レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年4月6日
- 登録日時
- 2018/04/06 17:35
- 更新日時
- 2018/06/13 12:56
- 管理番号
- 県立長野-18-002
- 質問
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木曽地方の漬物「すんき」について知りたい。歴史や漬け方がわかるものはあるか。
- 回答
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『無塩の漬物 木曽のすんき』【N569/246】p.14-15に漬け方が記載があり、すんきを使ったレシピが何品も紹介されている他、歴史的背景や学術研究の報告なども記載されているため、これを紹介する。
農林水産省の地理的表示保護制度登録産品の第34号に「すんき」があり、ここに登録されている内容からも詳しいことがわかる。
「すんき」を漬ける為に必要な「すんきの種」は上記2つの情報にも
・前年に製造したすんきを冷蔵、冷凍、又は乾燥したもの
・前年に製造したすんきの漬け汁を冷蔵したもの
が上げられている。
さらに
・山の木の実類(ズミ、山葡萄など)
・すんきから分離培養された4種類の乳酸菌
も紹介されているが、いずれも利用者の居住地域では入手しにくいものと思われる。
『無塩の漬物 木曽のすんき』に「すんき種(スターター)試作のテストが行われています。市販のすんき種の完成も間近と思われます」とあるが、webでの検索で見当たらないことから、入手は難しいと思われる。
漬物としての「すんき」を市販しているところを検索する方法を紹介することにする。
- 回答プロセス
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1. 自館OPACで、郷土資料を母集合として、「すんき」を検索してみる。『無塩の漬物 木曽のすんき』がヒットする。内容を確認する。郷土の料理に関する棚(N596)でブラウズする。また、木曽地域の漬物であることから、周辺の町村誌で民俗に関する部分を確認する。
2. 質問の聞き取りの中で、利用者は実際に漬けてみたいという希望があると思われたため、漬け方をよく確認する。「すんき」は乳酸菌を使った漬物であるため、漬けこむ材料のほかに、スターターと呼ばれる「すんきの種」が必要と分かる。「すんきの種」が利用者の居住地域で入手できるか調査する。
3. 『無塩の漬物 木曽のすんき』p.15にも市販のスタータは無いが研究開発が行われている旨記載があった。webで「すんき」「スターター」「すんきの種」などを検索するが、販売情報はヒットしてこなかった。
4. 市販されている漬物としての「すんき」を探す。長野県のアンテナショップ等の販売状況を見るが、冬場の商品のため、現在は販売終了となっているところが多い。農協や道の駅などのインターネットショップでは販売しているようなので、検索してみることを薦める。
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 8版)
- 参考資料
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木曽すんき研究会/編 , 岡田 早苗/監修 , 木曽すんき研究会 , 岡田 早苗. 無塩の漬物 木曽のすんき : おいしく食べよう植物性乳酸菌 簡単レシピ34品. 木曽すんき研究会, 2014-04.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I059341164-00 (【N569/246】)
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木曽すんき研究会/編 , 岡田 早苗/監修 , 木曽すんき研究会 , 岡田 早苗. 無塩の漬物 木曽のすんき : おいしく食べよう植物性乳酸菌 簡単レシピ34品. 木曽すんき研究会, 2014-04.
- キーワード
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- 郷土食
- 発酵
- 乳酸菌
- 乳酸発酵
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 「信濃毎日新聞」2018年4月19日31面 に「すんきのつけ汁つめちゃいました」という商品の販売を開始したという記事があり、販売元の開田高原振興公社へ確認したが、当該商品は加熱殺菌してあるので、すんき種には使えないとのことだった。通常販売しているつけものをすんき種にすることは普通にしているとのこと。
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000234434