太古より土や砂礫が堆積した土地が隆起、雨水に年月をかけて削られ形造られた。「四国八十八景」のひとつに選定され、一番大きな波濤嶽(はとうがたけ)は、昭和9年に国の天然記念物に指定された、とある。
(4)によると、「阿波の土柱」とは、100万年程前に土砂が堆積した扇状地が地震活動により隆起した一部が崩壊し、雨水によって土が削られて形づくられた土の柱が並び、土壁がカーテンのように見える所、とある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 10版)
- 四国地方 (218 10版)
- 生物地理.生物誌 (462 10版)
- 参考資料
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徳島県の歴史散歩編集委員会 編. 徳島県の歴史散歩. 山川出版社, 2009. (歴史散歩 ; 36)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010440476-00 , ISBN 9784634246362 -
渡部景隆編集 , 渡部, 景隆. 地質・鉱物 ; 地図・索引. 講談社, 1984. (日本の天然記念物, 6)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I002587711-00 , ISBN 406180586X
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徳島県の歴史散歩編集委員会 編. 徳島県の歴史散歩. 山川出版社, 2009. (歴史散歩 ; 36)
- キーワード
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- 阿波の土柱(あわのどちゅう)
- 土柱(どちゅう)
- 阿波(あわ)
- 土柱高越県立自然公園(どちゅうこうつけんりつしぜんこうえん)
- 国の天然記念物
- 世界三大土柱
- 世界三大奇勝
- 四国八十八景
- 阿讃山脈(あさんさんみゃく)
- 讃岐山脈(さぬきさんみゃく)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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下記(4)〜(8)の資料は記載が少ないが、ポイントとなる記述や写真の掲載があるため、参考までに紹介する。
(4)〜(6)は児童向け資料。ガイドブックの(7)(8)は当館所蔵の現時点での最新版で調査したもの。
(4)『都道府県別日本の地理データマップ 6 中国・四国地方』(小峰書店 2007.4)p49
アメリカのロッキー山脈、イタリアのチロル地方の土柱とならび、世界三大土柱の一つとされる、との記述がある。
(5)『都道府県別日本地理 [5] 中国・四国地方』(小松陽介/[ほか]監修 ポプラ社 2010.3)p158
高さ10m前後の多数の柱が立っている、との記述がある。
(6)『統計・資料で見る日本地図の本 7 中国・四国』(こどもくらぶ/編 岩崎書店 2008.4)p38
100万年前の氷河時代に堆積した地層が隆起し、雨水に削られて形成された、との記述がある。
(7)『るるぶ徳島鳴門祖谷渓 [2017]』(JTBパブリッシング 2017.8)p48
世界三大奇勝の一つ。約130万年前の地層が大気や雨に浸食されてできた巨大な断崖。展望所や遊歩道も整備されている。見学自由との記述がある。
(8)『徳島 鳴門・祖谷渓・阿南海岸〔2018〕』(昭文社 2018.7)p54
(7)とほぼ同内容の記述
掲載がなかった資料
(9)『徳島県の歴史』(山川出版社 2007.6)
(10)『図説徳島県の歴史』(河出書房新社 1994.11)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000261582